概要

クラウドは、スペイン・バレンシアのヨノー・クリエイティブ・スタジオがBoliaのために設計し、2016年に発表したソファである。ソファのほかにアームチェアとオットマンを含む系列として構成される。座と背の張りぐるみを細い脚で床から離して支える構成をとる。現在はSteelcaseとBoliaの提携によるコレクションで、2人半掛けと3人掛けの2つの寸法が扱われている。

特徴・コンセプト

支えるものと触れるものを分ける

設計者は、この系列を要素を減らしていく作業として構想したと説明している。狙いのひとつが、量塊を床から浮かせて見せることだった。座と背の張りぐるみは床からわずかに離して置かれ、荷重を床へ伝える脚は細く絞られている。支える部分と身体が触れる部分が視覚の上で切り分けられるため、厚みのある座面をもちながら重く見えない。

脚が細くて済むのは、荷重の伝達だけを受け持たせて、外形の輪郭づくりから外しているからである。ソファの外形は張りぐるみの側だけで決まり、脚はその下に短く現れる。

背とアームを同じ高さで納める

Steelcaseが公表する仕様では、全高とアームの高さがいずれも750mmで揃う。背もたれの上端とアームの上端が同じ線に並ぶため、外形は角のとれた矩形にまとまり、面の連なりとして見える。座面高は430mm、座面奥行は580mmで、奥行820mmの本体に対して腰を深く沈めすぎない寸法に置かれている。

幅は2人半掛けが1920mm、3人掛けが2220mmで、奥行と高さは共通である。座の量塊の高さを変えずに幅だけを伸ばすため、どちらの寸法でも見え方の比率が大きく崩れない。

内部の構造と仕上げ

内部構造にはFSC認証を受けた木材が用いられる。外から見えない部分に木を使い、外側は張り地で覆うため、量塊の輪郭は張りの仕立てで決まる。Steelcaseのコレクションで扱われる仕様では、脚部はブラックラッカー仕上げのスチールである。

エピソード

Boliaはデンマークのブランドだが、この系列を任されたのはバレンシアで活動するヨノー・クリエイティブ・スタジオだった。スタジオはクララ・デル・ポルティージョとアレックス・セルマが運営しており、北欧の美意識に地中海側の手つきを重ねる立場から設計にあたっている。

設計者は、最初のスケッチの段階から浮いて見える状態を目標に置き、そこから逆算して要素を落としていったと述べている。装飾的な処理を持たないぶん、比例と細部の納まりが形の質を決めることになった。

発表から数年を経て、クラウドはSteelcaseとBoliaの提携によるコレクションに含まれ、事務空間や共用部に向けた寸法と仕上げで供給されるようになった。

基本情報

名称 クラウド ソファ / Cloud Sofa
デザイナー ヨノー・クリエイティブ・スタジオ(Yonoh Creative Studio)
ブランド Bolia
発表年 2016年
デザインの成立国 スペイン
分類 2人掛け以上のソファ
主要素材 FSC認証木材(内部構造)、張り地、スチール(脚部)
サイズ 2人半掛け 幅1920mm、3人掛け 幅2220mm(いずれも奥行820mm × 高さ750mm、座面高430mm、座面奥行580mm、アーム高750mm/SteelcaseとBoliaの提携コレクションの仕様)
系列 ソファ、アームチェア、オットマン

Reference

Cloud - Yonoh Studio(設計者による製品ページ/発表年・設計意図)
https://www.yonoh.es/project/cloud/
Cloud Lounge Sofa by BOLIA | Steelcase(仕様・寸法)
https://www.steelcase.com/eu-en/products/sofas/cloud-sofa/