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ブックワームは、ロン・アラッドが設計しカルテルが1994年から製造する壁掛けの棚である。押出成形した一本の帯を曲げて壁に留め、任意の形にできる。帯に沿ってブックエンドが並び、本を区切る。

このページでは、正規品の仕様と選べる長さ、耐荷重と取り付けの条件、形の決め方、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ブックワームはカルテル社がイタリアで製造する現行生産品であり、3つのサイズ展開と複数のカラーバリエーションを揃えている。

正式名称 Bookworm / ブックワーム
製造国 イタリア
生産状況 現行生産
素材 難燃性PVC(ポリ塩化ビニル)。バッチ染色(原料段階で着色)。押出成形技術により製造
サイズ展開 全長3.2m(ブックエンド7個)/5.2m(11個)/8.2m(17個)の3種。いずれも高さ190mm × 奥行200mm
耐荷重 ブックエンド1個あたり約10kg。帯を曲げた状態で固定すると断面が撓みにくくなるため、直線に近い形より荷重に耐える
カラーバリエーション マットアルミニウム、マットグロッシーホワイト、トランスルーセントブラック、トランスルーセントコバルト、トランスルーセントワインレッド。特別仕様:ブラックボディ+ゴールドシェルフ。カラー展開は時期により変動
取り付け 壁面固定式。付属のブラケット/ネジで壁面に取り付け。曲線形状にして素材に張力を与えることが推奨(耐荷重・耐久性向上のため)。組み立て簡易
付属品 ブックエンド(サイズに応じて7/11/17個)、壁面取り付け用金具
収蔵美術館 V&A ブックワーム(1993年) 収蔵番号 W.2-1996
参考価格帯 カルテルは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。長さ(ブックエンドの数)と色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける

類似商品・競合との比較

壁に取り付ける棚は、棚板の位置が固定されるか、後から変えられるかで性格が分かれる。

比較項目 ブックワーム モンタナシステム CSS コンプリヘンシブ・ストレージ・システム
棚の構成 一本の帯を曲げる。棚板の区切りはブックエンドによる 箱を組み合わせる 支柱に棚板を渡す
形の変更 取り付け直せば曲線の形を変えられる 箱の組み替えによる 棚板の高さを変えられる
収納する向き 本を立てる(帯の傾きに沿う) 箱の中に収める 棚板の上に置く
耐荷重 ブックエンド1個あたり約10kg 箱ごとに設定 棚板ごとに設定
壁面の固定点 帯に沿って複数箇所 箱の背面 支柱の上下

選び分けの目安

収納量を優先する場合
ブックワームは奥行200mm、高さ190mmで、一段分の容量は限られる。文庫や新書は収まるが、大判の書籍は入らない。量を収めるなら箱や棚板の方式が適する。
壁面の形が矩形でない場合
帯を曲げて留めるため、階段の斜行部や柱を避けた配置にも合わせられる。矩形の棚では対応できない箇所に置ける。
設置後に形を変えたい場合
取り付け直せば曲線の形を変えられる。ただし壁面には前の固定穴が残る。

使用感と設置条件

収まるもの

奥行200mm、高さ190mm。文庫、新書、単行本は立てて収まる。A4判の書籍や画集は高さが超えるため入らない。奥行に対して本が薄い場合、帯の傾いた箇所では本が滑る。

ブックエンドは帯に沿って固定された位置にあり、動かせない。区切りの間隔は製品の仕様で決まる。

形の決め方

メーカーは、直線に近い形ではなく曲線をつくって取り付けることを推奨している。帯を曲げた状態で固定すると断面が撓みにくくなり、同じ材でも荷重に耐えるようになる。緩やかな波形や渦巻き状の形が一般的である。

水平に近い区間では本が安定し、傾いた区間では滑る。本を置く位置を決めてから形を決めるほうが収まりがよい。

取り付け

帯に沿って複数箇所を壁面に固定する。固定点はブックエンドの位置に対応する。石膏ボードの壁では、下地の位置と固定点が合うかを確認する必要がある。合わない場合はボードアンカーを用いるが、耐荷重は下地に留めた場合より下がる。

全長3.2mの仕様でも、曲げて取り付けるため壁面に必要な幅は全長より短くなる。どの程度短くなるかは形によって変わるため、実際の配置を紙などで確かめてから穴を開けるとよい。

経年変化とメンテナンス

素材に起きること

素材は原料の段階で着色したPVCである。表面に塗装をかけていないため、擦れても下地の色が出ない。いっぽうで紫外線を受け続けると全体が退色する。

荷重をかけ続けると、ブックエンドの間で帯が撓む。取り付けの形と本の重さによって進み方が変わる。撓みが戻らなくなった場合、荷重を減らすか固定点を増やすことになる。

日常の手入れ

ふだん
乾いた柔らかい布で拭く。汚れが残る場合は薄めた中性洗剤を含ませた布で拭く。
避けるもの
研磨剤、アルコール、有機溶剤は表面を傷めるため用いない。
置き場所
直射日光の当たる壁面では退色が進む。暖房器具の近くも、熱で帯が変形するため避ける。

どこで買うか

取扱店の調べ方

カルテルは公式サイトで取扱店を検索できる。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。長さ(ブックエンドの数)と色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける。

色は原料に練り込まれている。半透明の色と不透明の色があり、半透明では背後の壁の色が透ける。壁の色によって見え方が変わるため、設置場所を決めてから色を選ぶとよい。

実物を確認する

取り付けた状態の展示は限られる。梱包時は帯が伸びた状態で、全長3.2mでも細長い箱になる。搬入経路に3m前後の直線が通せるかを確認しておく。

中古の流通

1990年代以降の個体が流通している。相場は年式と状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、帯の撓みが戻るか、退色の程度、ブックエンドの欠品の有無、取り付け金具が揃っているかである。金具が欠けている場合、単体で入手できるかを取扱店に確認する。

購入前チェックリスト

  • 長さの選択(3.2m/5.2m/8.2m。ブックエンドは7/11/17個)
  • 収める本の判型(高さ190mm・奥行200mmに収まるか。A4判は入らない)
  • 壁面の下地の位置と固定点が合うか
  • 石膏ボードの場合、アンカーで足りる耐荷重か
  • 色(半透明では背後の壁の色が透ける)
  • 取り付ける形(曲げた状態のほうが荷重に耐える)
  • 搬入経路に3m前後の直線が通せるか
  • 直射日光と暖房器具を避けられる位置か

よくある質問

正規品の価格はどのくらいですか?
カルテルは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。長さ(ブックエンドの数)と色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
カルテルの公式サイトで取扱店を検索できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
どんな本が収まりますか?
奥行200mm、高さ190mmです。文庫、新書、単行本は立てて収まりますが、A4判の書籍や画集は高さが超えるため入りません。奥行に対して本が薄い場合、帯の傾いた箇所では滑ることがあります。
どのくらいの重さに耐えますか?
ブックエンド1個あたり約10kgです。帯を曲げた状態で固定すると断面が撓みにくくなるため、直線に近い形より荷重に耐えます。メーカーも曲線をつくって取り付けることを推奨しています。
石膏ボードの壁に取り付けられますか?
帯に沿って複数箇所を固定します。下地の位置と固定点が合うかをご確認ください。合わない場合はボードアンカーを用いることになりますが、耐荷重は下地に留めた場合より下がります。
設置後に形を変えられますか?
取り付け直せば曲線の形を変えられます。ただし壁面には前の固定穴が残ります。全長3.2mの仕様でも曲げて取り付けるため、壁面に必要な幅は全長より短くなります。どの程度短くなるかは形によって変わるため、配置を紙などで確かめてから穴を開けてください。
手入れはどうすればよいですか?
乾いた柔らかい布で拭きます。汚れが残る場合は薄めた中性洗剤を含ませた布で拭いてください。研磨剤、アルコール、有機溶剤は表面を傷めるため使えません。直射日光の当たる壁面では退色が進み、暖房器具の近くでは熱で帯が変形します。
他に検討すべき製品はありますか?
収納量を優先する場合は、箱を組み合わせるモンタナシステムや、支柱に棚板を渡すCSSが選択肢になります。いずれも棚板や箱が矩形のため、壁面が矩形でない箇所には合わせにくくなります。