コーディネイツは、マイケル・アナスタシアデスがフロスのために設計した照明システムである。水平と垂直の細い発光バーを組み合わせ、格子状の構造をつくる。デカルト座標系の直交グリッドが形の出発点になっている。
原型は、2018年に移転して再開したニューヨークのフォーシーズンズ・レストランのために依頼された照明にある。この特注品が製品として展開された。
特徴・コンセプト
各バーの構成は共通している。押出成形して加工したアルミニウムをシャンパン色にアルマイト処理した本体に、プラチナ色の光学シリコーンによるディフューザーを収め、内部にLEDストリップを組み込む。演色評価数は90。
このバーを水平と垂直に組み合わせることで、規模も複雑さも異なる構成をつくれる。単純な一本から、複数の層が交差する立体的な格子まで、同じ部材で対応する。名称のコーディネイツは座標を意味し、直交する二軸で位置を決めるという発想がそのまま形になっている。
製品としては、大きさの異なる4種類の吊り下げ型シャンデリア、天井高に応じて2つの長さから選べる3種類のシーリング、そして水平バー1本のWall 1と垂直・水平を組み合わせたWall 2という壁付け型が揃う。円形のベースに2本の発光バーを立てた床置き型も加わった。
吊り下げと天井付けの双方に対応する反復可能なモジュールも用意されており、大規模な施設ではこれを連ねて構成する。調光は0-10V、1-10V、DALI、プッシュの各方式に対応する。
背景
フォーシーズンズ・レストランは、ミース・ファン・デル・ローエとフィリップ・ジョンソンによるシーグラムビル内に1959年に開いた店である。2016年に同ビルでの営業を終え、2018年に別の場所で再開した。その新店舗の照明としてアナスタシアデスに依頼されたのが、このシステムの出発点にあたる。
特注の照明を製品化する際、寸法や構成が固定されると導入できる空間が限られる。コーディネイツは部材を規格化し、組み合わせだけで規模を変えられるようにすることで、この制約を解いている。
アナスタシアデスはロンドンを拠点とする設計者である。
評価
実務では、天井高のある空間や横方向に長いテーブルを持つ場面で選ばれる。一点から光を落とすのではなく、線として光を配置できるため、細長い卓や回廊状の空間に対応しやすい。
一方、システムとしての性格が強く、単体で完結する照明としては扱いにくい。住宅で使う場合は、構成をどこまで展開するかを設計段階で決めておく必要がある。同じフロスでは、265 ウォールランプが一本のアームで光を運ぶのに対し、コーディネイツは複数のバーを組んで面や立体をつくる。
マイケル・アナスタシアデスの設計思想や経歴について詳しくはマイケル・アナスタシアデスプロフィールページをご覧ください。
フロスの歴史や他の製品について詳しくはフロスブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | マイケル・アナスタシアデス / Michael Anastassiades |
|---|---|
| 発表年 | 2018年(フォーシーズンズ・レストラン向けの特注に由来) |
| ブランド | フロス / Flos |
| カテゴリー | シャンデリア / 照明システム |
| 素材 | 押出成形アルミニウム(シャンパン色アルマイト)、光学シリコーン(プラチナ色) |
| 光源 | 内蔵LEDストリップ(Ra90) |
| 形式 | サスペンション4種 / シーリング3種(各2長さ)/ ウォール(Wall 1・Wall 2)/ フロア / 反復モジュール |
| 調光 | 0-10V、1-10V、DALI、プッシュ |
| 由来 | ニューヨーク フォーシーズンズ・レストラン(2018年再開) |