このページについて
ABCD ソファは、ピエール・ポランが1968年に設計しアーティフォートが製造したソファである。木の骨組みにフォームを重ね、伸縮する布で覆う。現行の品目には含まれておらず、中古での入手が中心となる。
このページでは、現行生産の状況と中古で選ぶ際の確認点、寸法と座面の低さ、張り替えの条件、手入れを扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ピエール・ポランの設計思想や経歴について詳しくはピエール・ポラン プロフィールページをご覧ください。
ABCD ソファのデザインストーリーについて詳しくはABCD ソファ紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
ABCD ソファはアーティフォート社が製造した正規品であり、モデル番号F260シリーズとして展開された。1席(F261)から5席以上まで対応するモジュラーシステムであり、席数に応じてサイズが異なる。以下は主要なバリエーションの仕様をまとめたものである。
| 正式名称 | ABCD ソファ |
|---|---|
| 製造ブランド | アーティフォート |
| 製造国 | オランダ |
| 主要素材(フレーム) | 木の骨組みとスチールの台座による |
| 主要素材(クッション) | フォームによる。3本の帯を並べる構成をとる |
| 張地 | 伸縮する布による。張り替えに応じる場合がある |
| 脚部(初期版) | 球状のキャスターによる |
| 脚部(後期版) | 立方体の脚による |
| サイズ:1人掛け(F261) | 幅約850 × 奥行約750 × 高さ約600mm。座面高約380mm |
| サイズ:2人掛け(F262) | 幅約1,600 × 奥行約750 × 高さ約600mm |
| サイズ:3人掛け | 幅約2,400 × 奥行約630〜800 × 高さ約630mm。座面高約350mm |
| カラーバリエーション | 単色のほか、複数の色を組み合わせた仕様がある。張り替えにより色を変えられる場合がある |
| モジュール構成 | 複数の席数に対応する構成をとる |
| 付属品(初期版のみ) | キャスター用の滑り止めが付属した。現存する個体は限られる |
| 収蔵 | 本製品の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない |
| 現行生産状況 | 現行の品目には含まれていない。入手は中古が中心となる |
| 価格 | 相場は席数、状態、年式、張り地の状態で幅があり、一定していない |
現行生産の状況
本製品は現行の品目には含まれていない。新品での購入はできず、入手は中古が中心となる。
そのため、状態と付属の部材が個体ごとに異なる。同じ席数の構成でも、年式によって脚の形が変わる。初期の個体は球状のキャスター、後期の個体は立方体の脚による。
張り替えに応じる業者があるが、伸縮する布を用いる構成のため、対応の可否を事前に確認する。
中古で選ぶ際の確認点
- フォームの状態
- 1968年以降の個体にあたり、内部のフォームは劣化している場合がある。座ったときの沈み方で判断する。交換の可否も確かめる。
- 張り地
- 伸縮する布のため、伸びと色褪せが現れる。張り替えを前提とするか、現状の状態を受け入れるかを決める。
- 脚とキャスター
- 初期の個体は球状のキャスターによる。転がるため、滑り止めの有無を確かめる。
- 席数と部材
- 複数の席数に対応する構成のため、必要な部材が揃っているかを確かめる。
類似商品・競合との比較
フォームを主体とするソファは、骨組みの有無と張り地の扱いで性格が分かれる。
| 比較項目 | ABCD ソファ | ロッドビーンソファ | UP5_6 アームチェア&オットマン |
|---|---|---|---|
| 骨組み | 木とスチール(内部に隠れる) | 鋼管と樹脂の板 | 持たない |
| 張り地 | 伸縮する布 | 布または革 | フォームと一体 |
| 張り替え | 業者による(可否を確認) | 取扱店を通じて対応 | できない |
| 座面高 | 約350〜380mm | 約380mm | 該当しない |
| 現行生産 | されていない | されている | されている |
選び分けの目安
- 新品で購入したい場合
- この製品は現行の品目に含まれていない。現行生産される製品が該当する。
- 張り替えを想定する場合
- 伸縮する布を用いる構成のため、対応の可否を事前に確認する。フォームと一体の構成では張り替えができない。
- 低い座面を求める場合
- 座面高は約350〜380mm。一般的なソファ(400mm前後)より低い。
使用感と設置条件
座面の高さ
座面高は約350mmから約380mm。一般的なソファ(400mm前後)より低い。
低い座面では、脚を前へ投げ出す姿勢になりやすい。立ち座りの動作も変わる。
構造
木の骨組みにフォームを重ね、伸縮する布で覆う。骨組みは布の内側に隠れる。
フォームは3本の帯を並べる構成をとる。この構成が表面の輪郭をつくる。
脚とキャスター
初期の個体は球状のキャスター、後期の個体は立方体の脚による。年式によって異なる。
キャスターの個体は転がる。滑り止めが付属したが、現存する個体は限られる。床材によっては別に用意することになる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
伸縮する布は、繰り返しの荷重で伸びる。伸びた箇所は元に戻らない。日光で色も褪せる。
内部のフォームは経年で劣化する。1968年以降の個体にあたるため、当初のフォームが残る個体では硬化や崩れが進んでいる場合がある。
スチールの台座は錆びる場合がある。とくに床に接する箇所を確かめる。
日常の手入れ
- 布
- 掃除機のブラシ付きノズルで埃を吸う。伸縮する布のため、強く引かない。
- 座る位置
- 偏ると、その箇所のフォームと布が先に傷む。位置を変えて使う。
- 脚とキャスター
- 動きと状態を確かめる。床材に合った滑り止めを用いる。
- 置き場所
- 直射日光を避ける。布の色褪せが早く進む。
張り替えとフォームの交換
張り替えに応じる業者があるが、伸縮する布を用いる構成のため対応の可否を事前に確認する。
フォームの交換についても、あわせて相談する。3本の帯を並べる構成のため、当初の輪郭を再現できるかが判断の分かれ目になる。
どこで買うか
入手の方法
現行の品目には含まれていないため、中古での入手が中心となる。国内外の中古を扱う店舗と、競売による取引がある。
相場は席数、状態、年式、張り地の状態で幅があり、一定していない。
実物を確認する
個体ごとに状態が異なる。座ったときの沈み方でフォームの状態を判断できる。
写真では布の伸びと色褪せが判断しにくい。可能であれば現物を確かめる。
確認箇所
布の伸びと色褪せ、内部のフォームの硬化と崩れ、スチールの台座の錆、脚とキャスターの状態、席数に応じた部材が揃っているかである。
張り替えとフォームの交換を前提とする場合、対応できる業者を先に確かめる。費用も含めて判断することになる。
購入前チェックリスト
- 現行生産されていないこと(中古での入手)
- フォームの状態(沈み方で判断する)
- 張り地の伸びと色褪せ
- 年式による脚の違い(球状のキャスター/立方体の脚)
- キャスターの個体は滑り止めの有無
- 席数に応じた部材が揃っているか
- 座面高約350〜380mm(一般的なソファより低い)
- 張り替えとフォームの交換に対応できる業者
よくある質問
- 新品で購入できますか?
- 現行の品目には含まれていないため、新品での購入はできません。入手は中古が中心となります。
- 価格はどのくらいですか?
- 相場は席数、状態、年式、張り地の状態で幅があり、一定していません。
- 中古で選ぶ際は何を確認すればよいですか?
- 布の伸びと色褪せ、内部のフォームの硬化と崩れ、スチールの台座の錆、脚とキャスターの状態、席数に応じた部材が揃っているかをご確認ください。フォームの状態は座ったときの沈み方で判断できます。
- 脚の形が個体によって違うと聞きました
- 年式によって異なります。初期の個体は球状のキャスター、後期の個体は立方体の脚によります。キャスターの個体は転がるため、滑り止めの有無をご確認ください。滑り止めは付属しましたが、現存する個体は限られます。
- 張り替えはできますか?
- 応じる業者がありますが、伸縮する布を用いる構成のため対応の可否を事前にご確認ください。フォームの交換についてもあわせてご相談ください。3本の帯を並べる構成のため、当初の輪郭を再現できるかが判断の分かれ目になります。
- 座り心地はどうですか?
- 座面高は約350mmから約380mmで、一般的なソファ(400mm前後)より低くなります。脚を前へ投げ出す姿勢になりやすく、立ち座りの動作も変わります。
- どんな構造ですか?
- 木の骨組みにフォームを重ね、伸縮する布で覆います。骨組みは布の内側に隠れます。フォームは3本の帯を並べる構成で、これが表面の輪郭をつくります。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 布は掃除機のブラシ付きノズルで埃を吸います。伸縮する布のため強く引かないでください。座る位置が偏るとその箇所のフォームと布が先に傷むため、位置を変えて使ってください。直射日光は布の色褪せを早めるため避けてください。