概要
ウルトラフラゴラは、イタリアの建築家・デザイナーであるエットレ・ソットサスが1970年にデザインした、ミラーとライトを兼ねたオブジェである。名称はイタリア語の「イチゴ」に接頭辞を冠したものによる。
1970年、ミラノで開催された第3回エウロドムス展において、ソットサスが手がけた「モビリ・グリージ」(グレーファニチャー)シリーズの一部として発表された。シリーズの他の作品がプロトタイプ段階にとどまるなか、量産化されたのはウルトラフラゴラのみであり、現在もポルトロノヴァによって製造が続けられている。
特徴とコンセプト
フレームは真空成形した乳白色の樹脂による。透明な素材では光源の位置がそのまま見えるが、乳白色であれば内部で光が散乱し、面全体が均一に光る。消灯時は白い立体として、点灯時は光る面として現れる。光源は初期版がネオン、現行版がLEDによる。
高さ195cm、幅100cm、奥行13cm。鏡は全身を映す寸法をとり、その外周を波打つフレームが囲む。奥行が浅いため、壁面に沿って設置できる。
枠の形状
直線的な枠では鏡の矩形がそのまま輪郭になる。曲線の枠であれば、鏡面の矩形と外形が別々の図形として読める。真空成形は型に樹脂を吸着させる方法のため、複雑な曲面でも一体で成形できる。
シリーズの他の作品は試作にとどまり、量産されたのは本作のみである。
製造と評価・影響
ウルトラフラゴラの製造には、今なお職人の手仕事が欠かせない。すべての個体は1970年に制作されたオリジナルの型から熱成形され、ポルトロノヴァの工房で手作業により仕上げられる。各作品には個別番号と認証書が付属する。
フレーム自体が発光するため、周囲の照明がなくても輪郭が判別できる。鏡は光源を必要とするが、枠が光ればその役割を兼ねる。
同じソットサスによるカールトン・ルームディバイダーは、面ごとに色を分けて要素を判別させる。ウルトラフラゴラでは、光の有無が同じ役割を果たす。4館の公開データでは、ウルトラフラゴラの収蔵は確認できていない。
エットレ・ソットサスの設計思想や経歴について詳しくはエットレ・ソットサスプロフィールページをご覧ください。
ポルトロノヴァの歴史や他の製品について詳しくはポルトロノヴァブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass) |
|---|---|
| ブランド | ポルトロノヴァ(Poltronova) |
| デザイン年 | 1970年 |
| 発表 | 第3回エウロドムス展(ミラノ、1970年) |
| シリーズ | モビリ・グリージ(Mobili Grigi) |
| 寸法 | 高さ195cm × 幅100cm × 奥行13cm |
| 材質 | 真空成形オパール樹脂(アクリル系)、ミラーガラス、ネオン/LEDライト |
| 照明 | ピンク色ネオンチューブ(初期版)、ピンク色LED(現行版) |
| 生産国 | イタリア(トスカーナ) |
| 生産状況 | 現行生産(受注生産、個別番号・認証書付き) |