概要
ファットソファ アウトドアは、パトリシア・ウルキオラによるB&B Italiaのソファ「ファットソファ」を屋外向けに展開したシリーズである。丸みのある座の形はそのままに、背もたれを金属フレームと編み込みに置き換えている。リニアなソファから大型のリラックスアイランド、2種の高さのアームチェア、複数サイズのオットマンまで、6つのタイプで構成される。
特徴・コンセプト
編み込みの背もたれ
背もたれは、金属のフレームに太い編み込みを張った構成をとる。素材はねじりを加えたポリエチレン繊維で、トルトラ(鳩羽色)に染められる。詰め物で満たした座に対して、背もたれは編み目の分だけ空いている。この充実と空隙の対比が、屋内版にはない見え方をつくる。
編み目を大きく取っているため、背もたれ越しに向こう側が透ける。屋外では、家具の背が視界を塞ぐと庭や景色が分断される。目の粗い面にすることで、座る場所の輪郭は示しながら、その先の風景を残す。
屋外に置くための構成
フレームはアルミニウムで、グレーの粉体塗装が施される。塗膜が厚いため、雨や日射にさらされる場所でも劣化が進みにくい。ソファの内部フレームには鋼管と鋼材が用いられる。
座の詰め物には、コールドキュアのポリウレタンフォームと密度の異なる成形ポリウレタンを組み合わせ、撥水加工のポリエステル繊維でカバーする。カバーの縫い目にはヒートシールのリボンが入り、水が縫い目から入り込むのを抑える。底面にはPVCコーティングのポリアミド生地が張られ、床からの湿気を遮る。張地は屋外用のファブリックから選ぶ。
屋内の座り心地を屋外へ
屋外の家具は、水はけと乾きやすさを優先して詰め物を薄くする例が多い。ファットソファ アウトドアは座をフルパディングとし、屋内のソファに近い厚みを保っている。撥水と排水を素材と縫製の側で処理することで、厚みを削らずに屋外での使用に対応させている。バッククッションは本体に含まれる。
エピソード
ウルキオラは、屋内のファットソファの丸く柔らかい形を出発点としながら、屋外版では背もたれに新しい編み込みを導入した。単に素材を耐候性のものへ置き換えるのではなく、屋外に置くからこそ成立する要素を加えるという進め方である。太いポリエチレン繊維の編み目は、伝統的な籐編みの手仕事を思わせながら、工業的な精度と耐候性を備えている。
評価と影響
屋外の家具を、耐候性の装備としてではなく、屋内の家具と同じ座り心地で考える方向を示した例のひとつとして扱われている。同じ考え方はウルキオラが手がけたメッシュラウンジにも見られる。
パトリシア・ウルキオラの設計思想や経歴について詳しくはパトリシア・ウルキオラプロフィールページをご覧ください。
B&B Italiaの歴史や他の製品について詳しくはB&B Italiaブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ファットソファ アウトドア / Fat-Sofa Outdoor |
|---|---|
| デザイナー | パトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola) |
| ブランド | B&B Italia(B&B Italia Outdoor) |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | ガーデンファニチャー/アウトドアシーティング |
| 構成 | 6タイプ(リニアソファ、リラックスアイランド、アームチェア2種、オットマン各サイズ) |
| フレーム | アルミニウム(グレーの粉体塗装)/内部フレームは鋼管・鋼材 |
| 背もたれ | ねじりポリエチレン繊維の編み込み(トルトラ) |
| 座の構成 | コールドキュアポリウレタンフォームと密度違いの成形ポリウレタン、撥水ポリエステル繊維カバー(ヒートシールリボン付) |
| 底面 | PVCコーティングのポリアミド生地 |
| 付属 | バッククッションを含む |
Reference
- Fat-Sofa Outdoor outdoor armchair | B&B Italia
- https://www.bebitalia.com/en-us/en-fat-sofa-outdoor-poltrone.html
- Fat-Sofa Outdoor | Patricia Urquiola
- https://patriciaurquiola.com/product/fat-sofa-outdoor