概要

パウル・シェアラー(2011年没)は、スイスの技術者・経営者である。祖父ウルリッヒ・シェアラーが1885年にミュンジンゲンで興した金物と鉄工の会社USMに1961年に加わり、建築家フリッツ・ハラーとともにモジュール式の家具システム「USMハラー」を開発した。

バイオグラフィー

USM創業者ウルリッヒ・シェアラーの孫にあたる。チューリッヒ連邦工科大学(ETH)で工学を学び、1961年に技術者として家業のUSMに加わった。同社は窓の金具などを作る工場だった。

同年、新しい工場と事務所の設計をフリッツ・ハラーに依頼した。当時は伝統的な木製の事務家具しかなかったことから、ハラーとともに鋼管を組む家具システムを自社用に開発している。1965年には、管どうしをつなぐ継手について特許を申請した。

その後、パリのロスチャイルド銀行からの大口注文を機に外部への販売が広がり、USMは家具メーカーへと事業の中心を移した。2011年に没した。

デザインの思想と方法

USMハラーの構成の考え方は、モジュール式の建築システムを手がけていたフリッツ・ハラーによる。シェアラーは発注者であり技術者として、そのシステムを自社の製品にする側に立った。

自社の建物から製品を起こす

システムは当初、ハラーが設計した自社の事務所で使うために作られた。社内で使う家具として形を決め、のちに外部へ売る製品とした。

継手を製品の中核に置く

USMハラーは、球状の継手と鋼管、パネルを組み合わせて棚や机を組む。シェアラーはこの継手について1965年に特許を申請しており、継手は現在もシステムの基本部材として使われている。

代表作にみる方法

USM ハラー システム(共同開発)

フリッツ・ハラーとの共同開発による収納システムである。継手と鋼管、パネルの組み合わせで、収納の大きさや構成を後から変えられる。ニューヨーク近代美術館は1963年の作として収蔵している。→USMハラー モジュールファニチャー

USM ハラー テーブル

同じ継手と鋼管の考え方で脚部を組んだ卓である。→USM Hallerテーブル/デスク

収蔵

4館の公開データ(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、シェアラー個人の名義での収蔵は確認できなかった。ニューヨーク近代美術館はハラー・システムを収蔵しているが(収蔵番号1411.2001)、フリッツ・ハラーの名義で登録されている。

作品一覧

いずれもフリッツ・ハラーとの共同開発による。

年 区分 作品名 ブランド
1963年 収納 USMハラー モジュールファニチャー USM
テーブル USM Hallerテーブル/デスク USM

プロフィール

没年 2011年
国籍 スイス
活動拠点 ミュンジンゲン
分野 家具(製造・経営)
主な協働ブランド USM

Reference