概要
ウッデンドールは、アレキサンダー・ジラードが1952年に自邸のために制作した木製の人形である。人物や動物をかたどった多数の型があり、無垢のモミ材から削り出して手で彩色する。ジラードの没後、原型を含む資料はヴィトラ・デザイン・ミュージアムに収められ、それをもとにヴィトラが復刻している。
特徴・コンセプト
型を共有し、彩色で分ける
削り出した形は型ごとに決まっているが、彩色は一体ずつ手作業で行われる。色の濃淡や筆の運びが揃わないため、同じ型でも表情が一体ごとに変わる。工程の一部を手作業に残すことが、そのまま個体差になる。
民芸品を下敷きにする
ジラードは南米、アジア、東欧の民芸品を長く収集していた。ウッデンドールの造形は、そこに見られる単純化した人物や動物の表現を踏まえている。細部を写すのではなく、輪郭と色面だけで成り立たせる扱いである。
置くための人形
玩具として扱うこともできるが、寸法と彩色は棚や卓上に置くことを想定している。装飾の少ない室内に対して、色と形を持ち込む役を担う。
エピソード
ウッデンドールは、もともとジラードが自宅に飾るために作ったもので、当初は販売を想定していなかった。ジラードは、自分自身を満足させる設計こそ生産する価値があると述べている。
1993年のジラードの没後、資料と原型はヴィトラ・デザイン・ミュージアムに収められた。復刻版はこれをもとに、当時と同じく手作業で製作と彩色が行われている。
評価と影響
ジラードはハーマンミラーの繊維部門を率い、室内に色と模様を持ち込む仕事を続けた。ウッデンドールはその方向を、家具ではなく置物の形で示した例にあたる。同じヴィトラが製造するイームズ エレファントと同様、玩具と置物の中間に位置する。
アレキサンダー・ジラードの設計思想や経歴について詳しくはアレキサンダー・ジラードプロフィールページをご覧ください。
ヴィトラの歴史や他の製品について詳しくはヴィトラブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ウッデンドール / Wooden Dolls |
|---|---|
| デザイナー | アレキサンダー・ジラード(Alexander Girard) |
| ブランド | ヴィトラ(Vitra) |
| 発表年 | 1952年 |
| デザインの成立国 | アメリカ |
| 分類 | 木製オブジェ |
| 主要素材 | 無垢のモミ材(シルバーファー)、手塗り |
| 製法 | 手作業による削り出しと彩色。同じ型でも一体ごとに表情が異なる |
| 展開 | 人物・動物をかたどった多数の型 |
| 復刻の根拠 | ヴィトラ・デザイン・ミュージアムが所蔵するジラードの原型 |
Reference
- Wooden Dolls | Vitra
- https://www.vitra.com/en-us/product/details/wooden-dolls