概要
D.859.1は、ジオ・ポンティが1959年に設計した大型のテーブルである。ニューヨークのタイム&ライフ・ビルに併設されたオーディトリアムのために描かれ、会議用の卓として用いられた。全長は3.6メートルを超え、10人が着席できる。現在はモルテーニ&Cが製造している。
特徴・コンセプト
脚を中央へ寄せる
脚部は台形をなし、下方へすぼまる。四隅ではなく中央寄りに配置され、天板は前後へ大きく張り出す。四隅に脚を置くと、端の席では脚が足元に来る。中央へ寄せることで、天板の縁沿いに座る人の足元が空く。
接地部が細く絞られるため、床に触れる面積は小さい。大きな天板を支えながら、床際では細い線として現れる。
端部の厚みを減らす
天板は先細りの平面形をとり、端に向かって厚みが減る。断面を一様にすれば加工は簡単だが、縁の見えがかりが厚くなる。端だけを薄く削ることで、実際の板厚より薄く見える。
素材
当初は無垢のアッシュ材に真鍮のチップを組み合わせて製作された。現行版ではナチュラルのアッシュのほか、黒染めのアッシュも選べる。原寸版に加え、比例を保った縮小寸法が2種類用意される。
エピソード
1958年、ポンティはニューヨークのアヴェニュー・オブ・ジ・アメリカズ1271番地に建つタイム&ライフ・ビルのオーディトリアム設計を委嘱された。タイム、ライフ、フォーチュンなどを擁する出版社の本社である。D.859.1は、その室内のために描かれた家具の一点にあたる。
モルテーニ&Cは2012年、ジオ・ポンティ・アーカイヴとの契約のもとでヘリテージ・コレクションを立ち上げた。図面や写真、当時の資料を照合して復元が進められており、各製品にはアーカイヴが発行する通し番号入りの証明書が付く。
評価と影響
接地部を絞って量塊を軽く見せる扱いは、ポンティの家具に繰り返し現れる。会議卓として設計されたが、執務机や大型のダイニングテーブルとしても用いられる。
ジオ・ポンティの設計思想や経歴について詳しくはジオ・ポンティプロフィールページをご覧ください。
モルテーニ&Cの歴史や他の製品について詳しくはモルテーニ&Cブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | D.859.1 デスク / D.859.1 Desk |
|---|---|
| デザイナー | ジオ・ポンティ(Gio Ponti) |
| ブランド | モルテーニ&C(Molteni&C)ヘリテージ・コレクション |
| 発表年 | 1959年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | デスク/テーブル |
| 構造 | 台形の脚を中央寄りに配置し、天板を前後へ張り出させる。端部の厚みを減らす |
| 主要素材 | アッシュ材(ナチュラル/黒染め)、真鍮のチップ |
| サイズ | 原寸版は全長3600mm超。縮小寸法2種を用意 |
| 着席人数 | 最大10名(原寸版) |
| 原設計の用途 | タイム&ライフ・ビル(ニューヨーク)オーディトリアムの会議卓 |
Reference
- D.859.1 | Molteni&C
- https://www.molteni.it/en/products/d-859-1