ベオサウンド エマージュは、バング&オルフセンが2021年に発表したコンパクトスピーカーである。デザインはベンジャミン・ヒューバート率いるLAYERが手がけた。幅67mmという薄い縦型の輪郭は、本棚に立てた書物からの発想による。

正面にはクヴァドラのファブリック、側面にはオーク材、上面にはパールブラスト加工のアルミニウムが配される。棚に並べても、独立して置いても成立する寸法と素材が選ばれている。

特徴・コンセプト

設置面積の小ささがこの製品の出発点にある。棚の間口を占める幅はわずか67mm。本棚の一角に差し込んでも、コンソールの端に立てても、空間を圧迫しない。書物に似せた輪郭は装飾的な引用ではなく、この寸法から導かれた帰結である。

薄い筐体のなかに、0.6インチツイーター1基、1.45インチミッドレンジ1基、4インチウーファー1基が収められる。想定される設置先は寝室や書斎といった限られた空間である。

操作面は本体上部に組み込まれている。棚に立てた状態でも手が届く位置に置かれており、設置の自由度を損なわないための配置である。

背景

ベンジャミン・ヒューバートは2015年にLAYERを設立し、家具から医療機器、電子機器まで幅広い分野で設計を手がけてきた。素材の性質から形を導く手法を特徴とし、この製品でもアルミニウム・オーク・織物という三つの素材が、それぞれ担う役割に応じて配置されている。

正面のファブリックはデンマークのテキスタイルメーカー、クヴァドラによる。音を通しながら内部を隠すという要求に対し、織物で応じる手法はバング&オルフセンの他の製品にも共通する。

評価

実務では、置き場所が限られる空間での選択肢になる。重量1.3kgは棚板への負担が小さく、賃貸住宅の作り付け収納にも載せられる。正面のファブリックと側面のオーク材によって、電子機器としての存在感が抑えられている点も、寝室やリビングの棚に置くうえでは利点となる。

一方、筐体の容積が小さいため、広い空間で音量を出す用途には向かない。同じバング&オルフセンでも、リビング全体を対象にするならベオサウンド バランス、フロア型を求めるならベオラブ 28が候補になる。

基本情報

デザイナーベンジャミン・ヒューバート / Benjamin Hubert(LAYER)
発表年2021年
ブランドバング&オルフセン / Bang & Olufsen
カテゴリーコンパクトスピーカー
素材オーク材、ファブリック(クヴァドラ)、アルミニウム、ポリマー
サイズ幅67mm × 高さ255mm × 奥行165mm
重量1.3kg
スピーカー構成0.6インチツイーター×1、1.45インチミッドレンジ×1、4インチウーファー×1
アンプ出力合計120W(クラスD)
再生周波数帯域45〜22,000Hz
推奨設置面積5〜30平方メートル
接続Wi-Fi(デュアルバンド)、Bluetooth 5.0、Beolink Multiroom