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9093ケトルは、マイケル・グレイブスが設計しアレッシィが1985年に発売した直火式のケトルである。注ぎ口に取り付けた小鳥の形の笛が、湯が沸くと鳴る。発売以来、生産が続いている。

このページでは、正規品の仕様と選べる色、同じ用途の他の製品との比較、使い勝手と手入れ、購入できる場所を扱う。造形の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

9093ケトルは、イタリア・ピエモンテ州オメーニャのクルシナッロ工場で生産されている。手作業と工業的プロセスを組み合わせ、一つひとつ丁寧に仕上げられるイタリア製の製品である。日本国内ではアレッシィの正規輸入品が流通しており、並行輸入品も市場に存在する。

正式名称 9093 ケトル(バードケトル)/ 9093 Kettle(Bird Kettle)
型番 9093(ライトブルー)、9093 B(ブラック)、9093 W(ホワイト)
素材 18/10ステンレススチール(鏡面仕上げ)、ポリアミド樹脂(ハンドル・笛部分)、底部:マグネティックスチール(AISI 430)
サイズ 直径220mm × 高さ225mm(メーカー公表値)
容量 2.0リットル(メーカー公表値)
重量 約930g
対応熱源 ガス、IH調理器対応(マグネティックスチール底)
小鳥型のホイッスル(樹脂製、着脱できる)。交換部品として単体で販売されている
製造国 イタリア(オメーニャ、クルシナッロ工場)
参考価格 メーカー公式(米国サイト)で350米ドル(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる
美術館収蔵 V&A(収蔵番号 M.11 to B-1990)

カラーバリエーション

9093(ライトブルー)
1985年のオリジナルカラー。ライトブルーのハンドルと赤い小鳥の組み合わせは、9093ケトルの最も象徴的なカラーリングである。グレイブスのポストモダニズムの色彩感覚を最もよく表現するモデル。
9093 B(ブラック)
ブラックのハンドルに赤い小鳥。鏡面ステンレスとブラックのコントラストが、モダンでシャープな印象を与える。現代的なキッチンに馴染みやすい。
9093 W(ホワイト)
ホワイトのハンドルに赤い小鳥。清潔感とエレガンスを兼ね備え、明るいキッチンに調和する。

小型モデルと特別版

9093/1(1リットルモデル、2023年〜)
オリジナルの半分の容量を持つ小型版。都市部の小規模住宅やミニマリストのライフスタイルに対応。グレイブスが1990年代にデザインした「Euclid」コレクションから着想を得たイエロー、グリーン、レッドのカラーパレットを採用。
Tea Rex(2015年、30周年記念モデル)
赤い小鳥の代わりに翡翠色のドラゴンを配した特別版。中国文化における力と幸運の象徴を取り入れたグローバルモデル。
40周年記念モデル(2025年)
ブラックのボディにオレンジ色の小鳥を配した最新エディション。大胆なカラーコンビネーションで現代的な美意識を反映。

交換用ホイッスル

注ぎ口の小鳥型ホイッスルは着脱式であり、交換用パーツとしても販売されている。オリジナルの赤い小鳥のほか、翡翠色のドラゴン(Tea Rex)とのセット(MGWHS2)なども入手可能。ホイッスルの劣化や気分転換に対応できる点も、長期使用を前提とした設計の配慮である。

類似商品・競合との比較

湯を沸かす器具は、沸騰を知らせる方法と熱源の対応が選択の分かれ目になる。

比較項目 9093 柳宗理 ステンレスケトル EM77 クラシックバキュームジャグ
用途 湯を沸かす 湯を沸かす 沸かした湯を保つ
沸騰の知らせ 注ぎ口の笛が鳴る 笛なし(型番により異なる) 該当しない
容量 2.0L 2.5L 1.0L
IH対応 対応(磁性ステンレスの底) 対応 該当しない
取っ手の素材 樹脂(熱が伝わりにくい) ステンレス(熱くなる) 樹脂
部品の交換 笛・蓋・栓が単体で販売されている 公表なし 栓が単体で販売されている

選び分けの目安

沸騰を音で知りたい場合
9093は注ぎ口の笛が鳴る。台所を離れていても分かるが、注ぐ前に笛を外す動作が加わる。
沸かしてから時間を置いて使う場合
保温ジャグと組み合わせることになる。ケトル単体では湯が冷める。
取っ手を素手で持ちたい場合
9093の取っ手は樹脂で、金属より熱が伝わりにくい。ステンレスの取っ手を持つケトルでは布が要る。

使用感と設置条件

笛の扱い

笛は注ぎ口に差し込んで使う。湯気が笛を通ることで音が出るため、注ぐときは外す。熱くなっているので、布などを介して外すことになる。

笛は樹脂製で、単体でも販売されている。破損や紛失があっても本体ごと替える必要はない。蓋と栓も交換部品として用意されている。

熱源と置き場所

底に磁性のステンレスを用いており、IH調理器で使える。直径220mm、高さ225mmで、2.0Lの容量に対して背が高い。ガスコンロの五徳では、隣の口との間隔を確認しておく。

表面は鏡面に磨かれている。水滴が残ると輪染みになるため、使用後に拭き取る。

取っ手

取っ手は樹脂製で、金属より熱が伝わりにくい。ただし加熱中は本体からの輻射で温まるため、素手で持てるかは加熱時間による。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

18/10ステンレスは酸化皮膜を形成するため錆びにくいが、水道水に含まれる成分が乾いて白い跡になる。鏡面仕上げでは、この跡が目立つ。

内側には湯垢が付く。硬水の地域では堆積が早い。樹脂の取っ手と笛は、繰り返しの加熱で色が変わることがある。

日常の手入れ

使用後
外側の水滴を乾いた布で拭き取る。放置すると輪染みになる。
湯垢
クエン酸を溶かした湯を沸かして落とす。研磨剤入りのものは鏡面を傷めるため用いない。
取り外して洗える。差し込み部に湯垢が付くと音が変わることがある。

部品の交換

笛、蓋、栓は交換部品として単体で販売されている。正規取扱店またはメーカーの公式サイトで扱う。

どこで買うか

正規輸入品と並行輸入品

日本国内では正規輸入品と並行輸入品の両方が流通している。製品自体は同じ工場で製造されたものだが、正規輸入品には国内の輸入代理店による保証が付く。並行輸入品はこの保証の対象外となる場合があり、購入前に販売元を確認しておく必要がある。

取扱店の調べ方

アレッシィは公式サイトで取扱店の一覧を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。公式のオンラインストアも運営されている。

色は取っ手と笛に付く。本体のステンレスは共通するため、色による違いはこの二箇所に限られる。

中古の流通

生産が続いているため、中古を選ぶ理由は主に廃番となった色にある。相場は年式と状態で幅があり、一定していない。確認箇所は、鏡面の傷と輪染み、内側の湯垢、笛の有無と差し込み部の状態である。笛と蓋は交換部品があるため、欠品していても補える。

購入前チェックリスト

  • 色の選択(取っ手と笛に色が付く)
  • 正規輸入品か並行輸入品かの確認(保証の適用範囲が異なる)
  • 熱源(IH調理器で使える。ガスの場合は五徳の間隔)
  • 容量2.0Lに対する高さ225mm(換気扇や吊り戸棚との間隔)
  • 注ぐ前に笛を外す動作が加わること
  • 鏡面仕上げのため水滴の拭き取りが要ること

よくある質問

正規品の価格はどのくらいですか?
メーカー公式の米国サイトでは350米ドルです(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。並行輸入品は安い場合がありますが、保証の適用範囲が異なることがあります。
どこで購入できますか?
アレッシィの公式サイトで取扱店の一覧が公開されています。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。公式のオンラインストアもあります。
IH調理器で使えますか?
使えます。底に磁性のステンレスを用いています。ガスコンロでも使えますが、直径220mm・高さ225mmと背が高いため、五徳の上で隣の口との間隔をご確認ください。
笛はどう使いますか?
注ぎ口に差し込んで使います。湯気が笛を通ることで音が出るため、注ぐときは外します。熱くなっているので布などを介して外してください。
笛をなくした場合は交換できますか?
できます。笛は交換部品として単体で販売されています。蓋と栓も同様です。正規取扱店またはメーカーの公式サイトで扱っています。
取っ手は熱くなりませんか?
取っ手は樹脂製で、金属より熱が伝わりにくくなっています。ただし加熱中は本体からの輻射で温まるため、素手で持てるかは加熱時間によります。
手入れはどうすればよいですか?
使用後は外側の水滴を乾いた布で拭き取ってください。鏡面仕上げのため、放置すると輪染みになります。内側の湯垢はクエン酸を溶かした湯を沸かして落とします。研磨剤入りのものは鏡面を傷めるため使えません。
他に検討すべき製品はありますか?
同じく湯を沸かす器具では、柳宗理のステンレスケトルがあります。取っ手がステンレスのため、持つときに布が要ります。沸かした湯を保つ用途では、ステルトンのEM77バキュームジャグが選択肢になります。