概要
ナタリーは、ヴィコ・マジストレッティが1978年にFlouのために設計したベッドである。ヘッドボードとベースの両方を着脱できるカバーで覆う。ヘッドボードにはリボンが付き、枕を収めるカバーを閉じる役を担う。
特徴・コンセプト
カバーを外せるようにする
ベッドは面積が大きく、張り込んだ布は洗えない。ナタリーはヘッドボードとベースをそれぞれ着脱できるカバーで覆い、面ファスナーで留める。洗濯や交換ができるため、季節や好みに応じて素材を替えられる。
張り込みではなく被せる方式のため、カバーの素材はファブリック、レザー、エコレザーから選べる。同じ本体で表面の性質を変えられる。
リボンが留め具を兼ねる
ヘッドボードのリボンは装飾に見えるが、枕を収めるカバーを閉じる留め具として働く。金具やファスナーを使えば布の面に硬い部分が生じるが、リボンなら布のまま留められる。
ヘッドボードを倒す
ヘッドボードは角度を変えられる仕様が用意される。二分割された構造のため、ダブルサイズでは左右で別々に角度を決められる。読書のように上体を起こす姿勢と、そのまま横になる姿勢の両方に対応する。
ベースを選ぶ
硬質ベース、ボックススプリング、収納付き、高さの異なる固定ベース、電動で可動するベースなどが用意される。同じ外観のまま、下部の構成を用途に応じて替えられる。
エピソード
Flouの創業者ロザリオ・メッシーナは、当時、羽毛布団の販売にあたって家具小売店が寝具の取り扱いに難色を示すという課題に直面していた。そこで羽毛布団と一体化したベッドという構想を立て、1978年にFlouを設立する。
マジストレッティは、当時普及し始めていた羽毛布団の考え方を広げ、布団を延長してベッドベース全体を覆うという方法を提案した。ベッド、マットレス、寝具を別々に扱わず、一つの家具としてまとめる構成である。
評価と影響
同じマジストレッティによるマラルンガが機構から形を導いたのに対し、ナタリーはカバーの着脱という扱いから構成を決めている。カバーを交換できる家具では、ジン・テーブルがファスナーによる着脱をとっており、方式が異なる。
ナタリーの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。
ヴィコ・マジストレッティの設計思想や経歴について詳しくはヴィコ・マジストレッティプロフィールページをご覧ください。
Flouの歴史や他の製品について詳しくはFlouブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ナタリー / Nathalie |
|---|---|
| デザイナー | ヴィコ・マジストレッティ(Vico Magistretti) |
| ブランド | Flou(フロウ) |
| 発表年 | 1978年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | ベッド |
| 構造 | ヘッドボードとベースを着脱できるカバーで覆い、面ファスナーで留める |
| カバー素材 | ファブリック、レザー、エコレザー |
| ヘッドボード | 角度調整が可能な仕様あり。二分割構造で左右別々に設定できる |
| ベース | 硬質、ボックススプリング、収納付き、固定式(高さ2種)、電動可動式ほか |
| サイズ展開 | シングル、ダブル、キングほか |
Reference
- Nathalie | Flou
- https://www.flou.it/en/products/nathalie