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ブルノチェアは、ミース・ファン・デル・ローエが1929年から1930年にかけて設計した椅子である。ノルが製造する。後ろ脚を持たない片持ちの構造による。枠の形状で2つの型式に分かれる。

このページでは、2つの型式の違い、片持ちの構造と設置、ライセンスを受けていない製品との違い、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ブルノチェアの正規品はKnoll(ノル、1938年創業、ニューヨーク)が1948年より独占製造権に基づき製造する。フローレンス・ノルの師であったミースが同社に家具製造権を付与した歴史的経緯を持つ。各チェアのフレームにKnollStudioロゴとミース・ファン・デル・ローエのサインが刻印される。チューブラー版とフラットバー版の2バージョンが存在し、いずれもカンチレバー構造の継ぎ目のないスチールフレーム、Dymetrol座面サスペンション、可変密度フォームを張った硬材の内部フレームを採用する。

正式名称 ブルノチェア。枠の形状で2つの型式に分かれる
製造ブランド ノル
主要素材 枠は鋼。複数の仕上げから選ぶ。座面は帯状の部材で支え、木の枠にフォームを重ねる。張地は布と革から選ぶ
サイズ(管の型) 管の型は幅577 × 奥行572 × 高さ800mm。座面の高さ438mm
サイズ(平らな帯の型) 平らな帯の型は幅550〜580 × 奥行590〜630 × 高さ790mm。座面の高さ445〜460mm、肘掛けの高さ665mm
肘掛けの当て物 肘掛けの当て物の有無を選ぶ。管の型では厚みのある座布団も選べる
収蔵 MoMA ブルノ チェア(1929〜30年) 収蔵番号 445.1956。V&A ブルノ チェア(1930年) 収蔵番号 CIRC.85-1969。メトロポリタン美術館 ブルノ アームチェア(1930年頃) 収蔵番号 1987.19
価格 ノルは公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。型式、張地、枠の仕上げで価格が変わる
正規品の表示 枠に製造元の表示と設計者の署名が刻まれる

2つの型式の違い

枠の形状で2つの型式に分かれる。管の型と平らな帯の型による。

比較項目 管の型 平らな帯の型
枠の断面 円形 平らな帯
奥行 572mm 590〜630mm
座面の高さ 438mm 445〜460mm
座布団 厚みのある仕様も選べる 標準の仕様による

座面の高さが最大22mm異なる。机との関係を確かめる。

枠の断面によって腕が触れる感触も変わる。実物で確かめられるとよい。

選び分けの目安

机と組み合わせる場合
座面の高さが型式によって異なる。机の高さを確かめる。
見え方で選ぶ場合
枠の断面が円形か平らな帯かで分かれる。
座り心地で選ぶ場合
管の型では厚みのある座布団も選べる。

片持ちの構造と設置

後ろ脚を持たない。前方に伸びた枠が座面を支える片持ちの構造による。

座ると枠が撓む。座り心地に関わる。

肘掛けを持つ。机の下に収める場合、肘掛けの高さ665mmを確かめる。

床に接する箇所は前方の曲線部にあたる。重ねられない。

選び分けの目安

座り心地で選ぶ場合
座ると枠が撓む。実際に座って確かめられるとよい。
机と組み合わせる場合
肘掛けの高さ665mm。机の下に収まるかを確かめる。
収納を考える場合
重ねられない。それぞれの置き場所が要る。

ライセンスを受けていない製品との違い

本製品には、ライセンスを受けていない類似の製品が流通する。

比較項目 正規品 ライセンスを受けていない製品
製造 ノルによる 製造元は個々に異なる
鋼。複数の仕上げから選ぶ 公表されない場合がある
座面の支持 帯状の部材による 公表されない場合がある
表示 枠に表示と署名が刻まれる 刻まれない
部品の供給 取扱店を通じて相談できる 個々に異なる

片持ちの構造で荷重を支えるため、枠の材質と断面は強度と座り心地に関わる。確認する事項になる。

選び分けの目安

強度を確かめる場合
枠の材質と断面を確認する。片持ちで荷重を支える構成にあたる。
正規品を確かめる場合
枠に表示と署名が刻まれる。
長く使う前提の場合
部品の供給と張り替えの対応を確かめる。

同じ設計者・同種の椅子との比較

片持ちの椅子は枠の断面と座面の構成で性格が分かれる。

比較項目 ブルノチェア MRチェア S 33 チェア
鋼(2つの断面から選ぶ) 鋼管 鋼管
座面 フォームに張地を張る 籐または革 厚い革(詰め物なし)
肘掛け 持つ 型式による 持たない
座面の高さ 438〜460mm 460mm 460mm
脚先の部材 取扱店に確認する 付属する 別売

選び分けの目安

座り心地で選ぶ場合
フォームに張地を張る。詰め物を持たない椅子とは異なる。
机と組み合わせる場合
肘掛けを持つ。机の下に収まるかを確かめる。
見え方で選ぶ場合
枠の断面を2つから選べる。

使用感と設置条件

座面の構成

帯状の部材が座面を支え、木の枠にフォームを重ねる。

張地は布と革から選ぶ。選べる範囲は取扱店に確認する。

肘掛け

当て物の有無を選ぶ。当て物がない場合、腕が枠に直接触れる。

肘掛けの高さは665mm。机の下に収まるかを確かめる。

床との関係

前方の曲線部が床に接する。金属にあたる。

脚先の部材の有無は取扱店に確認する。床材への影響を確かめる。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

革の張地は使用によって色と質感が変わる。乾燥すると硬くなる。

布の張地は日光で色褪せる。摩擦で毛羽立つ場合がある。

めっきの枠は湿気の多い環境で曇る。細かい傷も目立つ。

撓む構造のため、枠には繰り返しの力がかかる。

日常の手入れ

革の張地
乾いた柔らかい布で拭く。水分をすぐに拭き取る。
布の張地
埃を払う。生地によって手入れの方法が異なる。取扱店に確認する。
柔らかい布で拭く。研磨剤は仕上げを損なう。
床に接する箇所
擦れを確かめる。脚先の部材の有無も確認する。

修理と部品

張地の交換と枠の再めっきについては、取扱店を通じて相談する。

座面を支える部材の補修もあわせて確認する。

どこで買うか

取扱店の調べ方

ノルは公式サイトで製品情報を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

型式、張地、枠の仕上げを決めてから注文する。納期も確かめる。

実物を確認する

座った際の撓み方は、実際に座って確かめられるとよい。

枠の断面による腕の感触も現物で分かる。

中古の流通

製造の時期によって仕様が異なる場合がある。年式を確かめる。

確認箇所は、張地の状態、枠のめっきと変形、座面を支える部材、枠の表示である。

購入前チェックリスト

  • 2つの型式(枠の断面。座面の高さが最大22mm異なる)
  • 片持ちの構造(座ると枠が撓む)
  • 肘掛けの高さ665mm(机の下に収まるか)
  • 肘掛けの当て物の有無
  • 張地の選択(選べる範囲を取扱店に確認する)
  • 重ねられないこと
  • 金属が床に接すること(脚先の部材を確認する)
  • 枠の表示と署名

よくある質問

価格はどのくらいですか?
ノルは公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。型式、張地、枠の仕上げで価格が変わります。
どこで購入できますか?
ノルの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
2つの型式の違いを教えてください。
枠の断面が円形か平らな帯かで分かれます。奥行が572mmと590〜630mm、座面の高さが438mmと445〜460mmで、座面の高さは最大22mm異なります。管の型では厚みのある座布団も選べます。
座ると揺れますか?
後ろ脚を持たない片持ちの構造のため、座ると枠が撓みます。座り心地に関わるため実際に座ってお確かめください。
机の下に収まりますか?
肘掛けの高さは665mmです。机の下に収める場合はこの高さをお確かめください。
設置に必要な寸法を教えてください。
管の型は幅577×奥行572×高さ800mm、平らな帯の型は幅550〜580×奥行590〜630×高さ790mmです。重ねられないため複数を用いる場合はそれぞれの置き場所が必要です。
収蔵されている美術館はありますか?
ニューヨーク近代美術館(1929〜30年、収蔵番号445.1956)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(1930年、CIRC.85-1969)、メトロポリタン美術館(1930年頃、1987.19)が収蔵しています。
正規品かどうかはどう見分けますか?
枠に製造元の表示と設計者の署名が刻まれます。また片持ちの構造で荷重を支えるため、枠の材質と断面が強度と座り心地に関わります。