コンパイル シェルビングは、デンマークのプロダクトデザイナー、セシリエ・マンツがMuutoのために手がけたモジュラー収納システムである。レーザーカットしたスチールの棚板と、三種の高さから選べるチューブ型支柱という最小限の部品で構成され、使う人の必要に応じて自在に組み替えられる。背面まで丁寧に仕上げられているため、壁面収納としてだけでなく、空間を仕切るルームディバイダーとしても使える。
特徴・コンセプト
棚板一枚が一つの構造単位となり、チューブの長さが棚の高さを決める。この単純な原理により、収めたいものの寸法に合わせて棚間隔を一段ごとに設定できる。あらかじめ用意された8種類の構成から選ぶことも、部品を組み合わせて独自の構成を組むこともできる。
素材と製法
棚板はレーザーカットしたスチール板を曲げ加工し、パウダーコーティングで仕上げる。この塗膜によってマットな質感が生まれ、摩耗に強く指紋も目立ちにくい。角には丸みを持たせ、堅牢な構造を保ちながら軽快な印象をつくり出している。
モジュラーシステム
複数のモジュールを横に連結する際、チューブは底部で二重の脚部として接合され、安定したユニットを形成する。上方向への拡張は壁面ブラケットによる固定を前提とし、Muutoは高さ2.25mを超えない構成を推奨している。システム全体の耐荷重は300kgとされる。
デザインの特徴
各棚板の背面下部には、高さ11cmほどの低い壁が立ち上がっている。書籍やオブジェが後方に落ちるのを防ぐ実用的なディテールでありながら、開放的な表情を損なわない高さに抑えられている。同じ造形言語で設計されたブックエンドが、システムを補完する。
空間での使われ方
スチール一素材で構成されたミニマルな佇まいは、住宅のリビングやホームオフィスから、ショップやオフィスなどの商業空間まで幅広く受け入れられている。壁面に沿わせれば見せる収納として機能し、室内の中央に配せば、両面から見て破綻のないルームディバイダーとなる。部品単位で追加購入できるため、住まいや働き方の変化に合わせて構成を組み替えられる点も、この収納システムの実用的な強みである。
基本情報
| 作品名 | コンパイル シェルビング(Compile Shelving System) |
|---|---|
| デザイナー | セシリエ・マンツ(Cecilie Manz) |
| メーカー | Muuto(ムート) |
| 発表年 | 2016年 |
| 素材 | パウダーコーティング仕上げスチール(レーザーカット加工) |
| カラー | ホワイト、グレー、ブラック |
| 棚板単体サイズ | 幅120cm × 奥行42cm(有効収納面:115 × 40cm) |
| 棚間高さ | 18cm / 28.5cm / 39cm(3種のチューブ) |
| コンフィギュレーション | 8種類の既定構成、またはカスタム構成 |
| 最大耐荷重 | 300kg(システム全体) |
| 推奨最大高さ | 2.25m(壁面ブラケットによる固定が必須) |