ベオサウンド A5は、バング&オルフセンが2023年に発表したポータブルスピーカーである。デザインはコペンハーゲンを拠点とするスティーネ・ガムとエンリコ・フラテージ(ガムフラテージ)が手がけた。アルミニウムの本体に紙繊維を編んだグリルを組み合わせ、オーク材のハンドルを渡した構成をとる。
持ち運べるスピーカーでありながら、外観は籠や手提げに近い。屋内では家具に混ざり、屋外へ持ち出せばそのまま道具になる。この両義性が製品の性格を決めている。
特徴・コンセプト
グリルには紙繊維を編んだ素材が使われる。天然の藁に近い見え方をしながら、実際にははるかに耐久性が高い。アルミニウム、木、ポリマーという構成のなかで、この編み目が視覚上の主役になっている。
ハンドルはオーク材で、本体上部を横切るように渡される。持ち上げるための機構でありながら、正面から見たときの水平線としても働く。上面はワイヤレス充電に対応し、スマートフォンなどをそのまま置いて充電できる。
スピーカー構成は0.8インチツイーター1基、2インチフルレンジ2基、5.25インチウーファー1基。各ドライバーに専用のアンプが割り当てられる。バッテリーでの連続再生に対応し、防塵防水も備えるが、木部と紙繊維の編み目は水に濡れると傷むため屋外での扱いには注意が要る。
360度に音を拡散させる設定と、指向性を絞る設定をアプリで切り替えられる。2台をステレオペアにした場合には、iPhoneの位置に合わせてステレオイメージの中心を合わせ直す機能を持つ。
背景
バング&オルフセンは近年、製品を買い替えるのではなく更新して使い続けるという方針を掲げている。ベオサウンド A5もこの考え方のもとに設計されており、バッテリーやドライバー、ハンドル、グリルといった部材を個別に交換できる。グリルの模様や色を後から組み替えて、外観を変えることもできる。
ガムフラテージは2006年にコペンハーゲンで設立されたスタジオである。この製品では、編み込みという工芸的な手法が電子機器の外装に持ち込まれている。
評価
ポータブルスピーカーの多くは樹脂成形の筒型や箱型をとり、持ち運びやすさと堅牢さを優先する。ベオサウンド A5はこれに対し、室内に置いたときの見え方から出発している。使わないときに片付ける必要がない、という点が実務上の違いになる。
重量は3.7kgで、片手で気軽に移動できる範囲を少し超える。同じバング&オルフセンでも、より軽い携行性を求めるならベオサウンド レベル、据え置きで音量と音場を優先するならベオサウンド バランスやベオラブ 28が比較対象になる。
設計思想や経歴について詳しくはスティーネ・ガム、エンリコ・フラテージの各プロフィールページをご覧ください。
バング&オルフセンの歴史や他の製品について詳しくはバング&オルフセンブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | スティーネ・ガム / Stine Gam、エンリコ・フラテージ / Enrico Fratesi(GamFratesi) |
|---|---|
| 発表年 | 2023年 |
| ブランド | バング&オルフセン / Bang & Olufsen |
| カテゴリー | ポータブルスピーカー |
| 素材 | アルミニウム、紙繊維の編みグリル、オーク材(ハンドル)、ポリマー |
| サイズ | 幅285mm × 高さ187mm × 奥行130mm |
| 重量 | 3.7kg |
| スピーカー構成 | 0.8インチツイーター×1、2インチフルレンジ×2、5.25インチウーファー×1 |
| アンプ出力 | 合計280W(クラスD) |
| 再生周波数帯域 | 32〜23,000Hz |
| バッテリー | 最大12時間 |
| 防塵防水 | IP65(木部・紙繊維部は水濡れで損傷の可能性あり) |
| 接続 | Wi-Fi(デュアルバンド)、Bluetooth 5.3、Beolink Multiroom |