概要
マチュー・マテゴー(1910-2001)は、ハンガリー出身でフランスで活動したデザイナー・美術家である。穿孔した金属板を曲げ、折って用いる「リジチュール(Rigitulle)」の技法を特許として持ち、1950年代に家具、照明、日用品を自身の工房で製作した。1960年代初めに家具の仕事を離れ、タペストリーの制作に専念した。
バイオグラフィー
1910年4月4日、ハンガリーのブダペスト近郊、タピオシュイ(Tápiósüly)に生まれた。ブダペストで美術と建築を学び、イタリアとアメリカを旅したのち、1931年にフランスに移り住んだ。パリでは舞台装置、百貨店のウィンドウ装飾、服飾の仕事に携わり、1930年代末にはタペストリーも手がけている。
1939年にフランス軍に志願して捕虜となり、1944年まで機械部品を製造するドイツの工場で働かされた。ここで金属板の加工技術とその可能性を知ったことが、のちの家具の仕事につながっている。
戦後はパリとカサブランカに工房を構え、穿孔した金属板と鋼管を用いた家具と日用品を製作した。1959年に会社を共同経営者に譲り、1960年代初めにはタペストリーに専念する。ナンシーの美術学校で教えた。2001年に没した。
デザインの思想と方法
マテゴーの家具の中心にあるのは、薄い金属板を穿孔し、曲げ、折って使う方法である。彼はこれを自ら特許とし、自身の工房で製作した。
金属板を布のように扱う
リジチュールは、穿孔した金属板を曲げたり折ったりして成形する技法である。板を蛇腹状に折ることで強度を高め、孔によって面が透ける。
鋼管の枠と穿孔板を組み合わせる
椅子では、曲げた鋼管の枠に穿孔した金属板の座と背を組み合わせる。三本脚のナガサキ チェアや、連続した線で座と背を囲むコパカバーナ ラウンジチェアがこの構成をとる。
代表作にみる方法
ナガサキ チェア(1954年)
鋼管と穿孔した金属板でつくった三本脚の椅子である。→ナガサキチェア
デダル シェルフ(1955年)
リジチュールの板でつくった棚である。複数の段で構成されることが多く、いくつかを並べると幾何学的な模様をつくる。→デダル シェルフ
評価と影響
マテゴーは一般に、1950年代のフランスを代表するデザイナーの一人と評価されている。鋼管と穿孔した金属板の組み合わせは、彼の家具を特徴づける素材として知られる。現在はグビ(GUBI)が複数の製品を再製作している。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。
作品一覧
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1954年 | 椅子 | ナガサキチェア | Gubi(再製作) |
| 1954年 | 照明 | バグダッド ランプ | Gubi(再製作) |
| 1955年 | 書架 | デダル シェルフ | Gubi(再製作) |
| 1955年 | 椅子 | コパカバーナ ラウンジチェア | Gubi(再製作) |
プロフィール
| 生没年 | 1910年4月4日〜2001年 |
|---|---|
| 出身地 | ハンガリー・タピオシュイ |
| 国籍 | ハンガリー(のちフランス) |
| 活動拠点 | パリ |
| 分野 | 家具、照明、タペストリー |
| 主な協働ブランド | Gubi(再製作) |
Reference
- Mathieu Matégot | GUBI
- https://gubi.com/en/int/inspiration/designers/mathieu-mategot
- Dédal Shelf | GUBI
- https://gubi.com/en/int/products/dedal-shelf
- Copacabana Lounge Chair | GUBI
- https://gubi.com/en/int/products/copacabana-lounge-chair
- Bagdad Portable Lamp | GUBI
- https://gubi.com/en/int/products/bagdad-portable-lamp
- MATÉGOT MATHIEU (1910-2001) | Encyclopædia Universalis
- https://www.universalis.fr/encyclopedie/mathieu-mategot/