このページについて
タービン クロックは、ジョージ・ネルソン・アソシエイツが1957年頃に設計しヴィトラが製造する壁掛け時計である。中央のアルミニウムの円から、真鍮の羽根が12枚放射する。直径760mmと、同シリーズのなかで大きい部類にあたる。
このページでは、正規品の仕様と設置に要する条件、正規品とライセンスを受けていない製品との差、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ジョージ・ネルソンの設計思想や経歴について詳しくはジョージ・ネルソン プロフィールページをご覧ください。
タービン クロックのデザインストーリーについて詳しくはタービン クロック紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムが所蔵する資料に基づいて再生産される。直径760mmは、同シリーズのなかで大きい部類にあたる。
| 正式名称(日本語) | タービン クロック |
|---|---|
| 正式名称(英語) | Turbine Clock |
| 製造国 | ポーランド |
| フィン素材 | 真鍮。12枚 |
| 中央フェイス | アルミニウム |
| ムーブメント | クオーツ |
| 電源 | 単3電池1本(付属) |
| サイズ | 直径760mm × 奥行70mm(メーカー公表値。販売店により765mmと表記される場合がある) |
| 重量 | 約2kg(販売店による表記) |
| カラー | アルミニウムと真鍮の組み合わせ。1種のみ |
| 参考価格(税込目安) | ヴィトラは公式サイトで価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。輸入品のため為替の影響も受ける |
| 製品コード | 20125501 |
| 取り付け方法 | 背面のフックによる壁掛け |
| 付属品 | 単3電池、正規品の証明書 |
| 収蔵 | 本製品の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない。同じシリーズでは、MoMA がボールクロック(1276.2018)、アスタリスク(1273.2018)ほかを収蔵している |
| 保証 | 2年(部品と工賃) |
12枚の真鍮の羽根が放射状に広がる。羽根にはわずかな角度が与えられており、光の当たる方向によって明暗が入れ替わる。中央のアルミニウムの面は、真鍮とは異なる色で対比をつくる。
正規品とライセンスを受けていない製品の違い
権利者のライセンスを受けていない同型の製品が流通している。公表されている情報から確認できる差を整理する。仕様が公表されていない項目は「公表なし」と記し、推測では埋めていない。
製造の許諾
設計者の資料はヴィトラ・デザイン・ミュージアムが所蔵しており、ヴィトラは1999年から再生産を行っている。同社は欧州と中東の市場について、指定されたネルソン製品の唯一の許諾された製造者であると公表している。
公表されている仕様
ヴィトラは、羽根が真鍮で12枚であること、中央の面がアルミニウムであること、寸法(直径760×奥行70mm)、クオーツのムーブメントを用いること、ポーランドでの製造を公表している。
ライセンスを受けていない製品では、これらの仕様が公表されていない場合が多い。真鍮の無垢か、めっきかによって経年での色の変化が異なる。直径760mmという寸法では、材の厚みが羽根の撓みに関わる。
| 比較項目 | 正規品(ヴィトラ) | ライセンスを受けていない製品 |
|---|---|---|
| 羽根 | 真鍮、12枚(公表) | 公表なし |
| 中央の面 | アルミニウム(公表) | 公表なし |
| 寸法 | 直径760×奥行70mm(公表) | 公表なし |
| 製造国 | ポーランド(公表) | 公表なし |
| 証明書 | 付属する | なし |
| メーカー保証 | 2年(部品と工賃) | 対象外 |
類似商品・競合との比較
同じシリーズの時計は、いずれも数字を持たない。直径が大きく異なるため、掛ける壁面の広さが選択を左右する。
| 比較項目 | タービン | ボールクロック | アスタリスク クロック |
|---|---|---|---|
| 直径 | 760mm | 330mm | 250mm |
| 中心から伸びるもの | 真鍮の羽根12枚 | 12個の球を先端に付けた棒 | 12本の棒 |
| 中央の面 | あり(アルミニウム) | なし | なし |
| 壁からの出方 | 奥行70mm | 球の径による | 棒の厚みによる |
| 重量 | 約2kg | 軽い | 軽い |
選び分けの目安
- 広い壁面に掛ける場合
- 直径760mmは同シリーズで最も大きい部類にあたる。吹き抜けや広い居室の壁面に合う。一般的な居室では、壁面の大部分を占める。
- 設置場所が限られる場合
- 直径250mmまたは330mmの製品が該当する。タービンの半分以下の寸法になる。
- フックの耐荷重が限られる場合
- 約2kgと、同シリーズのなかで重い。壁の下地とフックの耐荷重を確かめる。
使用感と設置条件
時刻の読み取り
中央のアルミニウムの円に針を配し、その周囲へ真鍮の羽根が放射する。羽根が時の位置を示す。数字も目盛りも持たない。
羽根は先端に向かって幅を変え、ねじれた形をとる。見る角度によって羽根の見え方が変わり、正面からと斜めからで印象が異なる。
設置に要する寸法
直径760mm。一般的な壁掛け時計の2倍以上の径で、掛ける壁面にこの寸法が収まる余裕が要る。他の物と並べて掛けるより、単独で掛ける前提になる。
奥行70mmで、壁から相応に出る。羽根が壁から浮くため、光の当たり方によって影が落ちる。
重量は約2kg。取り付けは背面のフックによるが、壁の下地とフックの耐荷重を確かめる。石膏ボードの壁では、下地の位置に合わせるかアンカーを用いる。
電源
単3電池1本で、配線を要さない。設置場所がコンセントの位置に制約されない。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
真鍮は空気に触れて酸化し、色が濃くなる。磨けば元の色に戻るが、時間とともにまた進む。羽根が12枚あり面積も広いため、全体を均一に磨くのは手間がかかる。
アルミニウムの中央部は錆びにくいが、擦れると仕上げが変わる。
日常の手入れ
- ふだん
- 乾いた柔らかい布で拭く。羽根の一枚ずつを拭くことになる。
- 羽根の扱い
- ねじれた形のため、力をかける向きによっては変形する。拭く際は根元を支える。
- 真鍮
- 色の変化を戻す場合、真鍮用の研磨剤を用いる。変化をそのまま残す選択もある。
修理
正規品は2年の保証の対象となる。ムーブメントの交換などは、取扱店を通じて相談する。
どこで買うか
取扱店の調べ方
ヴィトラは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
色や仕上げの選択肢はなく、アルミニウムと真鍮の組み合わせの1種のみである。
実物を確認する
直径760mmという寸法は、写真では実際の大きさがつかみにくい。設置場所の壁面に対してどの程度を占めるかは、寸法を測って確かめておく。
羽根は見る角度で表情が変わる。展示の有無を取扱店へ確認するとよい。
中古の流通
1999年以降の再生産品と、当時のハワード・ミラー製の個体が流通している。両者は仕様が異なる。相場は年式と状態で幅があり、一定していない。
確認箇所は、正規品の証明書の有無、羽根の変形と欠け、真鍮の状態、中央部の擦れ、針の曲がり、時計が動くかである。
購入前チェックリスト
- 掛ける壁面の寸法(直径760mm。単独で掛ける前提)
- 壁の下地とフックの耐荷重(約2kg)
- 壁からの出方(奥行70mm。羽根の影が落ちる)
- 数字も目盛りも持たないこと
- 色や仕上げの選択肢がないこと
- 真鍮の色の変化を許容できるか
- 中古の場合、証明書の有無と製造時期
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- ヴィトラは公式サイトで価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。輸入品のため為替の影響も受けます。
- どこで購入できますか?
- ヴィトラの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- 設置に必要な寸法を教えてください。
- 直径760×奥行70mmです。一般的な壁掛け時計の2倍以上の径で、掛ける壁面にこの寸法が収まる余裕が必要です。他の物と並べて掛けるより、単独で掛ける前提になります。重量は約2kgあり、壁の下地とフックの耐荷重をご確認ください。
- 石膏ボードの壁に取り付けられますか?
- 約2kgと同シリーズのなかで重いため、下地の位置に合わせるかアンカーを用いることになります。壁の下地とフックの耐荷重をお確かめください。
- 数字がなくて読めますか?
- 中央のアルミニウムの円に針を配し、その周囲へ真鍮の羽根が放射します。羽根が時の位置を示します。数字も目盛りも持たないため、針の位置を羽根と照らし合わせて判断することになります。
- 正規品かどうかはどう見分けますか?
- 正規品には証明書が付属します。ヴィトラは欧州と中東の市場について、指定されたネルソン製品の唯一の許諾された製造者であると公表しています。設計者の資料はヴィトラ・デザイン・ミュージアムが所蔵しており、同社は1999年から再生産を行っています。
- 真鍮の色は変わりますか?
- 変わります。空気に触れて酸化し、色が濃くなります。真鍮用の研磨剤で元の色に戻せますが、羽根が12枚あり面積も広いため、全体を均一に磨くのは手間がかかります。変化をそのまま残す選択もあります。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 乾いた柔らかい布で拭きます。羽根の一枚ずつを拭くことになります。ねじれた形のため力をかける向きによっては変形しますので、拭く際は根元を支えてください。