フェルナンド・カンパーナ:素材の錬金術師、ブラジルデザインの革新者
フェルナンド・カンパーナ(1961-2022)は、兄ウンベルトとともにエストゥディオ・カンパーナを設立し、現代デザインの領域に革命をもたらしたブラジルを代表するデザイナーである。廃材、ロープ、ぬいぐるみなど、従来デザインの文脈から排除されてきた日常的な素材を用い、それらを詩的で機能的な家具へと変容させた。彼らの作品は、ブラジルの豊かな工芸伝統と都市の創造的カオスを反映しながら、素材の本質に対する深い理解と実験精神によって、デザインとアートの境界を曖昧にする独自の表現を確立した。
生涯と創造的パートナーシップ
フェルナンド・カンパーナは1961年、サンパウロ州ブロータスの小さな町に生まれた。幼少期から「木くずや廃材で飛行機や宇宙船を作ること」に熱中し、創造への本能的な衝動を育んだ。1979年から1981年にかけてサンパウロ美術学校で建築を学び、1983年には第17回サンパウロ国際芸術ビエンナーレでアシスタントおよびモニターとして従事した。この経験において、キース・ヘリング、アニッシュ・カプーア、ダニエル・ビュランといった現代美術家の作品に触れ、芸術的視野を広げる機会を得た。
兄ウンベルト(1953年生まれ)は法律を学んだが、彫刻家を志し、質素な素材を用いたオブジェのデザインを始めていた。フェルナンドは当初、兄の仕事を手伝う程度であったが、その協働は驚くほど創造的で豊かなものとなった。1984年、二人は正式にエストゥディオ・カンパーナを設立。サンパウロの街並みと周囲の自然環境を学校であり実験室として、そこから得られるエネルギーを創作の源泉とした。ウンベルトが語るように、「私たちは素材から学ぶ。素材が自らの取るべき形を教えてくれるのだ」という姿勢が、二人の創作の根幹を成していた。
1980年代、兄弟は「デスコンフォルターヴェイス(不快な椅子たち)」と題した約40脚の金属製椅子シリーズを制作した。鉄を表現豊かな螺旋やジグザグに彫刻することに魅了され制作されたこれらの作品は、その名の通り座り心地は快適ではなかった。フェルナンドは後に振り返る。「デザインや機能が製品の鍵を与えてくれるわけではないことを発見した」と。この認識が、彼らの実験的で詩的なアプローチの出発点となった。
転機となったのは1991年、雑誌『ドムス』にマルコ・ロマネッリが兄弟の作品について包括的な記事を執筆したことである。これによりヨーロッパのデザイン企業から注目を集め、国際的なキャリアが開花した。イタリアの家具メーカー、エドラとの協働が始まり、1993年に発表された「ヴェルメーリャチェア」はニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクションに収蔵されるまでに至った。1998年には、ドイツの照明デザイナー、インゴ・マウラーとの共同展覧会「プロジェクト66」がMoMAで開催され、キュレーターのパオラ・アントネッリによって紹介された。この展覧会において、彼らは鋼管構造に家庭用素材—プラスチック製のガーデンホース、綿ロープ、気泡緩衝材—を組み合わせた作品を発表し、アントネッリが評したように「軽やかさと詩情」を現代デザインに注入した。
2022年11月16日、フェルナンドは61歳で逝去した。その訃報は世界中のデザインコミュニティに衝撃を与えた。ロンドンのデザインミュージアムは「私たちの世代で最も重要なデザイナーの一人」と追悼し、ニューヨークのクーパー・ヒューイット博物館は「新鮮で子どものような視点が、気取らずに希望と美しさを捉えていた」と称えた。デザインギャラリーのフリードマン・ベンダは「過去40年のデザイン界における主要な推進者の一人であり、予測不可能な革新と新たな発見に満ちたキャリアを率いた創造的天才」と評した。彼の死後、兄ウンベルトは「フェルナンドとの関係は常に超越的なものだった。彼の物理的存在は、この惑星における魂の短い出会いに過ぎず、彼らの物語を語り継ぐことが私の使命である」と語り、兄弟の遺産を継承する決意を表明している。
デザイン思想:変容、再発明、そして素材との対話
カンパーナ兄弟のデザイン哲学の核心は、「変容(transformation)」と「再発明(reinvention)」という概念にある。彼ら自身が語るように、「私たちは本質的に物語の語り手であり、ただ言葉の代わりに素材を用いているに過ぎない。私たちの作品は、ルイージ・ピランデッロの戯曲における作者を求める登場人物のようなものだ。日常生活への私たちの認識と創造的な眼差しが、それぞれの物体に詩情、魂、そして個性を吹き込む」。
この哲学は、従来価値がないとされてきた素材—廃材、ロープ、布切れ、プラスチックホース、ぬいぐるみ—に新たな生命を与えることで具現化された。彼らは「錬金術師」として、素材のDNAを変化させ、それに別の存在を与えたのである。ウンベルトは述べる。「隠されているもの、隠れた片隅を見ることが私のDNAの一部だ。私たち兄弟は錬金術師であり、素材のDNAを変化させ、それに新たなものを与えるのだ」。
建築家オスカー・ニーメイヤーとリナ・ボ・バルディからの影響を公言する彼らは、ブラジル・モダニズムの伝統を継承しながらも、それを自由で実験的な方向へと発展させた。1990年代、ミニマリズムがデザイン界の主流であった時代に、彼らの作品はテクスチャーに満ち、装飾的で官能的な要素を持っていた。しかし彼らは自らの道を貫き、結果として手仕事への回帰という現代的潮流を先取りすることとなった。
カンパーナ兄弟のもう一つの重要な側面は、ブラジル文化との深い結びつきである。サンパウロの街—その人々の営み、地理的多様性、人種と文化の混交—が彼らの最大のインスピレーション源であった。ファヴェーラ(スラム街)の住民が手元にある素材を創意工夫して住居を建設する知恵、ブラジル北東部の伝統的な織物技術、アマゾンの豊かな自然素材—これらすべてが彼らの作品に織り込まれている。彼らは語る。「ブラジルこそが私たちの最大のインスピレーション源だ。人々とその生活の組織化から、環境における地理的多様性、人種、文化に至るまで、すべてが私たちにインスピレーションを与える」。
また、彼らの実践において重要なのは、社会的責任への深いコミットメントである。2009年、兄弟はインスティトゥート・カンパーナ(カンパーナ研究所)を設立した。この非営利団体は、デザインを社会変革のツールとして活用し、伝統工芸技術の保護、社会的包摂の促進、そして兄弟の作品の保存を主要な活動としている。彼らは地元コミュニティ、特にファヴェーラの職人たちと協働し、限定版製品の制作を通じて彼らの技術と創造性に光を当てた。この姿勢について、デザインマイアミのキュレーターであるマリア・クリスティーナ・ディデロは語る。「フェルナンドは特別な人物だった。彼は深く自分の仕事を愛し、兄ウンベルトとともに、創造性と楽しさを通じて他者を助けることを使命として捉えていた。共感が彼の原動力であり、その夢はインスティトゥート・カンパーナで実現された」。
作品の特徴:素材の詩学と触覚的な魅力
カンパーナ兄弟の作品を特徴づけるのは、素材への徹底的な探求と、それによって生み出される豊かな触覚的・視覚的体験である。彼らの家具は単なる機能的オブジェクトではなく、触れたくなる、登りたくなる、探検したくなる存在である。ウンベルトが説明するように、「私たちのデザインは触れられることを求めている。こうした触覚的な質は、工芸が常に重要な役割を果たすブラジル文化の一部でもある」。
日常素材の変容
彼らの最も革新的な側面は、日常的で卑近な素材を贅沢で収集価値のある作品へと変容させる能力にある。木材の端材、綿ロープ、プラスチックホース、古い椅子の籐細工、ぬいぐるみ—これらの素材が、驚くべき組み合わせと配置によって、雄弁な空間を生み出す。「ファヴェーラチェア」は製材所から大量に出る木材の端材から、「ヴェルメーリャチェア」は街角の屋台で購入した500メートルのロープから、「バンケッテ」シリーズは大量の安価なぬいぐるみから創造された。
ブラジルのアイデンティティ
作品の多くは明確にブラジルの社会的・文化的伝統と結びついている。「ファヴェーラチェア」はサンパウロのスラム街住民の創意工夫を讃えるものであり、「ヴェルメーリャチェア」はブラジルの織物技術に触発され、混沌としたその構造は「カオスへの賛歌であり、文化と人種の溶鉱炉であるブラジルの肖像」(ウンベルト・カンパーナ)である。「ムルチダォン(群衆)チェア」はブラジル北東部の伝統的な綿人形で作られ、北東部から裕福な南東部への大規模な人口移動を象徴している。
オーガニックで彫刻的なフォルム
彼らの作品は、自然界の形態を想起させる有機的で彫刻的な性質を持つ。「アスター・パッポサス」ソファの16本のベルベットのような腕は巨大なヒトデやタコを思わせ、「ボア」ソファは編まれた巣のような大きな抱擁であり、「コラーロ(珊瑚)チェア」は明るく複雑な色付き金属線の構造が海洋サンゴを連想させる。これらの作品は、椅子やソファとしての機能を超えて、室内に生命力と驚きをもたらす彫刻として存在する。
手仕事の重視
大量生産とは対極に、カンパーナ兄弟の作品制作プロセスは極めて手仕事的である。彼らはしばしば数ヶ月をかけて特定の編み技術や困難な技法を習得し、それを自らの手で作品に適用する。「ファヴェーラチェア」の製作には一週間の細心の手作業が必要であり、その美しさは自然素材と革新的デザインの調和、そして職人技への敬意に宿っている。彼らの「手作業のスキル」は、作品を交換可能で容易に模倣できる領域から解放し、唯一無二の存在へと昇華させている。
主要代表作品:革新と詩情の結晶
ファヴェーラチェア(1991)
カンパーナ兄弟の国際的な名声を確立した記念碑的作品。サンパウロのファヴェーラ(スラム街)の住民が手元にある素材を創意工夫して住居を建設する姿勢に触発され、木材の端材(最初のプロトタイプは果物市場から廃棄された木製スラットで作られた)を一見無秩序に釘打ちし接着して制作された。しかしその結果は、コンパクトで堅固で均整の取れた椅子である。フェルナンドは2010年のインタビューで語っている。「ファヴェーラの人々は自分たちで家を建てる。だから私は考えた、なぜ椅子を自分で組み立てないのか、と。これはブラジルのスラム街を象徴することを意図していた」。1997年以降、イタリアのエドラ社により生産され、現在も世界中の美術館コレクションに収蔵されている。各作品の木片の配置はランダムであるため、同じものは二つとして存在しない。
ヴェルメーリャチェア(1993)
カンパーナ兄弟の最も有名で商業的に成功した作品。「ヴェルメーリャ」とはポルトガル語で「赤」を意味し、鋼鉄製フレームの周りに500メートル以上の赤い綿ロープを手作業で織り込んで制作される。このデザインの起源についてウンベルトは語る。「街角の屋台で大量のロープを購入し、スタジオに持ち帰ってテーブルの上に積んだ。形成される形状を注意深く研究した。その瞬間、私たちは互いを見て言った、『これが私たちが作りたい椅子だ。これは美しいカオスにおけるブラジルの表象だ』と」。1998年にエドラ社から発表され、MoMAのパーマネントコレクションに収蔵された。この椅子は、ブラジルの織物技術への敬意であり、多文化・多人種国家としてのブラジルの本質を捉えている。赤色の他、緑、青のバリエーションが存在する。
スシ・シリーズ(2002-)
日本の寿司からインスピレーションを得た驚くべき作品群。フェルナンドが語るように「ここまでの奇抜な発想は到底日本人には思いつかないだろう」という挑発的なデザインである。カーペット、ゴム、EVA(エチレン酢酸ビニル)、布など異なる種類と厚さの素材を巻いて、弾力性のある管状の布に詰め込むことで、寿司のマキに似た構造を作り出した。これは、伝統的な技術に頼らずに室内装飾を行う方法を探求していた際に開発された。スシチェア、スシソファ、そして後には真鍮製のスシビュッフェ(食器棚)へと発展し、2011年以降カーペンターズ・ワークショップ・ギャラリーなどを通じて限定版として発表されている。
バンケッテ(宴)シリーズ(2002-)
無数の安価なぬいぐるみをスチール製フレームに固定して座面とした、最もアーティスティックで遊び心に満ちた作品。レディメイドの手法をデザインに取り入れた例は少なくないが、これは中でも最も大胆で詩的な実践である。パンダ、ミッキーマウス、その他のキャラクターのぬいぐるみを使用したバリエーションが展開され、2018年にはアメリカのアーティストKAWSとのコラボレーションで、ピンクのぬいぐるみで覆われた「コンパニオンチェア」も制作された。見る者を不安にさせながらも遊び心のあるこのオブジェクトは、カンパーナ兄弟が偏見なく世界を観察し評価するコミットメントを体現している。
ボアソファ(2002)
エドラ社のために制作された、大きな編まれた巣のような柔らかい抱擁を提供するソファ。その上に座ることも、寝そべることも、枕の間で探検することもでき、さらには織り込まれた構造の内部に入り込んで守られているように感じることもできる。その形態は自然界の生物—大蛇(ボア・コンストリクター)や鳥の巣—を想起させながら、多様な姿勢と使用方法を許容する革新的な家具である。
カバナ(キャビネット)(2010)
2010年のミラノ・サローネで初めて発表された、超長尺のビスコース製ラフィア糸の「長い前髪」の背後に機能的な棚システムを隠した贅沢な収納家具。中央の支持構造は、サイズが小さくなる5つの円形棚で形成され、地面まで垂れ下がる手作業で結ばれた糸の小屋の下に並置されている。あらゆる方向から棚に手が届くこの作品は、職人技と創意工夫の見事な実践である。エドラ社により生産。
ルイ・ヴィトン オブジェ・ノマド コレクション(2012-)
2012年より継続しているルイ・ヴィトンとの協働プロジェクト。旅をテーマにした移動可能な家具シリーズで、カンパーナ兄弟は複数の作品を発表している。「コクーン」は心地よい吊り下げ式シート、「ボンボカ」はカラフルで球根状のソファ、「マラカトゥ」はブラジル北東部レシフェ市のカーニバルダンスに触発された吊り下げ式キャビネット、「アグアカテ(アボカド)スクリーン」はルイ・ヴィトンの手織りレザーストラップで編まれた鮮やかな色彩の太陽の星座、「トロピカリストベース」はブロメリア科植物の質感に触発された作品などがある。これらはルイ・ヴィトンの世界クラスの旅行用品製作の伝統を踏襲しながら、旅行者が占める一時的空間のパーソナライゼーションと移動性の側面を探求している。
トランスプラスティック・シリーズ(2006)
自然界が合成世界との最終的な戦いに勝利するというコンセプトを表現したシリーズ。籐細工で編まれたカフェチェアから、廃棄されたプラスチックオブジェクトが爆発するように飛び出している。2008年にクーパー・ヒューイット博物館のために特別に制作された「トランスチェア」は、このシリーズの集大成となった。この作品は、自然素材と人工素材の対比と統合を探求し、環境問題への意識を喚起する。
功績と業績:国際的な認知と影響
カンパーナ兄弟は、40年近いキャリアを通じて、現代デザイン史において確固たる地位を築き、多数の権威ある賞と栄誉を受けてきた。
主要な賞と栄誉
- 2013年
- 芸術文化勲章(Ordre des Arts et des Lettres)— フランス文化省、パリ
- 2012年
- デザイナー・オブ・ザ・イヤー — メゾン・エ・オブジェ、パリ
- プリ・コルベール・クリエーション&パトリモワーヌ賞 — パリ
- 文化功労勲章(Ordem do Mérito Cultural)— ブラジル政府、ブラジリア
- 2011年
- 特別賞 — ムゼウ・ダ・カーザ・ブラジレイラ、サンパウロ
- 2008年
- デザイナー・オブ・ザ・イヤー — デザインマイアミ、アメリカ(マーク・ニューソン、吉岡徳仁に続く受賞)
- 1999年
- ジョージ・ネルソン・デザイン・インテリア賞 — インテリアズ・マガジン、アメリカ
- 1998年
- ホーム・ファニチャー・カテゴリー賞(第2位、ラビリント書棚)— ムゼウ・ダ・カーザ・ブラジレイラ
- 1997年
- ホーム・ファニチャー・カテゴリー賞(第1位、インフラーヴェル・テーブル)— ABIMOVEL、サンパウロ
- 1996年
- デザイン・カテゴリー賞(第1位、パペル・チェア)— ABIMOVEL、サンパウロ
- 1992年
- 取得賞(セルカ・スクリーン)— ブラジル美術館、アルマンド・アルヴァレス・ペンテアード財団
2022年 - ウンベルト・カンパーナへの名誉博士号
フェルナンドの死後、兄ウンベルトは単独で活動を継続し、2022年にロンドン芸術大学(イギリス)およびコルドバ大学(アルゼンチン)より、クリエイティブ産業への顕著な貢献を評価され名誉博士号を授与された。
主要な展覧会と美術館コレクション
カンパーナ兄弟の作品は、世界の主要な美術館の永久コレクションに収蔵されている。
- ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ニューヨーク
- ポンピドゥー・センター、パリ
- 装飾美術館(Musée des Arts Décoratifs)、パリ
- ヴィトラ・デザイン・ミュージアム、ヴァイル・アム・ライン、ドイツ
- サンパウロ近代美術館、サンパウロ
- クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館、ニューヨーク
- デザイン・ミュージアム、ロンドン
- ヴィクトリア&アルバート博物館、ロンドン
2024年、ポンピドゥー・センターは兄弟の遺産を保存する画期的なイニシアチブを発表。インスティトゥート・カンパーナのアーカイブから約70点の象徴的作品を取得し、エドラ、ルイ・ヴィトン、アレッシ、ベルナルドーなどの長年のパートナーからも重要な貢献を受けた。これにより、ブラジルおよびラテンアメリカの創造性が、世界で最も権威あるデザインコレクションの一つにおいて強化された。
主要な展覧会
- 1998年
- 「プロジェクト66:カンパーナ/インゴ・マウラー」— ニューヨーク近代美術館(MoMA)、キュレーター:パオラ・アントネッリ
- 2009年
- 「アンティボディーズ:フェルナンドとウンベルト・カンパーナの作品 1989-2009」— ヴィトラ・デザイン・ミュージアム(世界巡回展)
- 2020年
- 「カンパーナ兄弟:35の革命」— リオデジャネイロ近代美術館(MAM RIO)、約1800平方メートルの空間を使用した包括的回顧展
- 2021-2023年
- 「フェイス・トゥ・フェイス:アルチンボルド」(2021)および「リピティション」(2023)— ポンピドゥー・センター・メス、キュレーター:マリー=アンジュ・ブレイエ、キアラ・パリージ
インテリアデザインと建築プロジェクト
家具デザインを超えて、カンパーナ兄弟は数多くのインテリアデザインおよび建築プロジェクトを手がけた。
- カフェ・カンパーナ — ムゼ・ドルセー(パリ、最近の改装)
- サンパウロ・オペラハウスのカフェ
- ニューホテル — アテネ
- カンペール店舗 — ベルリン、バルセロナ、ロンドン、フィレンツェ、サラゴサ、ニューヨーク、サンパウロ
- ズニーノ邸(2016)— サンパウロ。ピアサヴァ(ブラジル北東部原産のヤシ繊維)で外壁を覆った4階建て住宅
- パルケ・カンパーナ(2024年部分開館予定)— 12の緑のパビリオンからなる屋外会場、芸術・科学・教育を融合
協働ブランドと国際的影響
カンパーナ兄弟は、40年近いキャリアを通じて世界の主要ブランドと協働し、彼らの独創的な手法と素材への深い理解を、多様な文脈に適用してきた。
主要な協働パートナー
- エドラ(Edra)
- 1991年から25年以上にわたる最も重要なパートナーシップ。ファヴェーラチェア、ヴェルメーリャチェア、ボアソファ、アスター・パッポサス、シプリア、ブルーベルベット、グリンザ、コラーロチェア、ブラジリア・テーブル、カバナなど多数のアイコニックな作品を生産。副社長モニカ・マッツェイは「カンパーナ兄弟はデザイナーではなく『セラピー』である」とマッシモ・モロッツィの言葉を引用して評価。
- アレッシ(Alessi)
- ブローアップ・シリーズ(マガジンラック、バスケット、傘立て、ミラー)を制作。組み立てられた鋼鉄の棒の使用が特徴。
- ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)
- 2009年より「オブジェ・ノマド」コレクションに参加。コクーン、ボンボカ、マラカトゥ、アグアカテ・スクリーン、トロピカリスト・ベースなど、旅をテーマにした限定版家具を制作。
- ベルナルドー(Bernardaud)
- 2011年より協働。「ファウナ・ブラジリス」「フローラ・ブラジリス」など、磁器を用いた芸術作品を制作。
- メリッサ(Melissa)
- 15年以上にわたり、フットウェアとアクセサリーのコレクションを制作。
- H.スターン
- 2001年、ブラジルの宝飾ブランドのためにジュエリーコレクションをデザイン。
- ラコステ(Lacoste)
- 2009年および2012年にコレクションを制作。
- その他の協働ブランド
- アルテミデ(Artemide)、カッペリーニ(Cappellini)、ビサッツァ(Bisazza)、フェンディ(Fendi)、ヴェニーニ(Venini)、ヴィブラム(Vibram)、バカラ(Baccarat)、ラスヴィット(Lasvit)、BD バルセロナ、パオラ・レンティ(Paola Lenti)など。
ギャラリー代表
カンパーナ兄弟の限定版作品は、以下の主要ギャラリーによって代表されている。
- フリードマン・ベンダ(Friedman Benda)— ニューヨーク、長年の協力者
- カーペンターズ・ワークショップ・ギャラリー(Carpenters Workshop Gallery)— パリ、ロンドン、ニューヨーク
- ジュスティーニ/スタゲッティ ガッレリア O. ローマ(Giustini / Stagetti Galleria O. Roma)— イタリア
- デヴィッド・ギル・ギャラリー(David Gill Gallery)— ロンドン
評価と後世への影響:南米デザインの扉を開く
カンパーナ兄弟の最も重要な功績の一つは、南米のデザイナーがヨーロッパのデザイン産業において主導的地位を占めることを可能にした先駆者となったことである。フリードマン・ベンダが追悼文で述べたように、「エドラによって生産に移されたファヴェーラチェアとヴェルメーリャチェアは、南米のデザイナーがヨーロッパのデザイン産業において主導的存在となった最初の例となった」。彼らは、ブラジルがサンバ、サッカー、フォークロアという紋切り型を超えた存在であることを示し、「ブラジルの手仕事の卓越性、ブラジルの『ファット・ア・マーノ(手作り)』をイタリア産業にもたらすことができた」と自負している。
現代デザインへの貢献
ポンピドゥー・センターのデザイン部門長マリー=アンジュ・ブレイエは、彼らの実践を次のように評価している。「現代デザインの主要な人物であるカンパーナ兄弟は、1980年代後半から独自の作品群を発展させてきた。すべての芸術分野から引き出し、彼らは再利用の実践とオブジェクトへのアニミズム的アプローチを通じて、現代デザインの言語の変革に貢献した。彼らのアプローチは、素材のハイブリダイゼーションとアッサンブラージュの実践を受け入れ、しばしばバロック的で豊潤な美学を通じて表現される。彼らはジェスチャーを受け入れ、手作業の次元を主張し、産業材料の使用を通じてそれを変容させた。リサイクルと再利用を通じて、彼らはブラジルの都市文化を讃えながら、自国の社会的ダイナミクス—都市、特にサンパウロ内に見られる民衆の創意工夫と自発的な形式的・物質的表現—と関与した」。
批評家と専門家の評価
国際的なデザインコミュニティからの評価は一貫して高い。
- ロンドンのデザインミュージアム:「私たちの世代で最も重要なデザイナーの一人」
- ニューヨークのクーパー・ヒューイット博物館:「新鮮で子どものような視点が、気取らずに希望と美しさを捉えていた」
- フリードマン・ベンダ:「過去40年のデザイン界における主要な推進者の一人であり、予測不可能な革新と新たな発見に満ちたキャリアを率いた創造的天才。次に何を作るか予測できなかったが、それは常に完全に正しく、完全に彼ららしかった」
- マリア・クリスティーナ・ディデロ(デザインマイアミ キュレーター):「彼は深く自分の仕事を愛し、兄ウンベルトとともに、創造性と楽しさを通じて他者を助けることを使命として捉えていた。共感が彼の原動力であり、その夢はインスティトゥート・カンパーナで実現された。彼の感染力のある笑顔で、フェルナンドは物事を形作り、彼だけができる方法で問題に取り組むことができた」
影響と遺産
カンパーナ兄弟の影響は多岐にわたる。
- アップサイクルとサステナビリティ:彼らは「アップサイクル」という用語がトレンドになるはるか以前から、リサイクルと創造的再利用を実践し、デザイナーの倫理的役割と政治的コミットメントを強調した。
- 手仕事への回帰:ミニマリズムが主流だった1990年代に、テクスチャー、装飾性、官能性に満ちた作品を発表し、手仕事的アプローチの価値を先取りした。
- デザインとアートの境界:彼らの作品は、機能的オブジェクトと彫刻的アート作品の境界を曖昧にし、デザインが芸術的表現の媒体となり得ることを示した。
- 社会的責任:インスティトゥート・カンパーナを通じた地域コミュニティとの協働は、デザインが社会変革のツールとなり得ることを実証した。
- ブラジルデザインの国際化:彼らの成功により、それまで閉ざされていた国際的なデザインの舞台にブラジルおよびラテンアメリカのデザイナーが参入する道が開かれた。
現代デザインとの関連性
カンパーナ兄弟の作品とアプローチは、21世紀のデザインの関心事項—サステナビリティ、地域文化の尊重、手仕事の価値、社会的責任—に深く共鳴している。彼らが実践してきた素材への敬意、職人技術の継承、廃材の創造的再利用は、今日のデザイン界においてますます重要性を増している。
2024年、エストゥディオ・カンパーナは創立40周年を迎えた。フェルナンドの死後も、兄ウンベルトは「フェルナンドの遺産と私たちが一緒に描いたプロジェクトを尊重することを固く決意している」と語り、パルケ・カンパーナの部分開館をはじめとする将来の計画を継続している。彼らの物語は、創造性、粘り強さ、そして素材と対話する能力が、デザインの領域に革命をもたらし、世界中の人々に触発を与え続けることを証明している。
作品一覧
| 年月 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1980年代 | 椅子 | デスコンフォルターヴェイス(不快な椅子たち)シリーズ | エストゥディオ・カンパーナ |
| 1989年 | 椅子 | サマンバイアチェア | エストゥディオ・カンパーナ |
| 1991年 | 椅子 | ファヴェーラチェア | Edra |
| 1992年 | スクリーン | セルカ・スクリーン | エストゥディオ・カンパーナ |
| 1993年 | 椅子 | ヴェルメーリャチェア(赤) | Edra |
| 1996年 | 椅子 | パペル・チェア | エストゥディオ・カンパーナ |
| 1997年 | 椅子 | コーンチェア | Edra |
| 1997年 | テーブル | インフラーヴェル・テーブル | エストゥディオ・カンパーナ |
| 1998年 | 家具 | ラビリント書棚 | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2002年 | ソファ | ボアソファ | Edra |
| 2002年 | 椅子 | アリゲーターチェア | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2002年 | 椅子 | スシチェア | Edra |
| 2002年 | 椅子 | ムルチダォン(群衆)チェア | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2002年 | 椅子・ソファ | バンケッテ・シリーズ(ぬいぐるみ) | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2004年 | 椅子 | コラーロ(珊瑚)チェア | Edra |
| 2006年 | ソファ | アスター・パッポサスソファ | Edra |
| 2006年 | 家具 | カイマン・ジャカレ | Edra |
| 2006年 | 椅子 | パライバチェア | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2006年 | 椅子 | トランスプラスティック・シリーズ | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2006年 | 椅子 | ウィッカーアームチェア | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2007年 | 椅子 | バーバリアンズアームチェア(レザーワークス) | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2008年 | 椅子 | トランスチェア | Cooper Hewitt(特別制作) |
| 2010年 | 家具 | カバナ(キャビネット) | Edra |
| 2011年 | 家具 | スシビュッフェ(食器棚) | Carpenters Workshop Gallery |
| 2011年 | 磁器 | ファウナ・ブラジリス | Bernardaud |
| 2011年 | 磁器 | フローラ・ブラジリス | Bernardaud |
| 2012年 | 椅子 | コクーン | Louis Vuitton Objets Nomades |
| 2012年 | ソファ | ボンボカソファ | Louis Vuitton Objets Nomades |
| 2012年 | 家具 | マラカトゥ | Louis Vuitton Objets Nomades |
| 2013年 | 家具 | オーシャン・コレクション | Carpenters Workshop Gallery |
| 2013年 | 家具 | スシキャビネット | Carpenters Workshop Gallery |
| 2013年 | 家具 | ヴィトリア・レジア・スツール | Carpenters Workshop Gallery |
| 2015年 | 照明 | キャンディ・コレクション(シャンデリア) | Lasvit |
| 2015年 | 家具 | カンガソー・キャビネット | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2015年 | 椅子 | コクーン・ファー | Louis Vuitton Objets Nomades |
| 2015年 | 家具 | トロピカリスト・ベース | Louis Vuitton Objets Nomades |
| 2016年 | 椅子 | アグアカテ(アボカド)スクリーン | Louis Vuitton Objets Nomades |
| 2017年 | 椅子 | アシメトリカ・カデイラ(アシンメトリックチェア) | Tok&Stok |
| 2018年 | 椅子 | ボロタス・プフ(羊毛) | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2018年 | 椅子 | コンパニオンチェア(KAWS コラボ) | Friedman Benda |
| 2018年 | 椅子 | ドルフィンズ・バンケッテチェア | Friedman Benda |
| 2019年 | 椅子 | メテオロ・アームチェア | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2019年 | ソファ | ガラクティカソファ | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2021年 | インスタレーション | ペレ(皮膚) | Centre Pompidou-Metz |
| 2021年 | インスタレーション | サーベイランス(監視) | Centre Pompidou-Metz |
| 2022年 | 家具 | メタモルフォジ・コレクション | Paola Lenti |
| 2022年 | 椅子 | ジャラパォンチェア | エストゥディオ・カンパーナ |
| — | 家具 | ブローアップ・シリーズ(マガジンラック、バスケット、傘立て、ミラー) | Alessi |
| — | 照明・家具 | ブラス&ブロンズ・コレクション(ベース、ランプ、燭台) | Ghidini 1961 |
| — | 椅子 | ブルーベルベットチェア | Edra |
| — | 椅子 | グリンザチェア | Edra |
| — | 椅子 | シプリアチェア | Edra |
| — | 椅子 | ジェネッテチェア | Edra |
| — | 椅子 | アネモネチェア | Edra |
| — | テーブル | ブラジリア・テーブル | Edra |
| — | ベッド | ファヴェーラ・ダブルベッド | Edra |
| — | 家具 | アクアリオ・キャビネット | BD Barcelona |
| — | 家具 | デトナード・シリーズ(家具) | エストゥディオ・カンパーナ |
| — | 照明 | エステラ・ランプ | エストゥディオ・カンパーナ |
| — | 照明 | ノア・シャンデリア(ブロンズ&アゲート) | Friedman Benda |
| — | 花瓶 | バトゥケ・ベース(試験管) | エストゥディオ・カンパーナ |
| — | 家具 | ベンチ・ヴィトリア・レジア | エストゥディオ・カンパーナ |
| 2001- | ジュエリー | H.スターン・コレクション | H. Stern |
| 2009- | ファッション | メリッサ・シューズ&アクセサリー | Melissa |
| 2009, 2012 | ファッション | ラコステ・コレクション | Lacoste |
| 2006 | 衣装 | 「ヴァーチャリー・ゼア」バレエ衣装 | Performa Visionaries |
| 2020 | 衣装 | 「メタモルフォーズ」バレエ衣装・舞台美術 | マルセイユ国立バレエ |
| — | 建築 | カフェ・カンパーナ(ムゼ・ドルセー) | Musée d'Orsay, Paris |
| — | 建築 | サンパウロ・オペラハウス・カフェ | São Paulo Opera House |
| — | 建築 | ニューホテル | Athens |
| 2016年 | 建築 | ズニーノ邸 | São Paulo |
| — | 建築 | カンペール店舗(複数都市) | Camper |
Reference
- Campana brothers - Wikipedia
- https://en.wikipedia.org/wiki/Campana_brothers
- Fernando Campana (1961-2022) | Archivos Arquine
- https://arquine.com/fernando-campana-1961-2022/
- In Memoriam: Fernando Campana (1961 - 2022) | Wallpaper*
- https://www.wallpaper.com/design-interiors/fernando-campana-obituary-in-memoriam
- Fernando Campana (1961-2022) - People - The Design Edit
- https://thedesignedit.com/people/fernando-campana-1961-2022/
- Brazilian designer Fernando Campana dies aged 61 | Dezeen
- https://www.dezeen.com/2022/11/21/brazilian-designer-fernando-campana-dies-aged-61/
- Fernando Campana, 1961–2022 - SURFACE
- https://www.surfacemag.com/articles/fernando-campana-obituary/
- Tribute: Brazilian Architect and Designer Fernando Campana (1961-2022) | Architectural Record
- https://www.architecturalrecord.com/articles/15946-tribute-brazilian-architect-and-designer-fernando-campana-1961-2022
- Fernando Campana | MoMA
- https://www.moma.org/artists/8456-fernando-campana
- Remembering Fernando Campana - Friedman Benda
- https://www.friedmanbenda.com/remembering-fernando-campana/
- Campana Brothers | Carpenters Workshop Gallery
- https://carpentersworkshopgallery.com/artists/campana-brothers/
- Centre Pompidou Receives Landmark Acquisition from Estúdio Campana - Friedman Benda
- https://www.friedmanbenda.com/news/centre-pompidou-receives-landmark-acquisition-from-estudio-campana/
- Estudio Campana, Designer | Archiproducts
- https://www.archiproducts.com/en/designers/estudio-campana
- Interview with Brazilian designers Fernando + Humberto Campana | Designboom
- https://www.designboom.com/design/interview-brazilian-designers-fernando-humberto-campana-brothers-07-06-2015/
- Campana Brothers: Designs with a Brazilian Identity | Azure Magazine
- https://www.azureazure.com/homes/campana-brothers-design-with-brazilian-flair/
- The Campana Brothers Put São Paulo on the Design Map | 1stDibs
- https://www.1stdibs.com/introspective-magazine/campana-brothers/
- Designer of the Year: Campana Brothers | Cooper Hewitt
- https://www.cooperhewitt.org/2008/10/08/designer-of-the-year-campana-brothers/
- Campana Brothers exhibition at MAM RIO | Designboom
- https://www.designboom.com/design/campana-brothers-35-revolutions-mam-rio-03-21-2020/
- Together Campana Brothers | Camper
- https://www.camper.com/ja_JP/together/stores/campana_brothers
- カンパーナ兄弟 | ベルナルド
- https://www.bernardaud.com/jp/jp/categories/editions-d-artistes/the-campana-brothers
- Vol.50 フェルナンド&ウンベルト・カンパーナ | インテリア情報サイト
- http://www.interior-joho.com/knowledge/detail.php?id=1119