アンデルセン ベッド

アンデルセン ベッドは、イタリアの家具ブランド、ミノッティが発表したベッドである。デザインを手掛けたのは、1998年よりミノッティのアートディレクターを務めたロドルフォ・ドルドーニ。2010年に発表された同名のシーティングシステム「アンデルセン」のデザイン言語を寝室へと広げた一台で、余分な要素を削ぎ落としつつ仕立ての細部にこだわる姿勢が貫かれている。控えめなエレガンスと端正なプロポーションが、現代のインテリア空間に落ち着いた印象をもたらす。

このページでは、アンデルセン ベッドの特徴的な脚部とヘッドボード、構造と素材、アンデルセン システムとの関係を整理する。

デザインの特徴

最も印象的な特徴は、ミノッティ・スタジオが独自に設定したペルトロ(ピューター)カラーのダイカストメタル製脚部である。床からわずかに浮かぶような佇まいをつくるこの脚部は、アンチタッチの超光沢仕上げが施されている。海塩ミスト(塩水噴霧)に約300時間耐える耐性を備え、傷、化学物質、衝撃、紫外線にも強い。脚先には傷の付きにくいHytrel®製のグライド(保護材)が用いられる。

ヘッドボードは直線的でありながら豊かなボリュームを持ち、高反発ポリウレタンフォームによるパッディングが施されている。キルトバージョンでは、抗アレルギー繊維をセクションごとにキルティングした内張りが頭部を柔らかく包む。ヘッドボードは通常版とキルト版の2種が用意され、選ぶ張地によって表情が変わる。

構造と素材

フレームは多層木材を金属製のコーナージョイントで組み立てる構造で、組み立てやすさと堅牢性を両立させている。密度の異なる高反発ポリウレタンフォームを配し、その上を白いキャンバスに熱接着したファイバーで覆うことで、張り地と内部構造を適切に分ける。これらの細部は、ミノッティが長年培ってきたソファ製造の知見を反映している。

ベッドベースには垂直方向に調整できるスラット式システムを採用し、フレーム内の複数の位置に取り付けられる。スラットとベッド縁の距離は8cm、10.5cm、13cmの3段階で調整でき、さまざまなマットレスに対応する。

デザインの考え方

ドルドーニがアンデルセン ベッドで追求したのは、「余分なものを取り除きながら、決して省けない要素——仕立ての細部への配慮——を突き詰める」という考え方である。プロポーションの精度を重視する合理主義的な姿勢のもと、機能性と美的な魅力の調和を図っている。流行に左右されない普遍的な価値を目指す方向性は、ミノッティが掲げる「今日のクラシック、明日のクラシック(Classici Oggi, Classici Domani)」という考え方にも通じている。

アンデルセン システムとの関係

アンデルセン ベッドは、同名のシーティングシステムとデザイン言語を共有している。このシステムには、アンデルセン、アンデルセン スリム、アンデルセン ラインという3つのバリエーションがあり、それぞれ異なる空間的性格を持ちながら、共通の美的理念で結ばれている。アンデルセンやアンデルセン スリムは軽やかさを、アンデルセン ラインはより堅固な存在感を表現する。

ベッドもまた、この体系の中で寝室に同じ考え方を持ち込む役割を果たす。控えめなエレガンスという共通の特質により、選ぶ張地に応じて多様なスタイルに調和する。

基本情報

製品名 アンデルセン ベッド(Andersen Bed)
分類 ベッド
デザイナー ロドルフォ・ドルドーニ(Rodolfo Dordoni)
ブランド ミノッティ(Minotti)
発表年 2010年(アンデルセン システム)
サイズ クイーンサイズ、キングサイズ
主要素材 多層木材フレーム、高反発ポリウレタンフォーム、ダイカストメタル(ペルトロカラー)
脚部 ペルトロカラー・ダイカストメタル(アンチタッチ超光沢仕上げ/海塩ミスト約300時間耐性)、Hytrel®グライド
ベース 垂直調整式スラットベース(縁との距離 8 / 10.5 / 13cm)
仕上げ ファブリックまたはレザー張り(ミノッティコレクションより選択可能)
バリエーション 通常版、キルト版(Andersen Bed Quilt)
生産国 イタリア