概要
フラワーポット VP1は、ヴァーナー・パントンが1968年に発表したペンダントライトである。向かい合う二つの半球で構成され、上の半球に光源を収める。現在は&Traditionが生産している。
特徴・コンセプト
半球で光源を挟む
上の大きな半球が光源を覆い、その下に直径が半分の小さな半球が上を向いて対峙する。下側の半球が光源を真下から隠すため、下から見上げても電球が視界に入らない。上側の半球の内側で反射した光が、下側の半球を経て周囲へ回る。
シェードで囲って光を弱めるのではなく、二つの面で反射させて配る構成にあたる。直径の比は2対1で、この比率が光の回り方を決めている。
内側を白く塗る
両半球の内側は白く塗装される。外側の色がどれであっても、内側が白なら反射する光の色が変わらない。色数の多い展開が可能になるのは、内外を塗り分けているためである。
素材と仕上げ
本体はラッカー塗装の金属による。下側の半球は、外から見えない金属のフレームで支持される。複数のラッカー色に加え、真鍮、銅、ステンレス鋼の磨き仕上げが用意される。
エピソード
1968年は、学生運動が各地で起こり、平和と愛を掲げる世代が台頭した年にあたる。色数の多いこのペンダントライトは、まず飲食店や展示会場に吊るされ、その後家庭へ広がった。
パントンは複数をまとめて吊るす構成を好んだが、単体でも成立する。&Traditionは2016年に落ち着いた色調へ整理し、2023年には彩度の高い色調へ振り直している。
評価と影響
この設計により、パントンはドイツ連邦共和国デザイン賞を受けている。フラワーポットはVP1のほか、大型のVP2、VP7、テーブルランプのVP3・VP4、充電式のVP9へ展開している。
光源を面で隠して反射光だけを配るという構成は、ビーハイブ(A331)がリングを差し込んで同じ課題に応じているのとは別の解にあたる。同じパントンによるパンテラやVPグローブ ペンダントライトも、面の重なりで配光を決めている。
ヴァーナー・パントンの設計思想や経歴について詳しくはヴァーナー・パントンプロフィールページをご覧ください。
&Traditionの歴史や他の製品について詳しくは&Traditionブランドページをご覧ください。
シリーズ全体について詳しくはフラワーポット シリーズをご覧ください。
基本情報
| 名称 | フラワーポット VP1 / Flowerpot VP1 |
|---|---|
| デザイナー | ヴァーナー・パントン(Verner Panton) |
| ブランド | &Tradition(アンドトラディション) |
| 発表年 | 1968年 |
| デザインの成立国 | デンマーク |
| 分類 | ペンダントライト |
| 構造 | 直径比2対1の半球を向かい合わせ、下側の半球で光源を隠す。内側は白塗装 |
| 主要素材 | ラッカー塗装の金属、または真鍮・銅・ステンレス鋼の磨き仕上げ |
| サイズ | 直径約23cm × 高さ約16cm |
| 受賞 | ドイツ連邦共和国デザイン賞 |
| シリーズ | VP1/VP2/VP7(ペンダント)、VP3・VP4(テーブル)、VP9(充電式) |
Reference
- Flowerpot VP1 | &Tradition
- https://www.andtradition.com/products/flowerpot-vp1