パンテラ フロアは、ヴェルナー・パントンが1971年に設計したフロアランプである。半球形のシェードと、そこから細い支柱で立ち上がるトランペット状のベースで構成される。
パントンはこの照明で、シェードだけでなくベースも光を反射する面として働かせることを狙った。上から落ちた光が下の面で受け止められ、もう一度室内へ返る。
特徴・コンセプト
シェードは射出成形の白い乳白アクリル。半球という形が、光源を隠しながら下方へ光を導く。アクリルを透過した光は周囲へも広がるため、直下だけが明るくなることがない。
ベースとハウジングは射出成形のABS、支柱は鋼。ベースは平板ではなく上向きに開いた曲面をとり、シェードから落ちた光を受けて拡散させる。二つの曲面が向かい合うという構成が、この照明の光り方を決めている。
全高は約1,290mm、シェード径は約500mm、ベース径は約345mm。重量は約5kg。ケーブルにオン/オフのスイッチが付く。
発売当初はいくつかの仕様が並行して生産されていたが、現在は白いシェードとベースの組み合わせが基本となっている。
背景
パンテラが構想された時点では、パントンの当初の図面どおりに製造する技術が整っていなかった。金属シェードでの生産を経て、成形アクリルによる現行仕様に至っている。ルイスポールセンはパントンの原図をもとに製品化を続けてきた。
パントンは有機的な形と鮮やかな色彩による空間の構成を追い、家具、照明、インテリアの各分野で仕事を残している。
ルイスポールセンは1920年代にポール・ヘニングセンとの協働から出発し、まぶしさを抑えた光という方針を継承してきた。パンテラも、光源を視界から隠すという点でこの系譜に連なる。
評価
実務では、リビングの隅や読書用の椅子の脇に置かれることが多い。全高約1,290mmは着座時の目線よりシェードが上に来る寸法で、座った位置から光源が見えない。約5kgという重量は安定しつつ、模様替えの際に片手で動かせる範囲に収まる。
一方、シェード径500mmは存在感があり、動線に近い位置では接触に注意が要る。同じルイスポールセンでは、PH アーティチョークが多数の羽根で光源を覆う別の解答を示す。パンテラ シリーズにはパンテラもあり、同じ形を異なる寸法で揃えられる。
ヴェルナー・パントンの設計思想や経歴について詳しくはヴェルナー・パントンプロフィールページをご覧ください。
ルイスポールセンの歴史や他の製品について詳しくはルイスポールセンブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | ヴェルナー・パントン / Verner Panton |
|---|---|
| 発表年 | 1971年 |
| ブランド | ルイスポールセン / Louis Poulsen |
| カテゴリー | フロアランプ |
| 素材 | 射出成形乳白アクリル(シェード)、ABS(ベース・ハウジング)、鋼(支柱) |
| サイズ | 高さ 約1,290mm / シェード径 約500mm / ベース径 約345mm |
| 重量 | 約5kg |
| スイッチ | ケーブル上 |
| 製造 | デンマーク |
| シリーズ | パンテラ(フロア / テーブル / ポータブル ほか) |