チューブ クロックは、オランダのデザイナー、ピート・ハイン・イークがアムステルダムのデザインブランド「LEFF Amsterdam」のために手がけた置き時計である。工業製品の製造技法である押出成形(エクストルージョン)から着想を得たリング状のダイヤルが、この時計の最も目を引く特徴となっている。
特徴・コンセプト
チューブ クロックのデザインで、ピート・ハイン・イークは押出成形という製造技法に着目した。押出成形は、金属などの素材を金型に通して押し出し、その断面形状で製品の形を決める技法である。イークはこの原理を時計の文字盤リングに応用し、歯車を思わせる独特のインデックスを生み出した。
本作の発想は「100年前にも作れたはずの時計」という考え方に基づく。最新技術を誇示するのではなく、流行に左右されない普遍的な形を目指した。これは「普通でありながら、なお特別である」というLEFF Amsterdamの姿勢にも通じている。
素材にはスチールを用い、ブラック、ブラス、コッパー、ステンレススチールといったフィニッシュが用意されている。内部には日本製クォーツムーブメントを搭載し、3針式で時刻を表示する。後に発表されたアラーム機能付きモデルでは、デザインを損なわないよう操作部が背面に配置されている。
誕生の経緯
押出成形のリングを時計のダイヤルに用いるという発想は、単純でありながら、それまで前例がなかった。開発にあたり類似のデザインを探したものの、見つからなかったという。この経験からイークは、最も単純な解決策がまだ試されずに残っていることがある、との考えを深めた。
評価
チューブ クロックは、発表以来、現代オランダデザインを代表する一品として国際的に知られている。工業的な製造技法を造形の要素として用いた着想と、流行に左右されない簡潔な形が評価されている。
本作は、ピート・ハイン・イークの率直な素材使いと、LEFF Amsterdamが求める普遍的な形とがよく重なった事例として語られる。
チューブシリーズは置き時計にとどまらず、腕時計やスピーカーへと広がり、LEFF Amsterdamの代表的なコレクションへと育っている。
基本情報
| 製品名 | Tube Clock(チューブ クロック) |
|---|---|
| デザイナー | Piet Hein Eek(ピート・ハイン・イーク) |
| ブランド | LEFF Amsterdam(レフ アムステルダム) |
| 発表年 | 2014年 |
| 製造国 | オランダ |
| サイズ | 直径約5cm × 長さ約8cm |
| 重量 | 約220g |
| 素材 | プレーテッドスチール |
| ムーブメント | 日本製クォーツ(3針式) |
| 電源 | LR44ボタン電池 |
| カラーバリエーション | ブラック、ブラス、コッパー、ステンレススチール |
| 保証 | 5年間 |