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ナガサキチェアは、マチュー・マテゴーが1954年に設計した椅子である。穴を開けた金属の板を曲げて座面と背もたれをつくり、3本の脚で支える。現在はGUBIが製造している。

このページでは、正規品の仕様、3本脚という構成が置き場所に及ぼす条件、同種の椅子との比較、座り方と手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ナガサキチェアは、1954年にマチュー・マテゴーがデザインし、当時はパリとカサブランカに構えた自身の工房「ソシエテ・マテゴー」にて限定生産されていた。2000年代以降、デンマークのGUBI社がマテゴーの遺産を正式に継承し、現行の復刻版を製造している。以下にGUBI製正規品の詳細を記す。

正式名称 Nagasaki Dining Chair(ナガサキ ダイニングチェア)
サイズ 幅580 × 奥行540 × 高さ740mm(販売店により幅500mm、または幅約579×奥行約541mmと表記される場合がある)
座面高 450mm(販売店により470mmと表記される場合がある)
重量 約5.4kg
素材 粉体塗装のスチール。穴を開けた板と管を組み合わせる(リジチュール)
カラー ソフトブラック セミマット
脚数 3本脚
スタッキング 不可
参考価格帯(税込目安) GUBIは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。輸入品のため為替の影響も受ける
製品保証 2年(正規品の場合)
収蔵美術館 ヴィトラ・デザイン・ミュージアム(GUBI公式による)。当サイトの照合対象4館では確認できていない

リジチュール技法について

ナガサキチェアの核心をなすのが、マテゴーが1952年に特許を取得した「リジチュール(Rigitulle)」と呼ばれる穿孔シートメタル技法である。金属パイプと穿孔シートメタルを組み合わせたこの独自技術は、金属板に規則的な穴を穿つことで、布地のように曲げ、折り、成形することを可能にした。穿孔パターンが光を透過させ、金属でありながら透明感と軽やかさを実現するこの技法は、マテゴーの全作品を貫く造形言語となっている。GUBI製の復刻版においても、このリジチュール技法は忠実に再現されている。

GUBIによるマテゴーコレクション

GUBIは「忘れられた過去の宝物」を発掘・再編集するというブランドコンセプトのもと、マテゴーのデザイン遺産を包括的に復刻している。ナガサキチェアに加えて、ナガサキ バースツール(4本脚の穿孔メタルスツール)、コパカバーナチェア&テーブル、デダル シェルフ、カンガルー テーブル、マテゴー コートラック、デーモン シェルフシステムなど、マテゴーの代表作をコレクションとして展開している。これらを組み合わせることで、マテゴーのデザイン世界を統一的に体験できる。

類似商品・競合との比較

脚の数と、身体を受ける面のつくり方で性格が分かれる。3本脚は床の不陸に強い一方で、傾く方向が生じる。

比較項目 ナガサキチェア ベルトイア サイドチェア トリックスAチェア
脚の数 3本 4本 4本
面のつくり方 穴を開けた板を曲げる ワイヤーを格子に組む 板を絞って成形する
面の隙間 穴が均一に開く 格子のあいだが開く 排水の穴のみ
重ねられるか 不可 不可
屋外での使用 屋内向け 屋外向けの仕様がある 屋外に対応
重量 約5.4kg 製品による 約4kg

選び分けの目安

床が平らでない場所に置く場合
3本脚は3点で接するため、床に不陸があってもがたつかない。4本脚では脚の1本が浮くことがある。
使わないときに片付ける場合
ナガサキチェアは重ねられない。台数を並べて使い、片付ける前提であれば重ねられる椅子が該当する。
屋外に置く場合
この椅子は屋内向けである。粉体塗装のスチールだが、雨に濡れる場所での使用は想定されていない。

使用感と設置条件

3本脚の性質

3点で床に接するため、面が定まる。床にわずかな不陸があってもがたつかない。4本脚では4点が同一平面になければ1本が浮く。

そのかわり、脚のない方向へは傾きやすい。後ろ2本・前1本の配置では、真横へ体重をかけたときの安定が4本脚より低い。座ったまま大きく身体をひねる場面では、この差が出る。

座り方

座面高450mm。詰め物を持たず、曲げた金属の板が身体を受ける。板は座面と背もたれで湾曲しており、平らな板より接触する面積が広い。

穴が均一に開いているため通気がある。金属は熱伝導率が高く、座った瞬間は冷たさを感じる。長時間座る場合はクッションを載せることになる。

設置に要する寸法

幅580×奥行540mm。脚が3本のため、床に接する範囲は座面の投影より狭い。テーブルの下に収める場合、脚の位置がテーブルの脚と干渉しないかを確認する。

重量は約5.4kgと軽く、片手で持ち上げて位置を変えられる。重ねることはできないため、複数台を使う場合は置いたままの状態で場所を確保する。

経年変化とメンテナンス

素材に起きること

粉体塗装は樹脂の粉を吹き付けて焼き付ける方法で、塗膜が厚い。液体の塗料を塗る方法より傷に強いが、硬いものが当たって剥がれると下地の金属が露出する。露出した箇所からは錆が進む。

穴の縁は塗膜が薄くなりやすい。多数の穴があるため、擦れの起きる箇所も多くなる。

日常の手入れ

ふだん
乾いた柔らかい布で拭く。穴に埃が溜まるため、掃除機のブラシ付きノズルで吸う。
汚れ
薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き、水気を残さない。研磨剤を含むものは塗膜を削る。
置き場所
屋内向けのため、湿気の多い場所は避ける。塗膜が剥がれた箇所があれば、そこから錆が進む。

脚裏の保護

3本脚のため、1点あたりにかかる荷重が4本脚より大きい。柔らかい床材では跡が残りやすい。脚裏の保護材の状態を定期的に確かめる。

どこで買うか

取扱店の調べ方

GUBIは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

納期は在庫の状況によって変わる。取扱店に確認する。

実物を確認する

3本脚の安定の具合と、金属の板が身体に当たる感触は、座ってみないと分からない。とくに座ったまま身体をひねる場面での傾き方は、体格によって感じ方が変わる。展示の有無を取扱店へ確認するとよい。

中古の流通

1950年代のマテゴー自身の工房による個体と、GUBIによる現行品が流通している。相場は年式と状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、塗膜の剥がれと錆、穴の縁の状態、脚の付け根の溶接部、座面と脚をつなぐ金具である。当時の個体は塗装が異なり、経年で表面が変質していることがある。

購入前チェックリスト

  • 3本脚であること(床の不陸に強いが、脚のない方向へ傾きやすい)
  • 設置場所の寸法(幅580×奥行540mm。テーブルの脚との干渉)
  • 重ねられないこと(複数台を置いたまま収める場所が要る)
  • 屋内向けであること(湿気の多い場所は避ける)
  • 詰め物を持たないこと(長時間座る場合はクッションを併用)
  • 床材(3点で荷重を受けるため跡が残りやすい)
  • 中古の場合、塗膜の剥がれと溶接部の状態

よくある質問

価格はどのくらいですか?
GUBIは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
GUBIの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
3本脚は安定しますか?
3点で床に接するため面が定まり、床にわずかな不陸があってもがたつきません。ただし脚のない方向へは傾きやすくなります。後ろ2本・前1本の配置のため、座ったまま大きく身体をひねる場面では4本脚より安定が低くなります。
座り心地はどうですか?
座面高450mmで、詰め物は持ちません。曲げた金属の板が身体を受けます。板は座面と背もたれで湾曲しており、平らな板より接触する面積が広くなっています。穴が均一に開いているため通気がありますが、金属は熱伝導率が高く座った瞬間は冷たさを感じます。長時間座る場合はクッションを載せることになります。
重ねて収納できますか?
できません。複数台を使う場合は、置いたままの状態で場所を確保してください。重量は約5.4kgと軽く、片手で持ち上げて位置を変えられます。
屋外で使えますか?
屋内向けです。粉体塗装のスチールですが、雨に濡れる場所での使用は想定されていません。塗膜が剥がれた箇所があると、そこから錆が進みます。
手入れはどうすればよいですか?
乾いた柔らかい布で拭きます。穴に埃が溜まるため、掃除機のブラシ付きノズルで吸ってください。汚れは薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き、水気を残さないでください。研磨剤を含むものは塗膜を削ります。
床に跡が残りませんか?
3本脚のため、1点あたりにかかる荷重が4本脚より大きくなります。柔らかい床材では跡が残りやすいため、脚裏の保護材の状態を定期的にお確かめください。