概要

ピエール・ガリッシュ(1926-1995)は、フランスの家具・照明デザイナーである。第二次世界大戦後の住宅不足のもとで、量産できる家具の設計に取り組んだ。細い金属の骨組みに座面を載せる構成をとり、部材を減らして価格を抑える。1954年にアントワーヌ・フィリポン、ジャクリーヌ・ルコックと事務所を設立した。

バイオグラフィー

1926年3月13日、パリに生まれた。パリの国立高等装飾美術学校で学び、1949年に修了している。

1951年から家具の設計を始めた。当時のフランスは住宅不足のもとにあり、限られた面積と予算で使える家具が求められていた。

1954年、アントワーヌ・フィリポンとジャクリーヌ・ルコックとともに設計事務所ARP(Atelier de Recherches Plastiques)を設立した。1957年まで続いている。

1957年以降は単独で活動し、ステイナー、メゾン・ドイツ、ディズデルフなどのために家具と照明を設計した。1995年に没している。

デザインの思想と方法

戦後のフランスでは、住宅の面積も予算も限られていた。ガリッシュが取り組んだのは、この条件で成立する家具である。部材を減らし、細い断面で強度を確保すれば、価格も重量も下がる。

金属線で骨組みをつくる

細い金属の棒や管を曲げて脚と枠を構成する。断面が小さいため軽く、部屋での占有感も減る。溶接で接合すれば部品の数も少なくて済む。

座面を載せるだけにする

骨組みに成形合板または詰め物の座面を載せる。骨組みと座面を別に作ることで、それぞれの工程を単純にできる。座面だけ張り替えることも可能になる。

照明を同じ方法で扱う

照明でも細い金属の腕に笠を取り付ける構成をとる。家具と同じ材料と加工で作れるため、工場の設備を共有できる。

共同で事務所を運営する

1954年から1957年まで、フィリポンとルコックとともにARPを運営した。3名での共同設計にあたり、この期間の作品は事務所名で発表されている。

代表作にみる方法

G10 アームチェア(1950年代、エアボーン)

細い金属の骨組みに詰め物の座面と背を載せた椅子である。骨組みと座面を別に作ることで、それぞれの工程が単純になる。部材が少なく、軽い。→G10 アームチェア

トノー チェア(1954年、ステイナー)

成形合板の座面を金属の脚に載せた椅子である。座面と背が一続きの面で、接合部を持たない。

ARPの家具(1954-57年)

アントワーヌ・フィリポン、ジャクリーヌ・ルコックとの共同設計による。住宅向けの家具を体系として設計し、事務所名で発表された。

照明の系列

細い金属の腕に笠を取り付ける構成の照明である。壁付け、床置き、卓上の各型が用意された。家具と同じ材料と加工で作れる。

内装の設計(1960-70年代)

集合住宅とスキーリゾートの内装を手がけた。家具を含めて空間を構成する仕事にあたる。

評価と影響

ガリッシュは一般に、戦後フランスの量産家具を担った設計者の一人と評価されている。限られた面積と予算という条件から構成を決める進め方が特徴にあたる。

1954年から1957年まで、フィリポンとルコックとともにARPを運営した。3名での共同設計の期間にあたる。

生前の評価は限られていたが、2000年代以降に中古市場での評価が高まった。複数のメーカーが再生産を行っている。

収蔵

4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。フランス国内の館については照合手段がない。

作品一覧

区分 作品名 ブランド
1950年代 椅子 G10 アームチェア Airborne
1954年 椅子 トノー チェア Steiner
1954-57年 家具 ARPの家具(フィリポン、ルコックと共同) Airborne ほか
1950-70年代 照明 壁付け・床置き・卓上の照明 Disderot ほか
1960-70年代 内装 集合住宅・スキーリゾートの内装 フランス各地

プロフィール

生没年 1926年3月13日〜1995年
出身地 フランス・パリ
国籍 フランス
活動拠点 パリ
分野 家具、照明、インテリア
主な協働ブランド Airborne、Steiner、Disderot

Reference

Disderot
https://www.disderot.com/en/
Musée des Arts Décoratifs, Paris
https://madparis.fr/en