ボボは、チニ・ボエリが1967年にアルフレックスのために設計した座具である。内部に木や金属のフレームを持たず、異密度のポリウレタンフォームを一体で成形してつくられる。構造材と詰め物という区別そのものを持たない点に特徴がある。
特徴とコンセプト
フレームを持たない構成
座面と背が一つの塊として成形される。肘掛けはなく、スラブ状の座面の後端がそのまま円筒状の背として立ち上がる。強度を担う部分と体を受ける部分が同じ素材で、両者の境目がない。密度を場所によって変えることで、支える必要のあるところは硬く、体が当たるところは柔らかくつくり分けている。
フレームがないため、輪郭は型で決まる。角のない丸みを帯びた外形は造形上の選択であると同時に、一体成形という製法から導かれた結果でもある。脚は表に出ず、床から立ち上がる塊として見える。安定と接地のためにポプラ合板のベースとナイロン脚が付く。
家族としての展開
最初のボボから、寝そべる姿勢に対応するボボルンゴ、デイベッドのボボレッタ、頭を預けられるボボリラックスが派生した。いずれも同じ製法で、寸法と傾きだけが異なる。一つの型の考え方を寸法違いで展開するという方法は、のちのボエリの仕事にも繰り返し現れる。
同じボエリによるボトロ(Botolo、1973年)は3本の金属脚を持つ小型のアームチェアで、ボボとは別の製品である。
成立の経緯
プラスチックの実験
ボエリはジオ・ポンティのもとで実習を受けたのち、1963年までマルコ・ザヌーソの事務所で働き、同年に自らの事務所を設立した。1966年ごろからプラスチック素材を試し始めており、ボボはその延長にある。
アルフレックスは創業以来、発泡ゴムとその後継であるポリウレタンフォームを扱ってきた会社である。素材の扱いに社内の蓄積があったことが、フレームを省くという判断を支えている。
単一素材という方向
この製品でボエリが試したのは、使う素材の種類を減らすことで形を決めるという方法だった。同じ方向は1971年の セルペントーネ でさらに徹底され、ベースすら持たないポリウレタンフォームだけの構成に至る。
評価
ボボは、内部構造を持たない一体成形の座具の初期の例として参照される。1960年代後半のイタリアでは、成形プラスチックを使って家具の構成そのものを問い直す試みが相次いだが、張り家具の側からこの問題に取り組んだ点にこの製品の位置がある。
アルフレックスは現在もボボの系列を生産している。一方、フォームが構造を兼ねる構成のため、経年による劣化は避けにくい。中古で入手する場合は状態の確認が要る。
チニ・ボエリの設計思想や経歴について詳しくはチニ・ボエリプロフィールページをご覧ください。
アルフレックスの歴史や他の製品について詳しくはアルフレックスブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ボボ(Bobo) |
|---|---|
| デザイナー | チニ・ボエリ(Cini Boeri) |
| 発表年 | 1967年 |
| ブランド | アルフレックス |
| デザイン発祥地 | イタリア |
| 構成 | 異密度ポリウレタンフォームの一体成形(内部フレームなし) |
| サイズ | 幅1270mm / 奥行900mm / 高さ600mm / 座面高370mm |
| ベース | ポプラ合板、ナイロン脚 |
| 派生モデル | ボボルンゴ、ボボレッタ、ボボリラックス |
| 関連製品 | セルペントーネ(1971年)、ストリップス(1972年) |