このページについて
G10アームチェアは、ピエール・ガリッシュが1950年代に設計した椅子である。エアボーンが製造した。複数を連結して長椅子として用いられる。生産は終了しており、中古でのみ入手できる。
このページでは、中古でのみ入手できること、連結する機構、2つの型式、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ピエール・ガリッシュの設計思想や経歴について詳しくはピエール・ガリッシュ プロフィールページをご覧ください。
G10アームチェアのデザインストーリーについて詳しくはG10アームチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
G10アームチェアは、1951年にシャルル・ベルナールが創業したフランスの家具メーカー、エアボーン(Airborne)社が製造していた。同社はAAチェア(バタフライチェア)の成功を基盤に、ガリッシュをはじめとするフランスの若手デザイナーたちと積極的に協働し、戦後フランスの住環境を革新する家具群を生み出した。G10はこの協働の中で誕生したガリッシュの成熟期の代表作であり、エアボーン社のカタログにおいても重要な位置を占めていた。現在はエアボーン社による製造は行われていないため、全てのG10はヴィンテージ品となる。以下にオリジナル製品の詳細仕様を示す。
| 正式名称 | G10アームチェア。肘掛けの仕様が異なる型式もある |
|---|---|
| 製造 | エアボーン。生産は終了している |
| フレーム | 黒く塗装した金属の管。4本の脚を斜めに配する。前後を部材で連結する。床に接する箇所には樹脂の部材が付く |
| 肘掛け | 標準の型はフォームに布を張る。もう1つの型は成形した合板による。着脱できる |
| 座面・背もたれ | フォームに布を張る。内部に金属の板とばねを組み合わせた機構を備える |
| 連結の機構 | ボルトと螺子で複数を連結できる。2脚から3脚を連ねて長椅子として用いられる |
| サイズ(標準の型) | 標準の型は高さ760 × 幅770 × 奥行750mm。座面の高さ450mm |
| サイズ(もう1つの型) | もう1つの型は高さ760 × 幅830 × 奥行780mm |
| 重量 | 約18.5kg |
| 生産状況 | 生産は終了している。中古でのみ入手できる |
| 収蔵 | 本製品の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない |
| 価格 | 生産は終了しており、価格は中古の市場で決まる。型式、状態、張地によって幅がある。一定していない |
中古でのみ入手できること
生産は終了している。復刻もなく、中古でのみ入手できる。
型式や張地を指定して注文することはできない。流通している個体から選ぶことになる。
肘掛けが成形した合板による型は、製造された期間が短い。流通する機会は限られる。
張り替えられている個体もある。当初の張地とは風合いが異なる。
選び分けの目安
- 型式を選びたい場合
- 注文による製作はできない。流通している個体から選ぶ。
- 張地を確かめる場合
- 張り替えられている個体もある。当初のものかを確認する。
- 入手の時期を考える場合
- 合板の肘掛けの型は製造された期間が短い。
連結する機構
ボルトと螺子で複数を連結できる。2脚から3脚を連ねて長椅子として用いられる。
肘掛けは着脱できる。連結する際は中間の肘掛けを外す。
複数を揃える場合、張地と状態が揃うとは限らない。中古による入手にあたる。
連結の部材が揃っているかも確認する。欠けている場合、連結できない。
選び分けの目安
- 長椅子として用いる場合
- 複数を連結する。部材が揃っているかを確認する。
- 複数を揃える場合
- 張地と状態が揃うとは限らない。中古による入手にあたる。
- 単体で用いる場合
- 肘掛けを付けた状態で用いる。着脱できる。
2つの型式
肘掛けの仕様によって2つの型式に分かれる。
| 比較項目 | 標準の型 | もう1つの型 |
|---|---|---|
| 肘掛け | フォームに布を張る | 成形した合板 |
| 幅 | 770mm | 830mm |
| 奥行 | 750mm | 780mm |
| 流通 | 比較的多い | 製造された期間が短い |
合板の肘掛けでは木の面に腕を置くことになる。布を張った肘掛けとは感触が異なる。
幅と奥行も異なる。置き場所を確かめる。
選び分けの目安
- 肘掛けの感触で選ぶ場合
- 布を張る型と木の型がある。実物で確かめられるとよい。
- 置き場所を確かめる場合
- 幅と奥行が異なる。実物の寸法を確かめる。
- 入手のしやすさを考える場合
- 合板の肘掛けの型は流通する機会が限られる。
同種の椅子との比較
椅子は連結の可否と入手の条件で性格が分かれる。
| 比較項目 | G10 | 620 チェア・プログラム | ジン・テーブル |
|---|---|---|---|
| 入手 | 中古のみ | 注文できる | 中古のみ |
| 連結 | できる(2〜3脚) | できる(座席を追加する) | 該当しない |
| 肘掛け | 着脱できる | 持つ | 該当しない |
| 張り替え | 業者による作業 | カバーを自分で着脱できる | 業者による作業 |
| 部材の追加 | 中古で揃える | 買い足せる | 該当しない |
選び分けの目安
- 長椅子として用いる場合
- 連結できる。ただし中古で複数を揃えることになる。
- 後から買い足す場合
- 中古による。買い足せる製品とは条件が異なる。
- 張り替えを想定する場合
- 業者による作業になる。対応を確かめる。
使用感と設置条件
座面の構成
フォームに布を張る。内部に金属の板とばねを組み合わせた機構を備える。
薄い座面にあたる。経年でばねの弾力が変わる場合がある。
脚の配置
4本の脚を斜めに配する。前後を部材で連結する。
床に接する範囲が座面の外形より広い場合がある。置き場所を確かめる。
床との関係
床に接する箇所には樹脂の部材が付く。経年で摩耗する。
欠けている個体もある。床材への影響を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
布の張地は日光で色褪せる。摩擦で毛羽立つ。製作から年数を経た個体では進んでいる。
フォームは経年で硬化し、崩れる。座った際の沈み方が変わる。
内部のばねは弾力が変わる場合がある。金属の板も変形しうる。
黒く塗装した金属の枠は、塗装が剥がれると腐食が進む。
日常の手入れ
- 布の張地
- 埃を払う。強く擦らない。直射日光を避ける。
- 金属の枠
- 乾いた布で拭く。塗装の剥がれを確かめる。
- 合板の肘掛け
- 乾いた布で拭く。水分を残さない。
- 床に接する部材
- 摩耗と欠けを確かめる。床材への影響が変わる。
補修
張地の交換とフォームの補充は、張り替えの業者による作業になる。
内部の機構の補修についても、あわせて相談する。
どこで買うか
入手の経路
生産は終了しており、中古の市場でのみ流通する。20世紀の家具を扱う販売店と、競売による。
価格は型式、状態、張地によって幅がある。一定していない。
実物を確認する
内部の機構の状態は、上から押して確かめられる。沈み方で分かる。
肘掛けの感触も、型式によって異なる。実物で分かる。
中古で確かめる箇所
張地の色褪せと擦れ、フォームの沈み、内部の機構、枠の塗装と腐食、床に接する部材を確認する。
複数を連結する場合、連結の部材が揃っているかも確かめる。
購入前チェックリスト
- 生産が終了しており、中古でのみ入手できること
- 肘掛けの型式(布を張る/成形した合板)
- 実物の寸法(型式によって幅と奥行が異なる)
- 複数を連結する場合、部材が揃っているか
- 張地が当初のものか、張り替えられているか
- フォームの沈みと内部の機構の状態
- 枠の塗装と腐食
- 床に接する部材の摩耗と欠け
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- 生産は終了しており、価格は中古の市場で決まります。型式、状態、張地によって幅があり一定していません。
- どこで購入できますか?
- 生産は終了しており、中古の市場でのみ流通します。20世紀の家具を扱う販売店と、競売によります。
- 新品は買えますか?
- 買えません。生産は終了しており復刻もないため、中古でのみ入手できます。型式や張地を指定して注文することもできません。
- 複数つなげて使えますか?
- ボルトと螺子で連結でき、2脚から3脚を連ねて長椅子として用いられます。肘掛けは着脱でき、連結する際は中間の肘掛けを外します。連結の部材が揃っているかをご確認ください。
- 2つの型式の違いを教えてください。
- 肘掛けの仕様が異なります。標準の型はフォームに布を張り幅770×奥行750mm、もう1つの型は成形した合板で幅830×奥行780mmです。合板の肘掛けでは木の面に腕を置くことになります。
- どちらの型式が手に入りやすいですか?
- 合板の肘掛けによる型は製造された期間が短く、流通する機会が限られます。
- 中古で何を確かめればよいですか?
- 張地の色褪せと擦れ、フォームの沈み、内部の機構、枠の塗装と腐食、床に接する部材をご確認ください。上から押すと内部の状態が沈み方で分かります。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 布の張地は埃を払い、強く擦らず直射日光を避けてください。金属の枠は乾いた布で拭き、塗装の剥がれをお確かめください。床に接する樹脂の部材は摩耗と欠けもご確認ください。