このページについて

No.14 は、ミヒャエル・トーネットが1859年に発表した椅子である。蒸気で曲げた無垢材による。複数の製造元が正統な系譜を持つ。座面の仕様が複数に分かれる。

このページでは、複数の製造元と選択、座面の仕様、分解できる構成、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

No.14チェアの現行正規品は、トーネット社(Thonet GmbH, 1819年創業、本社ドイツ・フランケンベルク)がNo.214として製造する。ブナ材を100℃の蒸気で数時間加熱して木材繊維を軟化させ、外側に金属バンドを添えながら鋳鉄製の型に押し込み、約70℃で20時間乾燥させるという蒸気曲げ木工法は、1859年の発表当時からほぼ変わらぬ工程で現在も行われている。背もたれと後脚が一本の連続した曲線で構成される構造的特徴は、荷重を効率的に分散させる合理性と優美さを同時に実現する。座面は伝統的な籐(ケーン)編み(現行品はポリエステルメッシュ補強)、成型合板(214M)、レザー張り、ファブリック張りから選択可能。木製パーツはすべて染色ブナ材で、ナチュラル、ウォールナット、ブラック等の仕上げが用意される。

正式名称 No.14(現行の型番は製造元によって異なる)
製造ブランド 複数の製造元が正統な系譜を持つ。ドイツ、チェコ、オーストリアの各社による
構造 蒸気で曲げた無垢材。6つの木の部品と螺子、留め具で組む。背もたれと後脚は一本の連続した曲線による
座面の仕様 複数から選ぶ。籐を編む仕様、革の仕様、布の仕様、成形した合板の仕様がある
サイズ 幅430 × 奥行520 × 高さ840mm。座面の高さ460mm
重量 約3.3kg
分解と輸送 分解して収納できる。多数をまとめて輸送できる構成にあたる
複数の型がある。背もたれの形状、装飾の有無、肘掛けの有無、座面の仕様で分かれる
仕上げ 複数の仕上げから選ぶ。いずれも染色による。取り扱いは取扱店に確認する
収蔵 MoMA チェア No.14(1855〜1858年) 収蔵番号 460.2008。V&A チェア(1859年頃) 収蔵番号 W.31-2011
価格 各社とも公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。製造元、座面の仕様、仕上げで価格が変わる
受賞 ドイツ持続可能性賞 デザイン部門(2021年)、ドイツ・エコデザイン賞 特別賞「タイムレスデザイン」(2024年)
収蔵 MoMA(収蔵番号460.2008・461.2008)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(収蔵番号W.31-2011)
累計生産数 1930年までに5,000万脚以上が製造されたとされる

複数の製造元と選択

複数の製造元が正統な系譜を持つ。ドイツ、チェコ、オーストリアの各社による。

いずれも本製品の系譜にあたるが、型番と仕様が異なる。

そのため、どの製造元によるかで寸法と座面の選択肢が変わる。

価格も製造元によって異なる。取扱店に確認する。

選び分けの目安

入手を考える場合
複数の製造元がある。取り扱いを取扱店に確認する。
仕様を確かめる場合
製造元によって型番と仕様が異なる。
中古を検討する場合
製造元と年式を確かめる。長い生産の歴史がある。

座面の仕様

座面は複数の仕様から選ぶ。籐を編む仕様、革の仕様、布の仕様、成形した合板の仕様がある。

仕様 手入れ 補修
籐を編む仕様 編み目の埃を払う 編み直しになる
革・布の仕様 素材に応じる 張り替えになる
成形した合板の仕様 乾いた布で拭く 取扱店に確認する

籐を編む仕様は消耗する部材にあたる。手入れの条件が他と異なる。

取り扱いは製造元によって異なる。取扱店に確認する。

選び分けの目安

手入れの手間を考える場合
籐を編む仕様は編み目の埃を払う。他の仕様とは条件が異なる。
長く使う前提の場合
籐は編み直しになる。対応を確かめる。
見え方で選ぶ場合
座面の仕様によって印象が変わる。

分解できる構成

6つの木の部品と螺子、留め具で組む。分解できる。

そのため、搬入が容易にあたる。多数をまとめて輸送できる。

重量は約3.3kg。片手で持ち上げられる範囲にあたる。

螺子で組む箇所は荷重がかかる。緩みを定期的に確かめる。

選び分けの目安

搬入を考える場合
分解できる。多数を用いる場合にも対応する。
取り扱いを考える場合
約3.3kg。片手で持ち上げられる。
長く使う前提の場合
螺子で組む箇所の緩みを確かめる。

同種の椅子との比較

椅子は座面の素材と分解の可否で性格が分かれる。

比較項目 No.14 チェスカ・チェア(B32) プリアチェア
蒸気で曲げた無垢材 鋼管(片持ち) 鋼管(折りたためる)
座面 籐/革/布/合板 籐/張地 樹脂
分解 できる 取扱店に確認する 折りたためる
重量 約3.3kg 約7.3kg 約3kg
座面の高さ 460mm 450mm 約430〜455mm

選び分けの目安

搬入を考える場合
分解できる。折りたたむ椅子とは方式が異なる。
座面の素材で選ぶ場合
4つの仕様から選べる。
動かす頻度を考える場合
約3.3kg。片手で持ち上げられる。

使用感と設置条件

形状

背もたれと後脚が一本の連続した曲線による。継ぎ目を持たない。

肘掛けを持たない型が標準にあたる。机の下に収めやすい。

寸法

幅430 × 奥行520mm。椅子としては小さい部類にあたる。

座面の高さは460mm。机と組み合わせる寸法にあたる。

床との関係

木の脚が床に接する。床材によっては擦れる。

繰り返し動かす用途にあたる。摩耗を確かめる。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

無垢材は日光で色が変わる。染色の仕上げでも生じる。

湿度の変化で伸縮する。曲げた箇所にも力がかかる。

籐の座面は乾燥すると割れる。編み目が緩む場合もある。

螺子で組む箇所は緩みが生じる。定期的に確かめる。

日常の手入れ

木部
乾いた布で拭く。水分を残さない。
籐の座面
柔らかい刷毛で編み目の埃を払う。乾燥を避ける。
螺子で組む箇所
緩みを定期的に確かめる。荷重がかかる箇所にあたる。
脚の先端
擦れを確かめる。床材への影響も確認する。

修理と部品

籐の編み直しと部品の交換については、取扱店を通じて相談する。

製造元によって対応が異なる。あわせて確認する。

どこで買うか

取扱店の調べ方

各社とも公式サイトで製品情報を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

製造元、座面の仕様、仕上げを決めてから注文する。納期も確かめる。

実物を確認する

曲げた無垢材の質感は、実物で確かめられるとよい。

座面の仕様による座り心地の違いも現物で分かる。

中古の流通

長い生産の歴史があり、製造元と時期によって仕様が異なる。年式を確かめる。

確認箇所は、木部の割れと色の変化、籐の状態、螺子で組む箇所の緩み、脚の先端である。

購入前チェックリスト

  • 複数の製造元があること(型番と仕様が異なる)
  • 座面の仕様(籐/革/布/合板。手入れが分かれる)
  • 籐の仕様は消耗する部材であること
  • 分解できること(搬入が容易にあたる)
  • 置き場所(幅430 × 奥行520mm)
  • 座面の高さ460mmと組み合わせる机
  • 螺子で組む箇所の定期的な確認
  • 木の脚が床に接すること

よくある質問

価格はどのくらいですか?
各社とも公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。製造元、座面の仕様、仕上げで価格が変わります。
どこで購入できますか?
複数の製造元が正統な系譜を持ちます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
製造元によって違いはありますか?
いずれも本製品の系譜にあたりますが、型番と仕様が異なります。寸法と座面の選択肢、価格も製造元によって変わるため取扱店にご確認ください。
座面は選べますか?
籐を編む仕様、革の仕様、布の仕様、成形した合板の仕様があります。籐を編む仕様は消耗する部材にあたり、編み目の埃を払うなど手入れの条件が他と異なります。
分解できますか?
6つの木の部品と螺子、留め具で組むため分解できます。搬入が容易にあたり、多数をまとめて輸送できます。
設置に必要な寸法を教えてください。
幅430×奥行520×高さ840mm、座面の高さは460mmです。椅子としては小さい部類にあたります。
手入れで気をつけることはありますか?
木部は乾いた布で拭き水分を残さないでください。籐の座面は柔らかい刷毛で埃を払い乾燥を避けます。螺子で組む箇所は荷重がかかるため緩みを定期的にお確かめください。
収蔵されている美術館はありますか?
ニューヨーク近代美術館(チェア No.14、1855〜1858年、収蔵番号460.2008)とヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(1859年頃、W.31-2011)が収蔵しています。