概要

スター クロックは、ジョージ・ネルソン・アソシエイツがハワード・ミラー・クロック・カンパニーのために設計した壁掛け時計である。中心の円盤から12本のスピンドルが放射状に伸びる。文字盤に数字を持たない。現在はヴィトラが復刻している。

特徴・コンセプト

棒が数字の代わりを務める

中央の黒い円盤から、12本の細いスピンドルが等間隔で外へ伸びる。棒そのものが12の位置を示すため、数字を書き入れる面が要らない。時刻は針が指すスピンドルとの関係から読み取る。

面を持たないので、盤面の色や質感を決める必要もない。線の配置だけで時計が成立している。

壁から浮かせる

直径は約61cm、奥行は約7.6cm。正面から見た広がりに対して薄い。棒が壁からわずかに離れた位置にあるため、光の当たり方によって背後に細い影が落ちる。平面的な図形が、影によって立体として見える。

スピンドルの隙間から下地の壁が見えるため、大きさのわりに圧迫感が出ない。壁紙や塗り壁の質感を残したい場面に向く。

素材

クロムめっき真鍮による。銀色と金色のスピンドルが交互に並ぶ。ムーブメントはクオーツ式で、単三形の電池で動く。

エピソード

1947年、ジョージ・ネルソンはハワード・ミラー・クロック・カンパニーから時計の設計を依頼された。ネルソンは、人が時刻を読み取るとき数字ではなく針の相対的な位置を見ていること、腕時計が普及した以上、壁掛け時計は室内の装飾の側へ性格を移していることを指摘した。この見立てから数字を持たない14点が構想され、1949年に市場へ出た。

以降35年にわたり、ネルソン・アソシエイツからは100種類を超える時計が生まれた。壁掛け、置き型、造り付けと形式は異なるが、文字盤に数字がないという一点が共通する。

ヴィトラは1999年からネルソンの時計の復刻を始めている。

評価と影響

ヴィトラのネルソン・ウォールクロック・コレクションには、面を持つ形式のものも線で構成されたものも含まれる。スター クロックは、放射する要素を線だけに切り詰めた側にあたる。

同じネルソンによるマシュマロソファネルソン プラットフォームベンチも、部材の並びがそのまま形になる構成をとる。

4館の公開データでは、スター クロックの収蔵は確認できていない。

基本情報

名称 スター クロック / Star Clock
デザイナー ジョージ・ネルソン(George Nelson/ジョージ・ネルソン・アソシエイツ)
ブランド ヴィトラ(Vitra/1999年より復刻)
オリジナル製造 ハワード・ミラー・クロック・カンパニー
発表年 1948年頃(ヴィトラはコレクション全体を1948〜1960年と表記)
デザインの成立国 アメリカ
分類 壁掛け時計
主要素材 クロムめっき、真鍮
構造 12本のスピンドルが数字の代わりに時刻の位置を示す
サイズ 直径約610mm × 奥行約76mm
ムーブメント クオーツ式

Reference