このページについて

ジョイ(712)は、アキッレ・カスティリオーニが1989年に設計しザノッタが製造する棚である。L字型に組んだ棚板が、中心の支柱まわりで360度回る。棚の向きを変えると、占める範囲と見え方が変わる。5段と7段の2つの仕様がある。

このページでは、回転により必要になる設置範囲、5段と7段の選び分け、同種の棚との比較、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

Joyは5段モデルと7段モデルの2サイズで展開され、いずれも完成品としてZanotta社より出荷される。以下に詳細仕様をまとめる。

正式名称 Joy(ジョイ) / 製品番号 712
製造国 イタリア
棚板・支柱素材 中密度繊維板(MDF)。棚板の内部にスチールの補強材を入れる
関節軸素材 スチール(塗装仕上げ)
表面仕上げ 耐傷性エンボス塗装
カラーバリエーション タルク(白系)、ヘンプ(麻系)、アマランス(赤紫系)、エスプレッソ(茶系)、ブラック、バーガンディ ※展開色は時期により変更される
関節軸カラー ブラック(ヘンプ・アマランス・エスプレッソ・ブラック版)、タルク(タルク版)
サイズ(5段モデル) W840mm × D300mm × H1320mm
重量(5段モデル) 48.2kg
サイズ(7段モデル) W960mm × D300mm × H1900mm
重量(7段モデル) 70kg
構造 L字型の棚板が、スチールの関節を中心に360度回る。自立するため壁への固定を要さない
参考価格帯(税込目安) ザノッタは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。段数と色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける
納期 受注生産。納期は取扱店に確認する
受賞 1991年 コンパッソ・ドーロ
型番 712

類似商品・競合との比較

棚は、設置後に形を変えられるかどうかで性格が分かれる。変えられる場合、その変更に何を要するかが実際の使い勝手を決める。

比較項目 ジョイ(712) カールトン・ルームディバイダー モンタナシステム
形の変更 棚を回すだけで変わる できない 箱の組み替えによる
占める範囲 棚の向きによって変わる 固定 固定
設置 自立する 自立する 壁付けまたは自立
棚板の向き 水平 傾いている 水平
寸法 5段 840×300×1,320mm/7段 960×300×1,900mm 1,900×400×1,960mm 構成による
重量 5段 48.2kg/7段 70kg 約130kg 構成による

選び分けの目安

置き方を変えながら使う場合
棚を回すだけで形が変わる。壁に寄せた状態から、間仕切りとして開いた状態まで、部材を組み替えずに移行できる。
設置範囲を一定に保ちたい場合
ジョイは棚の向きによって占める範囲が変わる。動線上に置く場合、最も広がった状態での寸法を前提にする必要がある。
収納量を優先する場合
奥行300mmで、大判の書籍は収まらない。段数も5段か7段に限られる。

使用感と設置条件

回転により変わる占有範囲

棚板は中心の関節を軸に360度回る。すべてを一方向に揃えれば幅840mm(5段)または960mm(7段)に収まるが、開いて配置すると前後左右に張り出す。

設置場所を決める際は、最も広がった状態での範囲を前提にする。壁に寄せて使う場合、回せる向きが限られることになる。

棚を回すのに工具を要さない。本を載せたままでも動かせるが、荷重が偏ると回しにくくなる。

5段と7段

5段は幅840×高さ1,320mm、重量48.2kg。7段は幅960×高さ1,900mm、重量70kg。奥行は300mmで共通する。

7段は高さが1,900mmあり、最上段は目線より上になる。5段の1,320mmは、上面に物を置いて使える高さである。重量差は約22kgで、設置後に位置を変える頻度がある場合はこの差が効く。

収まるもの

奥行300mm。文庫、新書、単行本は収まる。A4判の書籍は奥行に対して収まるが、棚板の高さによっては立てられない。

棚板はL字型で、側面にも板が立つ。この板が本を支えるため、端の本が倒れにくい。ただし回した際に側面の板の位置が変わるので、支えのある側を意識して収めることになる。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

表面は耐傷性のエンボス塗装で、細かい凹凸がある。平滑な塗装より傷が目立ちにくいが、深く削れると下地のMDFが露出する。MDFは水分を吸って膨らむため、剥がれた箇所は放置しない。

関節部は繰り返しの回転で摩耗する。動きが渋くなる、あるいは緩んで棚が自重で動くようになった場合、取扱店に相談する。

棚板の内部にはスチールの補強材が入る。MDFだけでは荷重で撓む寸法のため、この補強が耐荷重を支えている。

日常の手入れ

ふだん
乾いた柔らかい布で拭く。エンボスの凹凸に埃が溜まるため、目に沿って動かす。
汚れ
薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き、水気を残さない。研磨剤はエンボスの質感を損なう。
関節部
回転が渋くなった場合、自分で注油しない。取扱店を通じて確認する。

どこで買うか

取扱店の調べ方

ザノッタは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

注文の際に決める項目は、段数(5段または7段)と色である。受注生産のため、納期は取扱店に確認する。

実物を確認する

棚を回したときの手応えと、開いた状態で占める範囲は、写真では分かりにくい。設置場所に収まるかの判断に直結するため、展示の有無を取扱店へ確認するとよい。

色は時期によって展開が変わる。現在扱われている色を確認する。

中古の流通

1989年以降の個体が流通している。相場は年式と状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、関節部の動き(渋くないか、緩んで自重で動かないか)、棚板の角と縁の欠け、剥がれた箇所からのMDFの膨らみ、棚板の撓み、色の退色である。

購入前チェックリスト

  • 段数の選択(5段 840×1,320mm/7段 960×1,900mm)
  • 最も広がった状態で占める範囲が収まるか
  • 壁に寄せる場合、回せる向きが限られること
  • 収める本の判型(奥行300mm)
  • 重量(5段48.2kg/7段70kg。位置を変える頻度がある場合)
  • 搬入経路(組み立てた状態での寸法)
  • 色(時期により展開が変わる)
  • 中古の場合、関節部の動き

よくある質問

価格はどのくらいですか?
ザノッタは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。段数と色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
ザノッタの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
設置にどれくらいの広さが要りますか?
棚板は中心の関節を軸に360度回ります。すべてを一方向に揃えれば幅840mm(5段)または960mm(7段)に収まりますが、開いて配置すると前後左右に張り出します。設置場所を決める際は、最も広がった状態での範囲を前提にしてください。
5段と7段はどちらを選べばよいですか?
5段は幅840×高さ1,320mm・重量48.2kg、7段は幅960×高さ1,900mm・重量70kgです。奥行は300mmで共通します。7段は最上段が目線より上になり、5段の1,320mmは上面に物を置いて使える高さです。重量差は約22kgあり、設置後に位置を変える頻度がある場合はこの差が効きます。
棚を回すのに工具は要りますか?
要りません。本を載せたままでも動かせますが、荷重が偏ると回しにくくなります。
どんな本が収まりますか?
奥行300mmで、文庫、新書、単行本は収まります。A4判の書籍は奥行に対しては収まりますが、棚板の高さによっては立てられません。棚板はL字型で側面にも板が立ち、この板が本を支えるため端の本が倒れにくくなっています。ただし回した際に側面の板の位置が変わります。
壁際に置けますか?
置けますが、回せる向きが限られます。棚の向きを変えて使う前提であれば、周囲に余裕のある場所が適します。
手入れはどうすればよいですか?
乾いた柔らかい布で拭きます。表面は耐傷性のエンボス塗装で細かい凹凸があるため、埃は目に沿って拭き取ってください。汚れは薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き、水気を残さないでください。研磨剤はエンボスの質感を損ないます。関節部の回転が渋くなった場合は、自分で注油せず取扱店を通じてご確認ください。