ランプ・ド・マルセイユは、ル・コルビュジエがマルセイユのユニテ・ダビタシオンのために設計したウォールランプである。壁面の取付部から二つの関節を持つアームが伸び、その先に大小二つのスパンアルミニウム製ディフューザーが付く。

名称は、1949年から1952年にかけてル・コルビュジエが設計した集合住宅ユニテ・ダビタシオンに由来する。現在はイタリアのネモが「The Masters」コレクションの一つとして生産している。

特徴・コンセプト

この照明は上下二方向へ光を出す。下向きのディフューザーは直径約500mm、上向きは約170mm。下方へは手元を照らす直接光を、上方へは天井に当てて拡散させる間接光を供給する。ケーブルには二つのスイッチが付き、それぞれを独立して点灯できる。用途に応じて直接光だけ、間接光だけ、あるいは両方という三通りの使い方ができる。

アームは二箇所の関節で折れ曲がり、壁面の取付部も回転する。最大の張り出しは約1,660mm、全高は約800mm。ディフューザー群の高さは約400mm、壁面接続部の高さは約290mm。重量は約5kg。

素材は鋼とアルミニウム。本体の仕上げはマットグレー(RAL7046)、ホワイトウォッシュ(RAL9002)、ブラック(RAL7021)の三色で、いずれもディフューザー内側はホワイトウォッシュに塗られる。内面を白く保つことで、外装の色に関わらず反射光の質が一定に保たれる。寸法を抑えたミニ版も供給される。

背景

マルセイユのユニテ・ダビタシオンは、第二次世界大戦後の住宅不足に対する解答として構想された集合住宅である。ピロティの上に住戸を積層し、内部に商店や学校を組み込んだこの建物は、打ち放しコンクリートの表現とともにブルータリズム建築の出発点として扱われている。

この照明は、住戸ごとに据え付ける設備として設計された。集合住宅では住戸数だけ同じものを供給する必要があり、部材を絞ることが条件になる。

評価

実務では、一台で直接光と間接光の双方を賄える点が利点になる。読書のための手元照明と、部屋全体の照度を確保する天井反射光を、追加の器具なしで両立できる。関節による可動域が広いため、ソファやベッドの位置に合わせて光の位置を追い込める。

一方、張り出しが1.6mを超えるため、設置には相応の壁面と余白が要る。ディフューザー下部の直径500mmという大きさも、狭い空間では圧迫感になりうる。同じ壁付けの可動照明では、265 ウォールランプが錘による釣り合いで、ポタンス・ピヴォタントが壁際の一点で回転させる構成で、それぞれ別の解答を示す。

基本情報

デザイナール・コルビュジエ / Le Corbusier
設計年1949〜1952年(マルセイユのユニテ・ダビタシオン向け)
ブランドネモ / Nemo Lighting(The Mastersコレクション)
カテゴリーウォールランプ
素材鋼、スパンアルミニウム
サイズ最大張り出し 約1,660mm / 全高 約800mm / 下部ディフューザー径 約500mm / 上部ディフューザー径 約170mm
重量約5kg
配光直接光+間接光(ケーブル上の2スイッチで個別制御)
ソケットE27(下)+A60(上)
仕上げマットグレー / ホワイトウォッシュ / ブラック(ディフューザー内側は全てホワイトウォッシュ)
バリエーションミニ版あり