概要

USM Haller Table/Deskは、1963年にスイスの建築家フリッツ・ハラーとエンジニアのパウル・シェアラーがデザインした、モジュラー家具システム「USM Haller」のテーブル/デスクである。クロームメッキのスチールチューブと球体コネクター、各種天板で構成され、必要に応じて拡張・再構成できる。1965年の生産開始以来、スイス・ミュンジンゲンの工場で継続して製造されている。

USM Hallerシステムは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションに収蔵されている(2001年収蔵、Haller System・1963年)。あわせてクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館のコレクションにも加えられている。

デザインの特徴とコンセプト

USM Haller Table/Deskの構造は、特許を取得した球体コネクター、クロームメッキのスチールチューブ、そして天板という3つの基本要素で構成される。このシンプルな構成によって、デスクは任意の方向へ拡張・再構成でき、使用者のニーズの変化に柔軟に対応する。天板には合成樹脂ラミネート、リノリウム、MDF(中密度繊維板)が選択でき、多彩なカラーバリエーションと組み合わせられる。

USM Haller Table Plusには、USBポートやランプマウントなどのアクセサリーを取り付けられる適応ポイントが備わり、現代のワークスペースの要求に対応する。1960年代に製造された部品と現在の新しい部品が互換性を保つため、部品を足しながら世代を超えて使い続けられる点も特徴である。パウダーコーティングされた鋼鉄とクロームメッキのスチールチューブという耐久性のある素材が、この長期使用を支えている。

誕生の経緯

USM Haller Table/Deskは、建築プロジェクトから派生して生まれた。1961年、USM社の経営を継いだパウル・シェアラーは、工場と管理棟の新築をフリッツ・ハラーに依頼した。ハラーは鋼鉄製のモジュールを用いた構法を採用し、要求に応じて規模を変えられる柔軟な建築を実現した。

完成したオフィスに合う家具が市場に見当たらなかったことから、両者は建築で用いたモジュラーシステムの原理を家具へ応用することを決め、USM Hallerシステムを開発した。当初は社内での使用を想定していたが、その設計と機能性が注目を集め、市場へと展開された。中核をなす球体コネクターは1965年に特許を取得している。

評価と影響

USM Haller Table/Deskは、機能主義デザインの代表例として、半世紀以上にわたり評価を受けてきた。明快な形態とモジュラー構造は、企業オフィスから個人住宅まで幅広い環境で採用されている。モジュラーデザインの原理を家具に応用し、商業的にも成功させたことは、後続の家具デザインに影響を与えた。なお、MoMAは自館のオフィス空間でもUSM Hallerシステムを使用している。

基本情報

デザイナー フリッツ・ハラー、パウル・シェアラー
ブランド USM(USM U. Schärer Söhne AG)
デザイン年 1963年
生産開始 1965年(量産・市場展開:1969年)
製造国 スイス(ミュンジンゲン)
主要素材 クロームメッキスチールチューブ、パウダーコーティング鋼鉄、ラミネート・リノリウム・MDF(天板)
構造 モジュラーシステム(球体コネクター、チューブ、パネル)
サイズ展開 多様(カスタマイズ可能。例:150×75cm、175×75cm など)
標準高さ 74cm
特許取得 1965年(球体コネクター)
MoMA収蔵 2001年(永久コレクション)
認証 GREENGUARD認証、Cradle to Cradle認証