概要
PP571 アーキテクツデスクは、ハンス・J・ウェグナーが1953年に設計した執務用デスクである。1949年発表のPP501 ザ・チェアに合わせる机として構想され、1955年のスイベルチェアとともに、執務室を想定した一連の作品を成した。原型はヨハネス・ハンセンの工房で製作され、家具職人組合の秋季展に出品された。現在はPP Møblerが受注生産している。
特徴・コンセプト
一本の丸太から取る天板
天板は一本の丸太から木取りした無垢材で構成される。幅の広い天板を複数の材から作れば、接ぎ目のたびに木目が途切れる。同じ丸太から順に取れば、板を並べたときに木目が続く。そのぶん材の選定と乾燥に時間がかかる。仕上げはソープ、白オイル、クリアオイルから選べる。
スチールの支持
天板を支える斜材とブラケットには研磨ステンレススチールを用いる。木で支えようとすれば、必要な断面積の分だけ部材が太くなる。金属に置き換えることで、大型の天板を細い部材で支えられる。初期の版は斜材に真鍮を用いており、のちにステンレスへ改められた。
スチールと無垢材を組み合わせる手法は、ウェグナーが以後の作品で繰り返し用いている。PP571はその出発点にあたる。
引き出しの薄さ
引き出しは2杯で、それぞれに鍵が備わる。取っ手はステンレススチールの削り出しである。引き出しの高さを抑えてあるため、正面から見たときに天板の水平線が引き出しの厚みで乱されない。
エピソード
ラウンドチェアはウェグナーの名を国外に知らしめた作品で、PP571はその造形を机へ展開したものにあたる。1955年のスイベルチェアが加わり、椅子・回転椅子・机の三点が揃った。
PP Møblerは1953年に創業した家具工房で、ウェグナーの晩年から今日に至るまで、その主要作の製作を担っている。同社のデスクは現在、PP571とPP305の2型で構成される。
評価と影響
受注生産のため流通量は多くない。木材の調達から乾燥、加工、仕上げまでの工程が長く、納期は数か月に及ぶ。デンマークの近代家具における大型の執務机としては、数少ない作例である。
ハンス・J・ウェグナーの設計思想や経歴について詳しくはハンス・J・ウェグナープロフィールページをご覧ください。
PPモブラーの歴史や他の製品について詳しくはPPモブラーブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | PP571 アーキテクツデスク / PP571 Architect's Desk |
|---|---|
| デザイナー | ハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner) |
| ブランド | PP Møbler(原型はヨハネス・ハンセン) |
| 発表年 | 1953年 |
| デザインの成立国 | デンマーク |
| 分類 | デスク |
| 主要素材 | 天板:一本の丸太から木取りした無垢材/斜材・ブラケット:研磨ステンレススチール(初期は真鍮) |
| 仕上げ | ソープ、白オイル、クリアオイル |
| サイズ | 幅195cm × 奥行95cm × 高さ74cm(幅215cmの仕様あり) |
| 収納 | 引き出し2杯(各鍵付き) |
Reference
- pp501/pp503 | PP Møbler
- https://pp.dk/product/pp501-pp503/