このページについて
レディチェアは、マルコ・ザヌーゾが1951年に設計した椅子である。当初アルフレックスが製造し、2015年からカッシーナが製造する。鋼の骨組みに帯を張り、密度の異なるフォームを重ねる。張り地は取り外せない。
このページでは、張り地が取り外せないこと、寸法と脚の仕上げの選択、正規品の識別、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
マルコ・ザヌーゾの設計思想や経歴について詳しくはマルコ・ザヌーゾ プロフィールページをご覧ください。
レディチェアのデザインストーリーについて詳しくはレディチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
| 正式名称 | レディチェア |
|---|---|
| オリジナルメーカー | アルフレックス |
| 現行製造ブランド | カッシーナ。2015年から製造されている |
| 製造国 | イタリア |
| フレーム | 鋼の骨組みに、弾力のある帯を張る |
| アームレスト芯材 | ポプラの合板による |
| パッド | ポリウレタンのフォームとポリエステルの中綿による |
| パッド密度 | 座面、背もたれ、肘掛けで密度を変える |
| 脚部 | 鋼の棒による。3種の仕上げから選ぶ |
| 脚先 | 黒い樹脂の部品が付く |
| サイズ(1人掛) | 幅770 × 奥行840 × 高さ780mm。座面高460mm |
| サイズ(2人掛) | 幅1,350 × 奥行840 × 高さ780mm。座面高460mm |
| 張地 | 布または革から選ぶ。取り外せない |
| 張地カテゴリ(ファブリック) | 複数の価格の区分から選ぶ |
| 張地カテゴリ(レザー) | 複数の価格の区分から選ぶ |
| 特別仕様 | 限定の配色による仕様が展開される場合がある |
| 価格 | カッシーナは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。寸法と張り地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける |
| 販売形態 | 受注生産。納期は取扱店に確認する |
| 収蔵 | Met レディ アームチェア(1951年) 収蔵番号 1986.287 |
正規品とライセンスを受けていない製品の違い
権利者のライセンスを受けていない同型の製品が流通している。公表されている情報から確認できる差を整理する。仕様が公表されていない項目は「公表なし」と記し、推測では埋めていない。
公表されている仕様
カッシーナは、鋼の骨組みに弾力のある帯を張ること、座面・背もたれ・肘掛けで密度の異なるフォームを用いること、肘掛けの芯材がポプラの合板であること、脚が鋼の棒で3種の仕上げから選べること、寸法、イタリアでの製造を公表している。
ライセンスを受けていない製品では、これらの仕様が公表されていない場合が多い。座面・背もたれ・肘掛けが独立した部位として構成される点は、外から確認できる箇所にあたる。
| 比較項目 | 正規品(カッシーナ) | ライセンスを受けていない製品 |
|---|---|---|
| 骨組み | 鋼と弾力のある帯(公表) | 公表なし |
| フォームの密度 | 部位ごとに変える(公表) | 公表なし |
| 脚の仕上げ | 3種から選ぶ(公表) | 公表なし |
| 製造国 | イタリア(公表) | 公表なし |
| メーカー保証 | 対象 | 対象外 |
張り地が取り外せないこと
張り地は取り外せない。汚れた場合、カバーを外して洗うという手入れができない。
傷んだ場合は張り替えになる。受注生産の製品にあたるため、対応の可否と期間を取扱店に確認する。
座面・背もたれ・肘掛けで密度の異なるフォームを用いる構成のため、張り替えの際にはこの構成を再現できるかが判断に関わる。
選び分けの目安
- 汚れる場面が想定される場合
- カバーを外して洗えない。日常の手入れで対処することになる。
- 長く使う前提の場合
- 張り替えの可否と期間を、購入前に取扱店へ確認する。
- 張り地を選ぶ場合
- 布と革から選ぶ。後から変えるには張り替えを要するため、購入時の選択が長く残る。
類似商品・競合との比較
張りの椅子は、カバーの扱いと脚の構成で性格が分かれる。
| 比較項目 | レディチェア | コロナード | パンプキンチェア |
|---|---|---|---|
| 張り地 | 取り外せない | 取扱店を通じて張り替え | 専門の作業を要する |
| 脚 | 鋼の棒(3種の仕上げ) | 樹脂(床から約30mm) | 樹脂の台 |
| 座面高 | 460mm | 約450mm | 370mm |
| 寸法の展開 | 1人掛けと2人掛け | 5種 | 7種 |
| フォームの構成 | 部位ごとに密度を変える | 密度の異なるフォーム | 台にフォームを重ねる |
選び分けの目安
- 脚を見せたい場合
- 細い鋼の棒による脚が外に現れる。3種の仕上げから選べる。床下に空間ができる。
- 座面の高さを求める場合
- 座面高460mmは同種の椅子のなかでも高い部類にあたる。立ち座りがしやすい。
- 2人掛けが要る場合
- 幅1,350mmの仕様がある。奥行と高さ、座面高は1人掛けと共通する。
使用感と設置条件
座面と骨組み
鋼の骨組みに弾力のある帯を張り、その上にフォームを重ねる。帯が撓むことで荷重を受け止める。
座面・背もたれ・肘掛けでフォームの密度を変える。部位によって沈み方が異なる構成にあたる。
座面高460mm。一般的な椅子(400〜450mm前後)より高く、立ち座りがしやすい。
脚と床
脚は細い鋼の棒による。3種の仕上げから選ぶ。脚先には黒い樹脂の部品が付く。
細い脚のため、床に接する面積が小さい。柔らかい床材では跡が残る場合がある。
床下に空間ができるため、掃除の器具が下を通る。
寸法と設置
1人掛けは幅770×奥行840×高さ780mm、2人掛けは幅1,350mm。奥行と高さ、座面高は共通する。
奥行840mmは、背もたれが後方へ傾く分を含む。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
布は日光で色が褪せる。革は使用と日光によって色が濃くなり、乾燥するとひび割れる。張り地は取り外せないため、部分的な交換ができない。
フォームは荷重で潰れる。部位ごとに密度が異なるため、潰れ方にも差が出る。
帯は繰り返しの荷重で伸びる。座ったときの沈み方が変わる。
脚の仕上げは擦れると変わる。脚先の樹脂の部品は摩耗する。
日常の手入れ
- 布の張り地
- 掃除機のブラシ付きノズルで埃を吸う。取り外せないため、汚れは早めに対処する。
- 革の張り地
- 乾いた布で埃を払う。年に数回、革用のクリームで油分を補う。
- 脚
- 乾いた布で拭く。研磨剤は仕上げを損なう。脚先の部品の摩耗も確かめる。
- 置き場所
- 直射日光を避ける。布の色褪せと革の乾燥を早める。
張り替え
張り地が取り外せないため、傷んだ場合は張り替えになる。取扱店を通じて相談する。
部位ごとにフォームの密度が異なる構成のため、この構成を再現できるかを確認する。
どこで買うか
取扱店の調べ方
カッシーナは公式サイトで取扱店を案内している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
注文の際に決める項目は、寸法(2種)、張り地、脚の仕上げ(3種)である。受注生産のため、納期は取扱店に確認する。
実物を確認する
張り地は後から変えるには張り替えを要する。購入時の選択が長く残るため、現物で確かめられるとよい。
座面高460mmが使う人の体格に合うかもあわせて確認する。
中古の流通
1951年以降の個体と、2015年以降の再生産品が流通する。製造元が異なるため、年式を確かめる。
相場は年式、寸法、張り地、状態で幅があり、一定していない。確認箇所は、張り地の傷みと色の変化、フォームの潰れ、帯の伸び、脚の仕上げの状態と脚先の部品の有無である。張り地が取り外せないため、内部の確認は難しい。
購入前チェックリスト
- 寸法(1人掛け 幅770mm/2人掛け 幅1,350mm)
- 張り地(布/革。取り外せないため購入時の選択が長く残る)
- 脚の仕上げ(3種)
- 座面高460mm(同種の椅子のなかでも高い部類)
- 張り替えの可否と期間
- 細い脚のため柔らかい床材では跡が残る場合があること
- 設置場所の寸法(奥行840mm)
- 中古の場合、年式と製造元
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- カッシーナは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。寸法と張り地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
- どこで購入できますか?
- カッシーナの公式サイトで取扱店が案内されています。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。受注生産のため納期もあわせてご確認ください。
- カバーは洗えますか?
- 張り地は取り外せないため、カバーを外して洗うという手入れができません。汚れは早めに対処してください。傷んだ場合は張り替えになるため、対応の可否と期間を取扱店にご確認ください。
- 座り心地はどうですか?
- 鋼の骨組みに弾力のある帯を張り、その上にフォームを重ねます。座面・背もたれ・肘掛けでフォームの密度を変えるため、部位によって沈み方が異なります。座面高460mmは一般的な椅子(400〜450mm前後)より高く、立ち座りがしやすくなります。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- メトロポリタン美術館が収蔵しています(Lady Armchair、1951年、収蔵番号1986.287)。
- 設置に必要な寸法を教えてください。
- 1人掛けは幅770×奥行840×高さ780mm、2人掛けは幅1,350mmです。奥行と高さ、座面高460mmは共通します。奥行840mmは背もたれが後方へ傾く分を含みます。
- 床に跡が付きませんか?
- 脚は細い鋼の棒によるもので、床に接する面積が小さくなります。柔らかい床材では跡が残る場合があります。脚先には黒い樹脂の部品が付き、摩耗の状態もお確かめください。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 布の張り地は掃除機のブラシ付きノズルで埃を吸います。取り外せないため汚れは早めに対処してください。革の張り地は乾いた布で埃を払い、年に数回クリームで油分を補ってください。脚は乾いた布で拭き、研磨剤は使わないでください。