概要

ボウルチェアは、リナ・ボ・バルディが1951年に設計したラウンジチェアである。半球状のシェルを、4本脚の金属リングの上に載せるだけの構成をとる。サンパウロに建てた自邸「ガラスの家」のために設計された。2012年からArperが製造している。

特徴・コンセプト

固定せずに載せる

シェルはリングの上に載っているだけで、固定されていない。回転や傾斜のための機構を組み込めば部品が増え、動く範囲もその機構が決めた範囲に限られる。半球をリングに載せるだけなら、接する位置を変えることで全方向に傾く。

ボ・バルディはこの点について、機械的な手段を用いずに球形の形状だけで全方向の動きを実現していると述べている。

姿勢を決めない

シェルの角度が固定されないため、座る人が傾きを選べる。背を立てる、深く沈む、横向きに寄りかかるといった姿勢が、同じ椅子で成立する。

素材

現行のArper製は、スチールのリングフレームに、ファイバーグラスポリウレタンフォームによるシェルを組み合わせる。張り地はレザーまたはファブリックから選べる。

エピソード

ガラスの家は1951年、サンパウロのムルンビ地区の丘陵地に建てられた。ピロティで持ち上げた全面ガラス張りの住宅で、ボ・バルディがイタリアで学んだ建築の考え方をブラジルで展開した最初の試みにあたる。現在はリナ・ボ・バルディ・インスティトゥートの本部として公開され、オリジナルのボウルチェア2脚が保存されている。

オリジナルは、1951年製作の黒革の試作と、透明なシェルに赤いクッションを組み合わせた個体の2脚のみが現存する。多くのスケッチが残されていたにもかかわらず、当時は量産されなかった。

2012年、Arperがリナ・ボ・バルディ・インスティトゥートと協働して製品化した。試作とスケッチには正確な寸法や技術的な詳細が記されていなかったため、調査と解釈を経ている。限定500個として製作され、収益の一部は同インスティトゥートの活動に充てられる。

評価と影響

座る人が姿勢を選べるという方向は、ボールチェアのように囲う形とも、UP5_6 アームチェア&オットマンのようにフォームで包む形とも異なる。ボウルチェアは、固定しないことでそれを得ている。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。

  • MoMA ボウルチェア(1951年) 収蔵番号 135.2016

基本情報

名称 ボウルチェア / Bowl Chair
デザイナー リナ・ボ・バルディ(Lina Bo Bardi)
ブランド Arper(2012年より限定500個で製造)
発表年 1951年
デザインの成立国 ブラジル
分類 ラウンジチェア
構造 半球状のシェルを金属リングに載せるだけ。固定せず、接する位置を変えて傾きを選ぶ
主要素材 スチールリングフレーム、ファイバーグラスとポリウレタンフォームのシェル、レザーまたはファブリック
オリジナルの現存 2脚(リナ・ボ・バルディ・インスティトゥート)
収蔵 MoMA(135.2016)

Reference