このページについて

マラルンガは、ヴィコ・マジストレッティが1973年に発表した長椅子である。カッシーナが製造する。背もたれの上部を起こして高さを切り替えられる。張地はカバーを着脱できる仕様と張り込む仕様に分かれる。

このページでは、背もたれの切り替え、張地の2つの仕様、ライセンスを受けていない製品との違い、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

マラルンガの正規品は、イタリアの高級家具メーカーCassina(カッシーナ)社が製造し、日本国内ではカッシーナ・イクスシー(Cassina ixc.)が総代理店として流通を管理している。半世紀以上の歴史のなかで、オリジナル、40周年記念モデル(40/40-S)、マキシ(40 MAXI)、50周年記念モデル(50)と、時代に応じた進化を遂げてきた。以下に、現行モデルの主要スペックを整理する。

正式名称 マラルンガ
製造ブランド カッシーナ
鋼管の枠にゴムの帯を張る
詰め物 密度の異なるウレタンのフォームと化学繊維による
張地 2つの仕様に分かれる。カバーを着脱できる布の仕様と、張り込む革の仕様がある。選べる範囲は取扱店に確認する
脚の先端 樹脂または無垢材から選ぶ
背もたれの機構 背もたれの上部を起こして高さを切り替える。内部に機構を備える
価格 カッシーナは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。寸法と張地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける
納期 受注生産。納期は取扱店に確認する
収蔵 本ページが扱う長椅子の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない。同じ系列では、MoMA が肘掛椅子(1973年、収蔵番号 112.1976)を収蔵している

サイズ・価格一覧(675 MARALUNGA / MARALUNGA 40-S)

寸法
1人掛け 幅970 × 奥行895 × 高さ730〜1,030mm
2人掛け 幅1,620 × 奥行895 × 高さ730〜1,030mm
2人掛け(広い型) 幅1,890 × 奥行895 × 高さ730〜1,030mm
3人掛け 幅2,350 × 奥行895 × 高さ730〜1,030mm
3人掛け(広い型) 幅2,720 × 奥行895 × 高さ730〜1,030mm
足を置く台 幅860 × 奥行600 × 高さ490mm
座面と肘掛けの高さ 座面465mm、肘掛け560mm。型によらず共通する

これらのほかに、寸法を大きくした型もある。従来の型より幅が約35%、奥行が約10%大きい。取り扱いは取扱店に確認する。

背もたれの切り替え

背もたれの上部を起こして高さを切り替えられる。内部に機構を備える。

高さは730mmから1,030mmまで変わる。300mmの差が生じる。

そのため、頭を預ける場合と背中のみを預ける場合で使い分けられる。

可動する部分があるため、動きと状態が使い勝手に関わる。中古では確かめる。

選び分けの目安

座り方を考える場合
背もたれの高さを切り替えられる。実物で確かめられるとよい。
置き場所を確かめる場合
高さが730〜1,030mmで変わる。高い状態も想定する。
中古を検討する場合
可動する機構の動きを確かめる。

張地の2つの仕様

張地は2つの仕様に分かれる。カバーを着脱できる布の仕様と、張り込む革の仕様がある。

比較項目 布の仕様 革の仕様
カバー 着脱できる 張り込む
手入れ 外して手入れできる 表面から手入れする
張り替え カバーの交換による 業者による作業

布の仕様ではカバーを外して手入れできる。革の仕様は表面から手入れすることになる。

長く使う前提では、張り替えの条件が分かれる。取扱店に確認する。

選び分けの目安

手入れの手間を考える場合
布の仕様はカバーを外せる。革の仕様とは条件が異なる。
長く使う前提の場合
張り替えの条件が分かれる。取扱店に確認する。
質感で選ぶ場合
布と革で異なる。実物で確かめられるとよい。

ライセンスを受けていない製品との違い

本製品には、ライセンスを受けていない類似の製品が流通する。

比較項目 正規品 ライセンスを受けていない製品
製造 カッシーナによる 製造元は個々に異なる
鋼管とゴムの帯 公表されない場合がある
背もたれの機構 内部に機構を備える 備わらない場合がある
張地の仕様 布と革の2つから選ぶ 個々に確認が要る
部品の供給 取扱店を通じて相談できる 個々に異なる

背もたれを切り替える機構を備える構成のため、機構の仕様は使い勝手と耐久に関わる。確認する事項になる。

選び分けの目安

機構を確かめる場合
背もたれを切り替える機構が備わるかを確認する。
手入れの手間を考える場合
正規品は布の仕様でカバーを外せる。
長く使う前提の場合
部品の供給と張り替えの対応を確かめる。

同じ製造元・同種の長椅子との比較

長椅子は可動する部分と張地の扱いで性格が分かれる。

比較項目 マラルンガ ソリアナ LC1 バスキュラントチェア
可動する部分 背もたれの高さを切り替える 持たない 背もたれが回転する
カバー 布の仕様では着脱できる 取り外せる 該当しない
鋼管とゴムの帯 締め具が詰め物を挟む 鋼管に革を張る
座面の高さ 465mm 420mm 400mm
奥行 895mm 1,050mm 650mm

選び分けの目安

座り方を考える場合
背もたれの高さを切り替えられる。固定される製品とは異なる。
手入れの手間を考える場合
布の仕様ではカバーを外せる。
立ち座りを考える場合
座面の高さ465mm。他の製品より高い。

使用感と設置条件

寸法の選択

幅970mmから2,720mmまで5つの型がある。奥行はいずれも895mm。

座面の高さは465mm、肘掛けの高さは560mm。型によらず共通する。

足を置く台

幅860 × 奥行600 × 高さ490mm。組み合わせる場合、置き場所も想定する。

座面の高さ465mmに対し台は490mm。わずかに高い。

床との関係

脚の先端は樹脂または無垢材から選ぶ。

床材に応じて選ぶ。取扱店に相談する。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

布の張地は日光で色褪せる。摩擦で毛羽立つ場合がある。

革の張地は使用によって色と質感が変わる。乾燥すると硬くなる。

フォームは経年で沈む。座る位置が偏ると差が生じる。

ゴムの帯は経年で伸びる。背もたれの機構も緩む場合がある。

日常の手入れ

布の張地
埃を払う。カバーを外して手入れできる。方法を取扱店に確認する。
革の張地
乾いた柔らかい布で拭く。水分をすぐに拭き取る。
背もたれの機構
動きと緩みを定期的に確かめる。
脚の先端
摩耗を確かめる。床材への影響も確認する。

修理と部品

張地の交換と背もたれの機構の調整については、取扱店を通じて相談する。

布の仕様ではカバーのみの交換もできる。あわせて確認する。

どこで買うか

取扱店の調べ方

カッシーナは公式サイトで取扱店を案内している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

受注生産にあたる。寸法と張地を決めてから製作される。納期を確かめる。

実物を確認する

背もたれを切り替える動きは、実物で確かめられるとよい。

布と革では質感が異なる。現物で分かる。

中古の流通

相場は寸法、張地、状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、背もたれの機構の動き、張地の状態、フォームの沈み、ゴムの帯の伸びである。

購入前チェックリスト

  • 背もたれの高さを切り替えられること(730〜1,030mm)
  • 張地の仕様(布はカバーを着脱でき、革は張り込む)
  • 寸法の選択(幅970〜2,720mm。奥行895mm)
  • 座面の高さ465mm、肘掛けの高さ560mm
  • 足を置く台の要否(高さ490mm)
  • 脚の先端の素材(床材に応じて選ぶ)
  • 背もたれの機構の定期的な確認
  • 受注生産の納期

よくある質問

価格はどのくらいですか?
カッシーナは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。寸法と張地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
カッシーナの公式サイトで取扱店が案内されています。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。受注生産にあたるため納期もお確かめください。
背もたれは動くのですか?
上部を起こして高さを切り替えられます。高さは730mmから1,030mmまで変わり、頭を預ける場合と背中のみを預ける場合で使い分けられます。実物でお確かめください。
張地の仕様を教えてください。
2つに分かれます。布の仕様はカバーを着脱でき外して手入れできます。革の仕様は張り込むため表面から手入れすることになり、張り替えは業者による作業になります。
どのような寸法がありますか?
幅970mmから2,720mmまで5つの型があり、奥行はいずれも895mmです。座面の高さは465mm、肘掛けの高さは560mmで型によらず共通します。
足を置く台はありますか?
幅860×奥行600×高さ490mmのものがあります。座面の高さ465mmに対しわずかに高くなります。組み合わせる場合は置き場所も想定してください。
収蔵されている美術館はありますか?
本ページが扱う長椅子の収蔵は確認できていません。同じ系列では、ニューヨーク近代美術館が肘掛椅子を収蔵しています(1973年、収蔵番号112.1976)。
手入れはどうすればよいですか?
布の張地は埃を払い、カバーを外して手入れできます。革の張地は乾いた柔らかい布で拭き、水分をすぐに拭き取ってください。背もたれの機構は動きと緩みを定期的にお確かめください。