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ファベーラは、カンパーナ兄弟が設計しエドラが製造するアームチェアである。多数の木片を手作業で釘打ちして積み上げる。内部にフレームを持たず、木片の積層だけで形を保つ。

このページでは、正規品の仕様と選べる樹種、手作業ゆえの個体差、座り方と設置の条件、経年変化と手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ファベーラチェアは、1987年にイタリア・トスカーナで設立された家具ブランド、エドラ(Edra S.p.A.)が製造する正規品のみが流通している。職人が一脚一脚手作業で制作するため、寸法や重量には個体差が生じる。以下に記す数値は標準的な目安である。

正式名称 ファベーラ(Favela)
製造ブランド Edra(エドラ)S.p.A./イタリア・トスカーナ
分類 ラウンジチェア/アームチェア
サイズ(目安) 幅670mm × 奥行620mm × 高さ740mm(メーカー公表値)
座面高(目安) 400mm(メーカー公表値)
素材(室内用) パイン材の細い板。手作業で釘打ちして積層する
素材(屋外用) チーク材。屋外でも使える
内部構造 内部フレームなし(木片の積層構造のみで自立)
製作方法 職人による完全手作業(一脚あたり約一週間)
仕上げ ナチュラル(無塗装)
個体差 あり(木片の配置がすべて異なり、各椅子の表情が異なる)
参考価格帯(税込目安) エドラは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。樹種で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける
保証 エドラ社正規品保証
収蔵美術館 Met ファベーラチェア(1991年) 収蔵番号 2013.579

制作工程の特異性

ファベーラチェアの最大の特徴は、内部フレームを一切持たない構造にある。数百枚の木片を職人が一枚一枚手作業で釘打ちし、接着剤で固定していくことで、椅子としての構造強度が生み出される。木片は意図的にランダムな角度と配置で組み上げられるため、パズルのような複雑な幾何学模様が生まれ、各椅子に固有の表情を与えている。この制作方法はエドラ社のトスカーナ工場において、ウンベルト・カンパナ自身が職人に伝授した技術に基づいている。一見すると素朴で即興的に見える構造であるが、実際には高度な手仕事の技術と約一週間の緻密な作業によって完成される。

類似商品・競合との比較

既存の素材をそのまま積み上げたり編んだりして椅子を成立させる方式は、いくつかの製品に見られる。個体差の出方と扱いやすさが分かれ目になる。

比較項目 ファベーラ ノッテッドチェア コノイドチェア
成立のしかた 木片を釘打ちして積層する 繊維を結んで樹脂で固める 一枚板と細い棒を組む
内部フレーム なし なし なし(部材そのものが構造)
個体差 木片の配置がすべて異なる 結び目の締まり方が異なる 板の木目と節が異なる
表面 木片の端部と釘が露出する 樹脂で固めた繊維が露出する 研磨した木の面
詰め物 なし なし なし(座面に彫り込み)
屋外での使用 チーク材の仕様で可能 公表なし 想定されていない

選び分けの目安

長時間座る場合
いずれも詰め物を持たない。ファベーラは木片の端部が座面に現れるため、クッションを別に用意することが多い。
屋外に置く場合
ファベーラにはチーク材の仕様がある。雨に濡れる場所では、水が抜ける構造かどうかも条件になる。
同じものを複数揃えたい場合
いずれも個体差が出る。ファベーラは木片の配置が一脚ごとに異なり、並べたときに揃わない。

使用感と設置条件

座り方

座面高400mm。詰め物を持たず、木片の端部が座面に現れる。木片は平滑に揃えられているが、面としては硬い。長時間の使用ではクッションを載せることになる。

背もたれと肘掛けも同じ積層でできており、腕を置く面に木片の縁が来る。座る姿勢によって当たる箇所が変わる。

設置に要する寸法

幅670×奥行620×高さ740mm。木片が外側へ突き出すため、実際に占める範囲は寸法より広く感じられる。壁に寄せると木片の端が当たるので、数十mmの隙間を空けておく。

脚の底には保護材が付く。木片の積層のため接地面は不整形で、柔らかい床材では跡が残ることがある。

個体差

木片の配置は一脚ごとに異なる。写真と実物で見え方が変わるため、複数を並べる場合は揃わないことを前提にする。

製作には一脚あたり一週間程度を要する。受注生産のため、注文から納品まで期間がかかる。

経年変化とメンテナンス

樹種ごとに起きること

無塗装のため、木は空気に触れて色が変わる。パイン材は黄みを帯びた色から濃くなる。チーク材は屋外では灰色に近づく。いずれも一様ではなく、日の当たる面から先に進む。

木片は個別に釘で留めてある。乾湿の変化で木が伸縮すると、釘の周りが緩むことがある。緩みが出た箇所は打ち直しになる。

日常の手入れ

ふだん
木片の隙間に埃が溜まる。柔らかいブラシで掻き出すか、掃除機のノズルで吸う。
汚れ
無塗装のため、液体をこぼすと染み込む。すぐに乾いた布で吸い取る。水拭きは木を膨らませるため避ける。
屋外に置く場合
チーク材の仕様でも、雨のあとは水が抜けたか確かめる。木片が重なる箇所に水が留まると、そこから傷む。

修理

釘の緩みや木片の欠けは、正規取扱店を通じてメーカーに相談する。手作業で組んだ製品のため、修理も同じ手順による。

どこで買うか

取扱店の調べ方

エドラは、正規取扱店のみが製品の真正性と販売後の対応を保証できるとしている。公式サイトで取扱店を確認できる。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。

注文の際に決めるのは樹種である。室内用のパイン材と、屋外でも使えるチーク材から選ぶ。

実物を確認する

木片の配置が個体ごとに異なるため、展示品と納品される個体は同じにならない。確認できるのは、座面の硬さ、木片の端部が身体に当たる感触、実際に占める範囲である。

中古の流通

相場は年式と状態で幅があり、一定していない。無塗装のため、経年による色の変化は個体ごとに異なる。

確認箇所は、釘の緩みと浮き、木片の欠けと割れ、隙間に溜まった汚れ、屋外で使われた個体では水が留まった箇所の傷みである。

購入前チェックリスト

  • 樹種の選択(室内用のパイン材/屋外でも使えるチーク材)
  • 設置場所の寸法(幅670×奥行620mm。木片が外側へ突き出す)
  • 壁に寄せる場合、木片の端が当たらない隙間があるか
  • 床材(接地面が不整形。柔らかい床では跡が残ることがある)
  • 長時間座る場合、クッションを併用するか
  • 個体差があること(複数並べても揃わない)
  • 納期(受注生産。製作に一脚あたり一週間程度)

よくある質問

正規品の価格はどのくらいですか?
エドラは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。樹種で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
エドラは、正規取扱店のみが製品の真正性と販売後の対応を保証できるとしています。公式サイトで取扱店をご確認ください。
座り心地はどうですか?
座面高400mmで、詰め物を持ちません。木片の端部が座面に現れ、面としては硬くなります。長時間座る場合はクッションを載せることになります。背もたれと肘掛けも同じ積層でできており、腕を置く面に木片の縁が来ます。
屋外で使えますか?
チーク材の仕様であれば屋外でも使えます。ただし木片が重なる箇所に水が留まるとそこから傷むため、雨のあとは水が抜けたかご確認ください。室内用はパイン材です。
同じものが届きますか?
木片の配置は一脚ごとに異なります。展示品や写真と納品される個体は同じになりません。複数を並べる場合も揃わないことを前提にしてください。
納期はどのくらいですか?
受注生産で、製作に一脚あたり一週間程度を要します。注文から納品までの期間は取扱店にご確認ください。
手入れはどうすればよいですか?
木片の隙間に埃が溜まるため、柔らかいブラシで掻き出すか掃除機のノズルで吸います。無塗装のため液体をこぼすと染み込みます。すぐに乾いた布で吸い取ってください。水拭きは木を膨らませるため避けてください。
他に検討すべき製品はありますか?
内部にフレームを持たず素材そのもので構造をつくる方式では、繊維を結んで樹脂で固めるノッテッドチェアがあります。一枚板と細い棒を組むコノイドチェアも、部材そのものが構造を担う点で共通します。いずれも詰め物を持ちません。