GUBI(グビ)

GUBI(グビ)は、1967年にデンマーク・コペンハーゲンで創業したデザインハウスです。グビ・オールセンとリズベス・オールセン夫妻が小さな家具店として始め、2001年に息子のヤコブ・グビが二代目として事業を引き継ぎました。ヤコブ・グビは、20世紀に各国で生み出されながら市場から姿を消していた名作を発掘・復刻すると同時に、現代のデザイナーとの協働による新作を手がけ、GUBIを国際的なデザインブランドへと発展させました。

ブランドの特徴とコンセプト

GUBIの軸にあるのは、過去のデザインの再発見と未来の定番づくりを両立させる姿勢です。1930年代から1970年代にかけてデザインされ、その後生産が途絶えていたプロダクトを当時の図面や資料に基づいて復刻する一方で、ガムフラテージやスペース・コペンハーゲンといったデザイナーを起用し、新作の開発を続けています。

デザインの年代、素材、色彩、パターンを横断的に組み合わせる折衷的なスタイルは、GUBIのコレクション全体に共通する特徴です。南欧の温かみと北欧の端正さを併せ持つ製品は、家庭からホテル・レストランなどの商業空間まで幅広く用いられています。

GUBIの出発点となった二つのデザイン

ヤコブ・グビは、ブランドの方向性を定めた起点として二つのデザインを挙げています。一つは1930年にロバート・ダドリー・ベストが手がけ、1994年にGUBIコレクション初のアーカイブ作品として加わったベストライト。もう一つは、2003年にコンプロット・デザイン(ボリス・ベルリンとポール・クリスチャンセン)が設計したGUBIチェアです。GUBIチェアは三次元成形ベニヤを用いた世界初の量産チェアとされ、2003年の100%デザイン/ブループリント・アワードのベストプロダクトをはじめ複数の賞を受けました。この技術と評価が、GUBIが国際的に知られる契機となりました。

ブランドヒストリー

1967年、グビ・オールセンとリズベス・オールセン夫妻は、コペンハーゲンの小さな家具店としてGUBIを創業しました。当初から家具とテキスタイルのデザイン・開発に取り組み、長年にわたり自社コレクションを発表してきました。

2001年に経営を引き継いだヤコブ・グビは、世界各地のアーカイブやデザイナーの遺族と協働して過去の名作を復刻するとともに、新進のデザイナーとの新作開発を進めました。今日のGUBIはコペンハーゲンを拠点に、家具・照明・インテリアアクセサリーを各国のショールームや正規販売網を通じて展開しています。

主要なデザイナー

GamFratesi(ガムフラテージ)

デンマーク人のスティーネ・ガムとイタリア人のエンリコ・フラテージによるデザインデュオ。デンマークの機能主義とイタリアの造形感覚を組み合わせた作風で知られます。GUBIとは長年にわたり協働し、2013年発表のビートルチェアをはじめ、マスキュロコレクションやカイトアームチェアなどを手がけています。

Space Copenhagen(スペース・コペンハーゲン)

2005年にシグネ・ビンスレウ・ヘンリクセンとペーター・ブンゴー・ルツォウが設立したデザインスタジオ。家具・照明から住宅・ホテル・レストランのインテリアまで幅広く手がけます。GUBIではステイコレクションやムーンテーブル、グラヴィティ照明シリーズなどを担当しています。

復刻を手がけた20世紀のデザイナーたち

GUBIは過去のデザイナーの作品を正規に復刻しています。1930年にベストライトを設計したロバート・ダドリー・ベスト、1972年にマルチライトを設計したルイス・ワイスドルフ、グラスホッパーランプ(1947年)やコブラランプを生んだスウェーデン出身の建築家グレタ・M・グロスマン、1968年にセミペンダントを共同設計したクラウス・ボンデラップとトーステン・ソーラップ、パシャラウンジチェア(1975年)のピエール・ポーラン、円形ミラーで知られるジャック・アドネなどが含まれます。

代表作品とその特徴

Beetle Chair(ビートルチェア)

GamFratesiが2013年に発表したチェアで、GUBIを代表するロングセラーのひとつです。甲虫(ビートル)の形状や、硬い外殻と柔らかな内側といった構造から着想を得ており、体を包み込む曲線と座り心地を両立させています。張地の有無や豊富なカラー、脚部の組み合わせを選べるほか、ダイニング用のほか、座面の高い「バーチェア」やキャスター付きの「ミーティングチェア」など、用途に応じたバリエーションが展開されています。2022年には3Dベニヤによる木製シェル版も加わりました。

Semi Pendant(セミペンダント)

建築家のクラウス・ボンデラップとトーステン・ソーラップが1968年に設計したペンダントライト。当時デンマークで主流だった柔らかな有機的フォルムへの反動として、二つの四分円を組み合わせたアーチ状の幾何学的なシェードを生み出しました。下方向に広がる円錐状の光は、ダイニングテーブルやキッチンの作業面の照明に向いています。デンマーク王立芸術アカデミー建築学科のコンペで一等を獲得し、1980年代にはデンマークで最も売れた照明デザインのひとつとなりました。

Multi-Lite(マルチライト)

ルイス・ワイスドルフが1972年に設計したペンダントライト。二つの円筒形を基礎とし、それを取り囲む金属リングが二つの四半球状の可動シェードを支える構造です。シェードをそれぞれ回転させることで、光を上向き・下向き、あるいは非対称に振り分けることができ、複数の表情をつくり出せます。

Pacha Lounge Chair(パシャラウンジチェア)

ピエール・ポーランが1975年に設計し、GUBIが復刻したラウンジチェア。クッション性のある有機的なフォルムが1970年代らしい寛ぎを伝えます。アームレストの有無を選べ、リビングのくつろぎの一脚として用いられています。

Grasshopper Lamp(グラスホッパーランプ)

グレタ・M・グロスマンが1947年に設計したフロア/テーブルランプ。傾いた円錐形のシェードと細い三脚を持ち、読書コーナーなどに向いた指向性のある光を落とします。

Bestlite(ベストライト)

ロバート・ダドリー・ベストが1930年に設計した照明シリーズ。バウハウスの影響を受けたスワンネック状のアームとベル型シェードを持ち、アームとシェードの角度を調整できる機能性が特徴です。ウィンストン・チャーチルが自身の机に採用したことでも知られます。ベストライトはヴィクトリア&アルバート博物館およびロンドンのデザインミュージアムの永久コレクションに収蔵されています。

基本情報

ブランド名 GUBI(グビ)
設立年 1967年
創業者 Gubi Olsen(グビ・オールセン)、Lisbeth Olsen(リズベス・オールセン)
現代表 Jakob Gubi(ヤコブ・グビ)― オーナー兼クリエイティブディレクター
本社所在地 デンマーク・コペンハーゲン
事業内容 家具、照明、インテリアアクセサリーのデザイン・製造・販売
公式サイト https://gubi.com