ウンベルト・カンパーナ:ブラジルデザインの革新者
ウンベルト・カンパーナ(1953-)は、弟フェルナンド・カンパーナ(1961-2022)と共に「カンパーナ・ブラザーズ」として知られるブラジルの家具デザイナーである。廃材やリサイクル素材を用いた破壊的なデザインアプローチにより、現代デザイン界に革命をもたらし、ブラジルデザインの国際的地位を確立した。40年以上にわたるキャリアを通じて、彼らは家具デザインの境界を押し広げ、工芸技術と工業生産を融合させた独自の視覚言語を創造してきた。
バイオグラフィー:保守的な環境からの創造的脱却
ウンベルト・カンパーナは1953年、サンパウロ州リオ・クラロに生まれた。農業技師の父と小学校教師の母という中産階級の家庭で育ち、弟フェルナンドと共にブロタスという小さな田園都市で幼少期を過ごした。両親は軍事独裁政権下のブラジルにおいても、子どもたちに映画や読書を通じて文化的刺激を与えることに尽力した。幼い頃からオスカー・ニーマイヤーの建築に魅了されたものの、二人は当初より安全な職業を選択する。ウンベルトはサンパウロ大学で法学を修め1977年に卒業したが、弁護士としての道を歩むことはなかった。
卒業後、ウンベルトはバイア州の小さな町イタブーナに移り住み、手工芸の研究を始めた。この時期、彼は貝殻を使った鏡の額縁を制作するなど、手作業による創造活動に没頭した。1970年代末にサンパウロに戻ると、彫刻、ジュエリー制作、テラコッタなど、様々な工芸技術を学ぶための講座に通い、自己のアイデンティティを模索した。1980年代初頭、ウンベルトは友人のために家具をデザインし始め、サンパウロに小さなスタジオを設立した。
一方、フェルナンドは1961年にブロタスで生まれ、建築を学んだ。1983年、フェルナンドは兄のスタジオの事務作業を手伝うために合流したが、同年のサンパウロ・ビエンナーレでインターンシップを経験し、キース・ヘリング、アニッシュ・カプーア、ジャン=ミシェル・バスキアといったアーティストに触れたことで、自らもデザインに参画することを決意する。こうして1983年から1984年にかけて、エスチュージオ・カンパーナが正式に設立され、兄弟の創造的パートナーシップが始まった。
初期の転機となったのは1989年、サンパウロのヌクレオン8ギャラリーで開催した初の個展「デスコンフォルターヴェイス(不快な椅子)」である。鉄製の椅子コレクションは、不快さと苦悩の本質について問いかける作品群で、批評家から革新的精神を高く評価されたものの、商業的成功には至らなかった。しかし1991年、建築雑誌『ドムス』がブラジルのデザインデュオを称賛する記事を掲載したことで、ヨーロッパの複数のデザイン企業が注目し始めた。特にイタリアの家具メーカー、エドラ社との協働は1991年に始まり、彼らの代表作の多くが生み出されることとなる。
1998年は彼らにとって決定的な年となった。ニューヨーク近代美術館(MoMA)で、ドイツの照明デザイナー、インゴ・マウラーと共に「プロジェクト66」展に参加し、ブラジル人デザイナーとして初めてMoMAで作品を展示した。この展覧会は国際的な評価を決定づけ、ヴェルメーリャチェアをはじめとする複数の作品がMoMAの永久コレクションに収蔵された。以降、彼らの活動領域は家具デザインから建築、ランドスケープ、舞台美術、ファッションへと拡大していった。
2009年には、作品の保存と未来世代への継承、そして社会変革のツールとしてデザインを推進するための文化的・教育的プログラムを展開するインスティチュート・カンパーナを設立した。同財団は、ブラジルの貧困地域の職人コミュニティと協働し、手工芸を通じた社会的包摂を実践している。2022年11月16日、弟フェルナンドが61歳で突然この世を去ったことは、ウンベルトにとって深い悲しみとなったが、彼は兄弟が共に描いた未来の計画を継続することを決意した。2024年6月には、アート、科学、教育を結びつける屋外施設「パルケ・カンパーナ」の部分開業を実現するなど、ウンベルトは兄弟の遺産を守りながら新たな活動を展開し続けている。
デザインの思想とアプローチ:「ガンビアーラ」の美学
カンパーナ・ブラザーズのデザイン哲学の核心は、ブラジル特有の「ガンビアーラ」という概念に根ざしている。ガンビアーラとは、道具が不足した状況下で即興的かつ臨機応変に問題を解決する、ブラジルの創意工夫の伝統を指す言葉である。ウンベルトは説明する:「サンパウロの街路は、私たちのデザインの一種の実験室なのです。インスピレーションが必要な時はいつでも、私たちが暮らす都市のカオスと美しさから汲み取ります。」この視点は、彼らのすべての作品に浸透している。
彼らのデザインアプローチは、「変容と再発明」の概念に基づいている。日常的な素材——廃棄された木片、ロープ、段ボール、プラスチックチューブ、アルミニウムワイヤー、ぬいぐるみなど——を、機能的かつ詩的な静的形態へと昇華させる。これは単なる物質的なリサイクルではなく、素材そのものに内在する本質を尊重し、新たな価値を付与するプロセスである。ウンベルトは語る:「私は木材を使うことがいかに無駄の多いことかを理解していました。そのような道を歩みたくはなかったのです。逆のことをしなければならないと考えました。私の本質は混沌としていて、洗練されていないものなのです。」
彼らの創作プロセスは、素材との対話から始まる。有名なエピソードとして、サンパウロの露店で大量のロープを購入し、それをテーブルの上に積み上げて、自然に形成される形を注意深く観察した瞬間がある。「その瞬間、私たちは互いを見つめ合って言いました。『これが私たちが作りたい椅子だ。美しい混沌の中のブラジルの表現だ』と。」この逸話は、彼らがいかに素材そのものに導かれてデザインを発展させるかを示している。
カンパーナ・ブラザーズの作品は、高度な芸術性と実用的機能性の境界を曖昧にする。彼らは工芸技術と工業生産を融合させ、各作品に独自の個性を与えることで、貴族的な現代デザイン界に革命的な提案をもたらした。技術的製造と手作業による生産を統合することで、量産品でありながら一点物のような特性を持つ家具を実現している。例えば、ファヴェラチェアは一つ一つが異なる木片の配置を持ち、同じものは二つとして存在しない。
彼らのデザインには、ブラジルのアイデンティティを構成する要素が常に存在する。色彩の豊かさ、文化の混淆、創造的混沌、そしてシンプルな解決策の勝利——これらはすべて、サンパウロという大都市の活気に満ちた芸術的・文化的シーンから着想を得ている。ファヴェラチェアはサンパウロのスラム街の建築様式から、ムルチダォンチェアはブラジル北東部から南東部への大規模な移民を象徴する綿のぬいぐるみから、それぞれインスピレーションを得ている。
彼らの哲学はまた、社会的コメンタリーの側面も持つ。廃棄物を高級家具に変容させることは、消費社会への批評であり、環境への配慮の表明でもある。ウンベルトは述べる:「私たちは小さく貧しいコミュニティと協働しています。ブラジルでは、暴力や社会問題から脱却する一つの方法は手工芸を通じてだと考えています。」このため、彼らは地元の非営利団体と協力し、革製のイルカのぬいぐるみを手作りした職人たちと共に「バンケテ・ドルフィンズ・イン・レザー」チェアを制作するなど、社会的包摂を実践している。
作品の特徴:混沌の中の詩学
カンパーナ・ブラザーズの作品を特徴づける要素は、従来の家具デザインの規範を根本から覆す独創性にある。彼らの家具は、静的な機能的オブジェクトであると同時に、動的な彫刻作品としての性格を併せ持つ。
素材の革新的使用
彼らは「貧しい素材」を「豊かで退廃的なもの」へと変容させることに長けている。ロープ、廃材、プラスチックホース、ぬいぐるみ、カーペットの切れ端——これらの日常的で時には廃棄される素材が、熟練した手工芸技術と結びつくことで、高級デザインへと昇華される。ヴェルメーリャチェアでは500ヤード(約457メートル)もの赤いロープが鋼鉄フレームの周りに編み込まれ、アネモネチェアではPVCガーデンホースがステンレススチールフレームに巻きつけられ、快適な座り心地を提供する。
有機的で彫刻的な形態
彼らの作品は、ブラジルの豊かな自然環境から着想を得た有機的形態を特徴とする。コラッロ(珊瑚)チェアは、手で曲げられた鋼線が珊瑚のような枝分かれした構造を形成し、三次元的な落書きのような視覚的インパクトを持つ。ボア・ソファは、その名の通り蛇のような流動的で曲線的な形態を持ち、空間に有機的な動きをもたらす。
色彩の大胆な使用
多くのブラジルモダニズムが控えめな色調を好んだのに対し、カンパーナ・ブラザーズはブラジルの活気に満ちた色彩文化を大胆に取り入れた。ヴェルメーリャチェアの鮮烈な赤、コラッロチェアの珊瑚ピンク、ブラジリアテーブルの青い鏡面ガラスなど、彼らの作品は色彩を通じてブラジルの精神を表現している。スシシリーズでは、異なるテクスタイルの鮮やかな色彩が巻き寿司のように積層され、視覚的な饗宴を提供する。
手工芸と工業生産の融合
彼らの革新性は、手工芸的な製作技法を工業生産に適応させた点にもある。エドラ社での生産が始まった際、ウンベルトは自らイタリアの工場に赴き、職人たちにファヴェラチェアの製作方法を教えた。彼は回想する:「工場の労働者たちに教えることは興味深い経験でした。私は彼らとワークショップを開き、徐々に彼らが私の哲学を理解し始めました。」こうして、ブラジルのガレージで生まれた即興的な製作技法が、ヨーロッパの工場で再現されることとなった。
機能性を超えた物語性
彼らの家具は単なる座る場所ではなく、物語を語るオブジェクトである。ファヴェラチェアは、サンパウロのスラム街住民の創意工夫への敬意を表し、ムルチダォン(群衆)チェアは約150体の手作り綿人形で構成され、ブラジル北東部からの大規模移民を象徴する。各人形は異なり、「中にはネクタイをしているが鼻がないものもあれば、ベルトや腕時計をしているが眉毛がないものもある」とフェルナンドは説明した。
主な代表作品とエピソード
- デスコンフォルターヴェイス(不快な椅子)コレクション(1989年)
- 兄弟協働の第一歩となった鉄製椅子のコレクション。ウンベルトがグランドキャニオンでのカヌー事故で溺死しかけた翌日にデザインした最初の椅子——鉄板を渦巻き状に切断した重厚な作品——から始まった。フェルナンドはその余剰部材から、より機能的で軽量な椅子を創作し、兄弟のコラボレーションが本格化した。サンパウロのヌクレオン8ギャラリーでの個展は、芸術的側面、誤謬、そして不快さに内在する詩情を議論する作品群として批評家から注目されたが、商業的成功には至らなかった。しかし、この展覧会が彼らの革新的精神の出発点となり、以降の創作活動の基盤を形成した。
- ファヴェラチェア(1991年)
- カンパーナ・ブラザーズを世界的に有名にした象徴的作品。サンパウロのスラム街(ファヴェラ)の住民が手元にある材料を工夫して住居を建設する創意工夫に敬意を表して制作された。最初のプロトタイプは、果物市場で廃棄された木材スラットを使用し、釘と接着剤で一見無秩序に組み立てられたが、結果としてコンパクトで堅固、均整の取れた椅子となった。2002年からエドラ社が量産を開始し、パイン材またはチーク材の手作業で組み立てられた各椅子は、ランダムな配置により一つとして同じものが存在しない。製作には一週間以上を要し、フレームレス構造と自然素材が有機的で彫刻的な質感を生み出す。ウンベルトは語る:「ファヴェラチェアは私のお気に入りの作品の一つです。なぜなら、それほど多くの技術を使わずに椅子を構築する方法を示しているからです。誰でもこれを生産できるという希望のメッセージをもたらします。この椅子は若い世代のデザイナーたちに影響を与えました。それを誇りに思います。」現在、ニューヨークのメトロポリタン美術館をはじめ、世界中の主要美術館のコレクションに収蔵されている。
- ヴェルメーリャチェア(1993年)
- カンパーナ・ブラザーズの最も商業的に成功した作品であり、現在も彼らのベストセラーである。ヴェルメーリャ(ポルトガル語で「赤」)チェアは、500ヤード(約457メートル)以上の鮮烈な赤いロープが鋼鉄製フレームの周りに手で編み込まれ、巣のような構造を形成する。ウンベルトは説明する:「ヴェルメーリャチェアは混沌への賛辞です。それはブラジルの肖像——文化と人種のるつぼです。私はこのアイデアを、構造そのものが混沌としている椅子として表現しようとしました。」1993年から1998年にかけて開発され、1998年からエドラ社が量産を開始した。同年のMoMA「プロジェクト66」展で最も称賛されたデザインの一つとなり、ブラジル人デザイナーとして初めてMoMAの永久コレクションに収蔵された作品となった。この成功により、カンパーナ・ブラザーズは同世代の最高のデザイナーの仲間入りを果たした。
- コーンチェア(1997年)
- ジョージ・ネルソンのコーンチェアに触発されながらも、カンパーナ・ブラザーズ独自のモダンな解釈を加えた作品。灰色塗装の金属管フレームと透明なプレキシガラスの座面を組み合わせ、軽やかで彫刻的な外観を実現した。1998年にMoMAのコレクションに加えられた。
- エステラランプ(1997年)
- オルーチェ社のために制作されたテーブルランプ。竹の棒を光の拡散スクリーンとして使用し、ブラジルの自然素材と現代的照明技術を融合させた作品。現在ではヴィトラ・デザイン美術館の永久コレクションにも含まれている。
- アネモネチェア(2000年)
- PVCガーデンホースをステンレススチールフレームに巻きつけた革新的なデザイン。以前のジャルディン(庭)チェアやジグザグスツールと同様に、豊富な長さのPVCホースが快適な座面を創出する。2001年からエドラ社が生産を開始し、海の生物イソギンチャクを思わせる有機的な形態が特徴的である。
- スシシリーズ(2002年~)
- カンパーナ・ブラザーズの最も多用途な実験の一つ。堅く巻かれた布の切れ端、カーペットの残材、ゴムの切れ端、下敷きなどを束ねて寿司のように成形した椅子、ソファ、スツール、ボウル、テーブルのコレクション。ブラジルのファヴェラでは、布の残材を重ね合わせてマットや寝具を作る伝統があり、カンパーナ・ブラザーズはこの貧しい伝統から出発し、寿司というコンセプトに発展させた。天然素材と人工素材、フェルト、ウール、カーペット、ゴムなどを一緒に巻き、弾性布のチューブに押し込むことで制作される。2002年の「スシII」チェアは、近隣の店から集めた圧縮・巻き取り布の切れ端とカーペットの切れ端で構成され、世界最大の日本人コミュニティを持つブラジルからの着想を反映している。フェルナンドは冗談めかして語る:「私たちはたくさんの日本食を食べます。デリバリーもあります——ブラジル版のピザのようなものです。」
- ムルチダォンチェア(2002年)
- ムルチダォン(群衆)チェアは、ブラジル北東部エスペランサ村の職人によって制作された綿のぬいぐるみで構成される。各椅子には約150体のぬいぐるみが使用され、同じものは二つとして存在しない。フェルナンドは述べる:「中にはネクタイをしているが鼻がないものもあれば、ベルトや腕時計をしているが眉毛がないものもあります。」この作品は、ブラジル北東部から裕福な南東部への大規模な人口移動を象徴している。各椅子の製作には、スタジオの専任縫製職人が2週間をかけて150体のぬいぐるみをキャンバス地の座面に手縫いで取り付ける。
- コラッロ(珊瑚)チェア(2004年)
- 2004年にデザインされ、2006年にエドラ社から発売された彫刻的傑作。手で曲げられた鋼線に珊瑚ピンクのエポキシ塗装を施し、珊瑚礁のような有機的で枝分かれした構造を形成する。カンパーナ・ブラザーズはコラッロを「塗装された鋼線による三次元的な落書き」と表現する。各作品は手作業で制作されるため、絡み合った枝のような構造により一つ一つが独特である。鋼線の選択は彼らの環境への配慮を反映し、自然の形態を暗示しながら各作品に独自性を与えている。この作品は、高芸術と実用的デザインの融合というカンパーナ・ブラザーズの哲学を体現し、ブラジル文化の質感とエネルギーに根ざしている。シカゴ美術館をはじめ、世界の主要美術館に収蔵されている。
- ブラジリアテーブル(2006年)
- エドラ社のために制作された3点セットのテーブル。青色の鏡面反射ガラス天板とクロームメッキのアルミニウム脚を組み合わせ、ガラスの破片のような鋭角的な形態が特徴的である。ブラジリアの近代建築からインスピレーションを得た作品。
- トランスプラスティックコレクション(2007年)
- プラスチックで作られた世界という架空の物語を表現したシリーズ。合成物質が最終的に遺伝子組み換え創造物の肥沃な土壌となり、自然がプラスチックから成長し、最終的にプラスチックを圧倒するというコンセプト。籐を模したプラスチックを使用し、フェルナンドが冗談で「籐の復讐」と呼んだシリーズ。2007年にロンドンのアルビオン・ギャラリーで展示された。クーパー・ヒューイット美術館のために特別にデザインされた「トランス…チェア」は、このコレクションの最終作品となった。
- ボロタスチェア(2010年代)
- 羊毛とイペ材で構成された、ふわふわとした視覚的インパクトのある椅子とオットマン。座ってみたくなるような誘惑的なデザインでありながら、機能的な快適さも提供する。試行錯誤の実験的期間の成果として、新しい素材の組み合わせの可能性を探求した作品。
- デトナドシリーズ(2010年代)
- 古い椅子の籐張りのパッチをリサイクルし、縫い合わせたコラージュ技法を用いてサイドボードや非対称な本棚を制作したシリーズ。廃材への新しいアプローチを示す実験的作品群。
功績と業績:国際的評価の確立
カンパーナ・ブラザーズは、40年以上にわたるキャリアを通じて、ブラジルデザインの国際的地位を確立し、数多くの栄誉を受けてきた。
- 1991年
- 建築雑誌『ドムス』での賞賛記事により、ヨーロッパのデザイン企業から注目を集める
- 1996年
- デザイン部門賞・第1位(パペルチェア)、ブラジル家具工業協会(ABIMOVEL)
- 1997年
- 家具部門賞・第1位(インフラヴェルテーブル)、ブラジル家具工業協会(ABIMOVEL)
- 1998年
- ブラジル人デザイナーとして初めてニューヨーク近代美術館(MoMA)で作品展示。インゴ・マウラーとの「プロジェクト66」展に参加。家具部門賞・第2位(ラビリントブックケース)、ムゼウ・ダ・カーザ・ブラジレイラ
- 1999年
- ジョージ・ネルソン・デザイン・インテリア賞、インテリオス・マガジンUSA
- 2001年
- ムゼウ・ダ・カーザ・ブラジレイラ特別賞。H.スターン社とジュエリーコレクションで協働開始
- 2008年
- デザイン・マイアミ デザイナー・オブ・ザ・イヤー受賞。クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館で「カンパーナ・ブラザーズ・セレクト」展開催
- 2009年
- インスティチュート・カンパーナ設立。ヴィトラ・デザイン美術館で大規模回顧展「アンティボディーズ:フェルナンド&ウンベルト・カンパーナの作品1989-2009」開催(その後、ヨーロッパ、ブラジル、アメリカを巡回)
- 2011年
- ムゼウ・ダ・カーザ・ブラジレイラ特別賞
- 2012年
- メゾン・エ・オブジェ デザイナー・オブ・ザ・イヤー受賞、パリ。コルベール賞創造・遺産部門受賞、パリ。北京デザインウィークで栄誉。文化功労勲章受章、ブラジリア。芸術文化勲章受章、フランス文化省
- 2013年
- フォーブス誌がブラジルで最も影響力のある100人の一人に選出
- 2014年
- ウォールペーパー誌がデザイン界の主要プレイヤートップ100に選出
- 2022年
- ウンベルト・カンパーナ、ロンドン芸術大学(イギリス)およびコルドバ大学(アルゼンチン)より名誉博士号授与。同年11月16日、フェルナンド・カンパーナ逝去(61歳)
- 2024年
- パルケ・カンパーナの部分開業。アート、科学、教育を結びつける12の緑のパビリオンからなる屋外施設
彼らの作品は、世界の主要美術館の永久コレクションに収蔵されている。ニューヨーク近代美術館(MoMA)、メトロポリタン美術館、シカゴ美術館、フィラデルフィア美術館(アメリカ)、ポンピドゥー・センター、装飾美術館(フランス)、ヴィトラ・デザイン美術館(ドイツ)、デザイン美術館(イギリス)、サンパウロ近代美術館(ブラジル)など、多数の機関で彼らの革新的デザインを鑑賞することができる。
また、彼らは多数の国際的ブランドと協働してきた。エドラ、アレッシ、カッペリーニ、フォンタナアルテ、ヴェニーニといった家具・照明メーカーに加え、ルイ・ヴィトン、ラコステ、スワロフスキー、フェンディ、パオラ・レンティ、ギディーニ、メリッサ(靴)など、ファッションとラグジュアリーブランドとのコラボレーションも展開している。
評価と後世への影響:ブラジルデザインの国際化
カンパーナ・ブラザーズの最も重要な貢献は、ブラジルデザインを国際的な舞台に位置づけ、次世代のデザイナーたちに新しい道を切り開いたことである。彼らが登場する以前、ブラジルのデザインは国際的にほとんど認知されていなかった。1998年のMoMA展示は、ブラジル人デザイナーとして初の快挙であり、以降、ブラジルは革新的デザインの発信地として認識されるようになった。
彼らのデザインアプローチは、モダニズムとポストモダニズムの境界を曖昧にし、「高級デザイン」の定義そのものを再構築した。廃材やリサイクル素材を使用することで、デザインが高価な材料や先進技術を必要としないことを証明し、資源の限られた環境でも創造性が flourish することを示した。フェルナンドは語る:「私たちの最も重要な貢献は、次世代のデザイナーたちのために新しい道を切り開き、シンプルな素材と手工芸を用いて独自のデザイン言語を創造することで、創意工夫の力を示したことだと思います。」
実際、彼らの影響は世界中の若手デザイナーに及んでいる。ウンベルトは述べる:「ファヴェラチェアは私のお気に入りの作品の一つです。なぜなら、それほど多くの技術を使わずに椅子を構築する方法を示しているからです。誰でもこれを生産できるという希望のメッセージをもたらします。この椅子は若い世代のデザイナーたちに影響を与えました。それを誇りに思います。」
環境意識の高まりと共に、彼らのサステナブルなアプローチは時代を先取りしていたことが認識されている。廃材を美しいデザインに変容させる彼らの手法は、サーキュラーエコノミーとアップサイクリングの先駆的実践であり、現代のサステナブルデザイン運動の基盤を形成した。
社会的側面においても、彼らの功績は大きい。インスティチュート・カンパーナを通じて、ブラジルの貧困地域の職人コミュニティと協働し、デザインを社会変革のツールとして活用してきた。ウンベルトは強調する:「私たちは小さく貧しいコミュニティと協働しています。ブラジルでは、暴力や社会問題から脱却する一つの方法は手工芸を通じてだと考えています。」この実践は、デザインが単なる美的追求ではなく、社会的包摂と経済的エンパワーメントの手段となり得ることを実証している。
建築の分野でも彼らの影響は顕著である。パリのオルセー美術館内のカフェ・カンパーナの設計(2009年)は、歴史的建造物内に彼らの独特なデザイン言語を融合させた成功例として評価されている。また、ニューヨークのグッゲンハイム美術館での「ピーターと狼」ミュージカルの舞台美術(2008年)など、舞台芸術との協働も展開している。
2022年のフェルナンドの逝去後も、ウンベルトは兄弟が共に描いた未来のビジョンを継続することに尽力している。2024年6月のパルケ・カンパーナの部分開業は、アート、科学、教育を統合した新しい形態の文化施設として注目されている。12の緑のパビリオンで構成されるこの屋外施設は、彼らのデザイン哲学——自然との調和、創造性の民主化、コミュニティとの対話——を空間的に具現化したものである。
批評家であり芸術家でもあるヴィック・ムニスは、カンパーナ・ブラザーズについて次のように述べている:「ブラジルでは、ガンビアーラという言葉が、即興的で臨機応変な問題解決のスタイルを指します。これは私たちの道具の乏しいながらも創意工夫に富んだ伝統に深く根ざしています。カンパーナ・ブラザーズの作品に出会った時、私は彼らの不遜な形態と素材の並置、不安定さと不条理さへの才能、ガンビアーラの美学に驚くべき親和性を感じました。」
カンパーナ・ブラザーズの遺産は、デザインが文化的アイデンティティの表現であり、社会的変革のツールであり、そして何よりも、制約が創造性を生み出す触媒となり得ることを証明したことにある。彼らの作品は、40年以上経った今も、世界中のデザイナー、アーティスト、そして社会変革を志す人々に触発を与え続けている。
| 年月 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1989年 | 椅子 | Desconfortáveis (Uncomfortable Chairs Collection) | Estudio Campana |
| 1991年 | 椅子 | Favela Chair | Estudio Campana / Edra (2002~) |
| 1993年 | 椅子 | Vermelha Chair | Edra (1998~) |
| 1996年 | テーブル | Inflável Table | Estudio Campana |
| 1996年 | 椅子 | Papel Chair | Estudio Campana |
| 1997年 | 椅子 | Cone Chair | Estudio Campana |
| 1997年 | 照明 | Estela Table Lamp | O-Luce |
| 1998年 | オットマン | Ottoman | Estudio Campana |
| 1998年 | 書棚 | Labirinto Bookcase | Estudio Campana |
| 2000年 | 椅子 | Anemone Chair | Edra (2001~) |
| 2000年 | 照明 | Amanita FC23 Floor/Table Lamp | Alessi |
| 2000年 | 照明 | Bambù Table Lamp | Candle (Fontana Arte) |
| 2000年代 | 家具小物 | Blow Up Series (Magazine Racks, Baskets, Umbrella Stands, Mirrors) | Alessi |
| 2002年 | 椅子 | Multidão (Crowd) Chair | Estudio Campana |
| 2002年 | 椅子 | Panda Banquete Chair | Estudio Campana |
| 2002年~ | 家具シリーズ | Sushi Series (Chairs, Sofas, Stools, Bowls, Tables) | Estudio Campana |
| 2003年 | 椅子 | Blue Velvet Chair | Edra |
| 2003年 | 椅子 | Grinza Chair | Edra |
| 2004年 | 椅子 | Corallo (Coral) Chair | Edra (2006~) |
| 2004年~ | ソファ | Boa Sofa | Edra |
| 2004年~ | ソファ | Aster Papposus Sofa | Edra |
| 2004年~ | ソファ | Cipria Sofa | Edra |
| 2006年 | テーブル | Brasilia Tables (Set of Three) | Edra |
| 2006年~ | ベッド | Cabana Four-Poster Bed | Edra |
| 2007年 | 椅子シリーズ | TransPlastic Collection / Cartoon Chairs | Estudio Campana / Albion Gallery |
| 2009年 | 建築 | Café Campana (Interior Design) | Musée d'Orsay, Paris |
| 2010年 | 照明 | Campana Suspension Lamp | Edra |
| 2010年代 | 椅子 | Bolotas Chairs and Ottomans | Estudio Campana |
| 2010年代 | 家具シリーズ | Detonado Series (Credenzas, Bookshelves) | Estudio Campana |
| 2010年代 | 椅子 | Dolphins and Sharks Banquete Chair | Estudio Campana |
| 2010年代 | 椅子 | Jenette Chair | Edra |
| 2015年 | 椅子 | The Armchair of Thousand Eyes (for Fendi) | Fendi |
| 2017年 | ラグ | Hand Knot Rug (Limited Edition) | Estudio Campana |
| 2019年 | ベッド | Corallo Bed | Estudio Campana |
| 2019年~ | 照明 | Segreto Cabinet | Edra |
| 2020年 | テーブル | Cobogó Tables | Estudio Campana |
| 2021年~ | 家具小物 | Vases, Lamps, Candleholders (Brass and Bronze Collection) | Ghidini 1961 |
| 2022年 | ソファ | Sofá Cratera | Estudio Campana |
| 2022年 | 照明 | Babel Lamp | Estudio Campana |
| 2022年 | インスタレーション | Botânica Installation | Estudio Campana |
| 2022年 | 鏡 | Espelho Carvão Mirror | Estudio Campana |
| 2022年 | オブジェ | Campana de Carvão Bronze Bell | Estudio Campana |
| 2022年 | 花瓶 | Cocar Stainless Steel Vases | Estudio Campana |
| 2022年 | 花瓶 | Foguete Vase | Estudio Campana |
| 2022年 | 彫刻 | Eterea I | Estudio Campana |
| 2022年 | 家具シリーズ | Sopro na argila (Terracotta Series - Tables and Lamps) | Estudio Campana |
| 2022年 | ソファ | Metamorfosi (for Paola Lenti) | Paola Lenti |
| 2023年~ | ソファ・鏡 | On the Road Exhibition (Upcycled Polystyrene Sofas, Aluminum Mirrors) | Friedman Benda Gallery |
| 2024年 | 建築 | Parque Campana (12 Green Pavilions) | Instituto Campana |
| 1980年代~ | 照明 | Fragments Applique Wall Sconce | Venini |
| 継続中 | 家具・オブジェ | Various Limited Edition Pieces | Estudio Campana |
| 2001年~ | ジュエリー | Jewelry Collection | H. Stern |
| 2009年~ | 靴・アクセサリー | Footwear and Accessories Collection | Melissa |
| 2000年代~ | ファッション | Various Fashion Collaborations | Louis Vuitton, Lacoste, Fendi |
Reference
- Campana Brothers - Carpenters Workshop Gallery
- https://carpentersworkshopgallery.com/artists/campana-brothers/
- Campana brothers - Wikipedia
- https://en.wikipedia.org/wiki/Campana_brothers
- Humberto and Fernando Campana - Artsy
- https://www.artsy.net/artist/humberto-and-fernando-campana
- Campana Brothers Biography - Casati Gallery
- https://www.casatigallery.com/designers/campana-brothers/
- Humberto Campana: Forging a Legacy in Brazilian Design - The Grand Tourist
- https://thegrandtourist.net/humberto-campana-forging-a-legacy-in-brazilian-design/
- Campana Brothers: Designs with a Brazilian Identity - Azure Magazine
- https://www.azureazure.com/homes/architecture-design/campana-brothers-design-with-brazilian-flair/
- Video: Favela Chair by the Campana brothers - Dezeen
- https://www.dezeen.com/2016/07/20/video-interview-humberto-campana-brothers-favela-chair-influenced-generation-of-designers-movie/
- Campana Brothers - MoMA
- https://www.moma.org/artists/8457
- Campana Brothers - Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museum
- https://www.cooperhewitt.org/tag/campana-brothers/
- Zest for Life - Design Indaba
- https://www.designindaba.com/articles/point-view/zest-life
- The Campana Brothers - Sight Unseen
- https://www.sightunseen.com/2010/06/the-campana-brothers/
- Campana Brothers by Vik Muniz - BOMB Magazine
- https://bombmagazine.org/articles/2008/01/01/campana-brothers/
- Campana Brothers - 1stDibs
- https://www.1stdibs.com/creators/campana-brothers/
- Made in Brazil: Curated by Campana Brothers - STIR World
- https://www.stirworld.com/inspire-people-made-in-brazil-curated-by-campana-brothers
- Corallo Chair - Art Institute of Chicago
- https://www.artic.edu/artworks/188845/corallo-chair
- Campana Brothers Put São Paulo on the Design Map - 1stDibs Introspective
- https://www.1stdibs.com/introspective-magazine/campana-brothers/