このページについて

ジューシーサリフは、フィリップ・スタルクが設計しアレッシィが1990年から製造するシトラススクイーザーである。3本の脚が本体を持ち上げるため、下にグラスを直接置ける。受け皿を持たない。

このページでは、正規品の仕様、同じ用途の他の器具との比較、使い勝手と手入れ、購入できる場所を扱う。造形の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ジューシーサリフは、イタリア・ピエモンテ州オメーニャのアレッシィ工場でアルミニウム鋳造により製造されている。一体成型されたボディには鏡面研磨が施され、金属ならではの光沢を放ちながら光を美しく反射する。日本国内ではアレッシィの正規輸入品および並行輸入品が流通している。

正式名称 ジューシーサリフ シトラススクイーザー / Juicy Salif Citrus Squeezer
型番 PSJS
素材 アルミニウムの鋳造、鏡面研磨
サイズ 直径140mm × 高さ290mm(メーカー公表値)
重量 約400g
用途 柑橘の搾汁
参考価格 メーカー公式(米国サイト)で150米ドル(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる
製造国 ベトナム(設計・開発・品質管理はイタリア)
美術館収蔵 MoMA(48.2000.1-2)/Met(2001.523)/V&A(M.22-2016)/AIC(2016.411)

バリエーションと限定版

スタンダード(PSJS)
アルミニウム鋳造の標準モデル。金属の質感を残した仕上げが特徴。最も広く流通している定番モデルであり、参考価格は¥12,100〜15,000(税込目安)。
10周年記念ゴールドエディション(2000年)
発売10周年を記念して製造された金メッキ仕様の限定10,000個。個別にナンバリングされたコレクターアイテム。現在はヴィンテージ市場で高値で取引されている。なお金メッキ版には、果汁の酸が金メッキを腐食させるため実際の搾汁には使用しないよう注意書きが添えられ、観賞用(オブジェ)として位置づけられた。
25周年記念エディション(2015年)
白いセラミックコーティングを施したアルミニウム版(PSJS W)と、鋳造ブロンズの限定版(PSJS SP、299個ナンバリング、オフィチーナ・アレッシィ)が製作された。ブロンズ版は完売済みのコレクターズアイテムで、現在は中古市場で高値で取引されている。

類似商品・競合との比較

柑橘を搾る器具は、受け皿を持つかどうかで扱いが分かれる。搾った果汁をどこで受け、種や果肉をどう扱うかが選択の分かれ目になる。

比較項目 ジューシーサリフ 受け皿一体型のスクイーザー 電動スクイーザー
果汁の受け方 下に置いたグラスへ直接落ちる 本体の受け皿に溜まる 本体の容器に溜まる
移し替え 不要 器へ移す動作が加わる 器へ移す動作が加わる
種・果肉の分離 なし(そのまま落ちる) 受け皿の目で分離する製品が多い 分離する製品が多い
飛散 抑える構造を持たない 受け皿の縁が抑える 本体が覆う
電源 不要 不要 必要
洗浄 手洗い(食器洗浄機は不可) 製品による 部品ごとに分解する

選び分けの目安

搾ってすぐ飲む場合
ジューシーサリフはグラスへ直接落ちるため、移し替えの動作が省ける。器具としての機能は受け皿付きに劣るが、この一点では優位に働く。
種や果肉を取り除きたい場合
ジューシーサリフには分離する機構がない。濾す必要があれば、別に用意することになる。
多量を搾る場合
電動の製品が適する。ジューシーサリフは1個ずつ手で押し当てて回す。

使用感と設置条件

搾り方

3本の脚のあいだにグラスを置き、半分に切った柑橘を先端に押し当てて回す。果汁は本体の溝を伝って下へ落ちる。溝は先端から裾へ放射状に配され、経路を定める。

受け皿を持たないため、種と果肉もそのまま落ちる。濾したい場合は、グラスの上に茶漉しなどを置くことになる。押し当てる力が強いと果汁が横へ飛ぶ。

置き場所

高さ290mm、脚を含む直径は140mm。脚のあいだにグラスが入る高さが要る。背の高いグラスでは本体に当たるため、脚の間隔と高さに収まる器を選ぶ。

3本の脚で立つため、接地点が3箇所に限られる。平らでない面では安定しない。脚の先には樹脂の保護材が付く。

使わないとき

鏡面に研磨されているため、指紋と水滴の跡が残る。出したまま置く場合、この点が手入れの頻度に関わる。

経年変化とメンテナンス

素材に起きること

アルミニウムは柑橘の酸に反応する。果汁が付いたまま放置すると、表面が黒ずんだり曇ったりする。これは素材そのものの性質で、洗い流しても戻らない場合がある。

鏡面の研磨面は柔らかく、硬いものが当たると傷が付く。食器洗浄機の高温と洗剤は表面を曇らせるため使えない。

日常の手入れ

使用直後
果汁を洗い流す。放置する時間が短いほど、表面の変質が起きにくい。
洗い方
ぬるま湯と柔らかいスポンジで手洗いする。研磨剤入りのものと金属たわしは鏡面を傷めるため用いない。
乾燥
洗ったあとは乾いた布で水気を拭き取る。自然乾燥では水滴の跡が残る。

部品の交換

脚先の保護材は交換部品として販売されている。正規取扱店またはメーカーの公式サイトで扱う。

どこで買うか

正規輸入品と並行輸入品

日本国内では正規輸入品と並行輸入品の両方が流通している。正規輸入品には国内の輸入代理店による保証が付く。並行輸入品はこの保証の対象外となる場合があり、購入前に販売元を確認しておく必要がある。

取扱店の調べ方

アレッシィは公式サイトで取扱店の一覧を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。公式のオンラインストアも運営されている。

限定仕様

2000年には金めっきを施した限定版が製造された。金は酸に反応するため、この仕様は使用を前提としない。2015年にはセラミックコーティング版と鋳造ブロンズの限定版が製作されている。

18/10ステンレス製のミニチュアも別型番で用意されている。

中古の流通

生産が続いているため、中古を選ぶ理由は主に限定仕様にある。相場は年式と状態で幅があり、一定していない。確認箇所は、鏡面の傷、酸による変質の程度、脚先の保護材の有無である。保護材は交換部品があるため、欠品していても補える。

購入前チェックリスト

  • 正規輸入品か並行輸入品かの確認(保証の適用範囲が異なる)
  • 脚のあいだに置けるグラスの高さ(本体高290mm、脚の直径140mm)
  • 種や果肉を濾す道具を別に用意するか
  • 食器洗浄機が使えないこと
  • 使用後すぐに果汁を洗い流せる環境か
  • 鏡面のため指紋と水滴の跡が残ること

よくある質問

正規品の価格はどのくらいですか?
メーカー公式の米国サイトでは150米ドルです(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。並行輸入品は安い場合がありますが、保証の適用範囲が異なることがあります。
どこで購入できますか?
アレッシィの公式サイトで取扱店の一覧が公開されています。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。公式のオンラインストアもあります。
製造国はどこですか?
ベトナムです。アレッシィは全製品の設計・開発・品質管理をイタリアで行い、一部の品目は各地の協力先で製造すると公表しています。
実際に果汁を搾れますか?
搾れます。3本の脚のあいだにグラスを置き、半分に切った柑橘を先端に押し当てて回すと、果汁が本体の溝を伝って下へ落ちます。ただし受け皿を持たないため、種と果肉もそのまま落ちます。濾したい場合はグラスの上に茶漉しなどを置いてください。
食器洗浄機は使えますか?
使えません。高温と洗剤が鏡面を曇らせます。ぬるま湯と柔らかいスポンジで手洗いし、乾いた布で水気を拭き取ってください。
表面が黒ずむことはありますか?
あります。アルミニウムは柑橘の酸に反応するため、果汁が付いたまま放置すると表面が黒ずんだり曇ったりします。素材そのものの性質で、洗い流しても戻らない場合があります。使用後はすぐに洗い流してください。
どんなグラスが置けますか?
本体の高さは290mm、脚を含む直径は140mmです。脚のあいだにグラスが入る高さが必要で、背の高いグラスは本体に当たります。脚の間隔と高さに収まる器をお選びください。
他に検討すべき製品はありますか?
種や果肉を分離したい場合や、果汁の飛散を抑えたい場合は、受け皿一体型のスクイーザーが適します。多量を搾る場合は電動の製品が向きます。同じブランドの据え置き型の器具としては、Anna G. コルクスクリューや9093ケトルがあります。