概要

ペドレラ コーヒーテーブルは、フランシスコ・フアン・バルバ・コルシーニが1955年に設計したローテーブルである。アントニ・ガウディによるカサ・ミラの屋根裏を住戸へ改装する仕事に合わせて設計された。細いスチールの脚とガラスの天板で構成される。現在の製造元GUBIは、設計者をコルシーニとホアキン・ルイス・ミレットの連名「Corsini & Ruiz Millet」と表記している。

特徴・コンセプト

V字の脚を連ねる

脚は細い鋼材をV字に曲げたものを連ねて構成される。細い線材は一本では倒れやすいが、V字に折れば接地点が二つに分かれ、横からの力に抵抗できる。これを繰り返し並べることで、細さを保ったまま天板を支えられる。

ガラスの天板は透明なので、下にある脚の連なりがそのまま見える。構造がそのまま見た目を決めている。

天板の輪郭

天板は正円でも楕円でもなく、曲線が連なる不定形の輪郭を持つ。カサ・ミラの屋根裏は、連続するアーチが波打つ天井をつくっている。その断面の繰り返しが、天板の輪郭と脚の並びの両方に対応している。

仕上げ

フレームの仕上げはセミマットブラック、真鍮、クロームの3種類。天板は透明なガラスのほか、表面に凹凸のあるストラクチャードガラス(透明・スモーク・ブロンズ)の仕様がある。

エピソード

カサ・ミラは1906年から1912年にかけて建てられ、石を積んだ外観から「ラ・ペドレラ(石切り場)」と呼ばれてきた。1953年から1955年にかけて、バルバ・コルシーニはその屋根裏を13戸の賃貸住戸へ改装する仕事を担当し、あわせて家具と照明の一群を設計した。このテーブルはその中核にあたる。

後年の修復でカサ・ミラは当初の姿へ戻され、改装時の家具の多くは失われた。1991年の修復の際、ホアキン・ルイス・ミレットは廃棄されかけていたフロアランプPD2を見いだし、コルシーニと協働して当初の設計を再び製品化する取り組みを始めた。

評価と影響

建築の断面を家具の構造へ移すという方向をとる。同じGUBIが復刻を手がけるパーヴォ・ティネル 9602 フロアランプと同様、一度生産が途絶えた設計が資料にもとづいて再開された例にあたる。

基本情報

名称 ペドレラ コーヒーテーブル / Pedrera Coffee Table
デザイナー フランシスコ・フアン・バルバ・コルシーニ(Francisco Juan Barba Corsini)。GUBIの表記はホアキン・ルイス・ミレットとの連名「Corsini & Ruiz Millet」
ブランド GUBI
発表年 1955年
分類 コーヒーテーブル/ローテーブル
主要素材 天板:ガラス/フレーム:スチール
構造 V字に曲げた細い鋼材を連ねて天板を支える
仕上げ セミマットブラック、真鍮、クローム
設計の背景 カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)屋根裏の住戸改装のための家具

Reference