ボウイは、パトリシア・ウルキオラが2018年にカッシーナのために設計したモジュラーソファである。円、半円、矩形の輪郭を交互に組み合わせ、量塊の対比をつくる。
座面が低く床に近い構成をとる。丸みを帯びた肘掛けがそのまま背もたれへ回り込み、途切れのない曲線を描く。
特徴・コンセプト
各モジュールは単体で完結する塊として設計されている。中央用、端部用、コーナー用、シェーズと、背もたれと座面の組み合わせが異なる複数の要素が用意され、それぞれ独立して置いても成立する。組み合わせれば大きな構成になり、単体なら小さな彫刻として機能する。
構造は金属フレームに射出発泡ポリウレタンフォームを充填し、ダクロンで覆う。座面には厚みが確保され、深く沈む座り心地になる。
詰め物の縁には縫い目が入り、各要素の輪郭を線として浮かび上がらせる。背もたれの角の処理は、布を立体的に納める難度の高い部分にあたる。カッシーナが蓄積してきた張りの技術が要求される箇所である。
基本構成の寸法は幅2,400mm×奥行1,000mm×高さ740mm。大きな構成では幅3,600mm×奥行1,800mmに達する。座面高410mm、座面奥行1,000mm。
コレクションにはプフとローテーブルが含まれる。テーブルはソファと同じ丸みを持ち、光沢のあるラッカー仕上げか木の天板から選べる。座面のあいだに差し込んだり、直交させて配置したりできる。
背景
ウルキオラはミラノを拠点とする設計者で、建築と家具の双方を手がける。
ボウイの造形は1970年代の家具を参照している。低く水平に広がる構成、丸みを帯びた量塊、光沢のある仕上げ。当時の室内が持っていた性格を、現代の生産技術と素材で組み直した仕事にあたる。
評価
実務では、部屋の中央に島として置く使い方に向く。背面まで丸く納まっているため、壁に付けずに配置しても後ろ姿が成立する。モジュールを単体で使えるため、来客時だけ構成を変えるといった運用もできる。
一方、座面が低く奥行が深いため、立ち座りの頻度が高い用途には向かない。張り地は取り外せる仕様が用意されており、色の選択で印象を大きく変えられる。同じウルキオラのタフティータイムは、張り地を正方形に分割して縫い合わせることで量塊を分節しており、途切れのない曲線をとるボウイとは別の解答にあたる。
パトリシア・ウルキオラの設計思想や経歴について詳しくはパトリシア・ウルキオラプロフィールページをご覧ください。
カッシーナの歴史や他の製品について詳しくはカッシーナブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | パトリシア・ウルキオラ / Patricia Urquiola |
|---|---|
| 発表年 | 2018年 |
| ブランド | カッシーナ / Cassina |
| カテゴリー | モジュラーソファ |
| 構造 | 金属フレーム+射出発泡ポリウレタンフォーム、ダクロン被覆 |
| サイズ | 基本構成 幅2,400mm × 奥行1,000mm × 高さ740mm(大構成で幅3,600mm × 奥行1,800mm) |
| 座面高 | 410mm |
| 座面奥行 | 1,000mm |
| モジュール | 中央 / 端部 / コーナー / シェーズ |
| コレクション | ソファ、プフ、ローテーブル(屋外版のテーブルもあり) |