概要

カリマテ チェアは、ヴィコ・マジストレッティが1959年に設計したダイニングチェアである。ラッカー塗装のブナ材フレームに、藺草を編んだ座を張る。ミラノ北方のカリマテ・ゴルフクラブのために設計された。1962年からカッシーナが生産している。

特徴・コンセプト

断面を円形で揃える

脚、フレーム、背もたれの部材は、いずれも断面が円形である。角材を使えば仕口の面が平らになり加工しやすいが、円形で揃えると部材の向きが問われなくなる。どの方向から見ても同じ太さに見えるため、構成が単純に読める。

藺草を編む

座はイタリアの椅子で長く使われてきた藺草編みによる。板座と違い、編んだ面は空気を通し、経年でわずかに沈む。塗装した木の部材と、手で編んだ座という異なる素材が同じ椅子に同居する。

藺草は経年で緩み、破断する場合がある。張り替えに対応できる工房を確保しておく必要がある。

色を塗る

木部には塗装が施され、木目を残さない。最もよく知られるのは赤で、クラブハウスの柱の色に合わせたものである。黒や濃茶も生産され、後年には座を布張りとした仕様も加わった。

エピソード

マジストレッティはカリマテ・ゴルフクラブのクラブハウスの建築を手がけており、椅子はその一部として構想された。建築と家具を同じ設計者が担当する仕事にあたる。

1962年、マジストレッティはカッシーナと提携し、同社が生産を引き継いだ。以後、スツール、アームチェア、ベンチの各仕様が加わっている。

評価と影響

マジストレッティは同じ時期に樹脂の成形も扱っており、セレーネチェアは圧縮成形による一体成形をとる。カリマテは木と手仕事の側にあり、同じ設計者のなかで対照的な位置を占める。照明ではエクリッセ テーブルランプがある。

4館の公開データでは、カリマテ チェアの収蔵は確認できていない。

基本情報

名称 カリマテ チェア / Carimate Chair
デザイナー ヴィコ・マジストレッティ(Vico Magistretti)
ブランド カッシーナ(Cassina/1962年より生産)
発表年 1959年
デザインの成立国 イタリア
分類 ダイニングチェア
主要素材 ラッカー塗装のブナ材(フレーム)、藺草編み(座)
構造 部材の断面を円形で統一。座は編み込み
仕上げ 赤、黒、濃茶ほか(座を布張りとした仕様もあり)
設計の背景 カリマテ・ゴルフクラブのクラブハウス
派生 スツール、アームチェア、ベンチ

Reference