このページについて
ペリカンチェアは、フィン・ユールが1940年に設計した安楽椅子である。同年のコペンハーゲン家具職人組合展で発表されたが、当時つくられたのは展示の2脚だけで、ハウス・オブ・フィン・ユールが2001年に製品化した。
このページでは、正規品の仕様、張地と脚の選択、ライセンスを受けていない製品との違い、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
フィン・ユールの設計思想や経歴について詳しくはフィン・ユール プロフィールページをご覧ください。
ペリカンチェアのデザインストーリーについて詳しくはペリカンチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
背と肘掛けが一続きになった本体を張地で包み、木の脚で支える。座面には取り外せるクッションが載る。公式サイトによれば、張りはデンマークで手作業で行う。
| 型番 | FJ 4000、FJ 4001(ボタン留めの有無で分かれる) |
|---|---|
| 脚 | ウォールナット、オーク(ダークオイル/クリアオイル)、黒塗装 |
| 張り地 | 布、羊の毛皮、革 |
| 重量 | 25kg(公式の製品シート) |
| 関連する型 | 公式のコレクションには、羊の毛皮張りの Pelican Chair Sheepskin と、Pelican Chair Gotland が別に掲載されている。同じシリーズのペリカンテーブルもある |
| 価格 | 公式サイトに価格の掲載はない(2026年10月時点)。取扱店に問い合わせる |
正規品とライセンスを受けていない製品の違い
権利者のライセンスを受けていない同型の製品が流通している。ハウス・オブ・フィン・ユールが公表している仕様を基準にすると、次の点が判断材料になる。
| 比較項目 | 正規品(ハウス・オブ・フィン・ユール) | ライセンスを受けていない製品 |
|---|---|---|
| 張り | デンマークで手作業(公表) | 公表されない場合が多い |
| 重量 | 25kg(公表) | 公表されない場合が多い |
| 脚 | ウォールナット、オーク、黒塗装(公表) | 樹種が明示されない場合がある |
曲面が続く外形のため、縫い目の通り方や張地のしわに張りの精度が表れる。重量と素材が明示されているかを確かめたい。
寸法と座り方
1人掛けとしては幅が広く、座面は低い。肘掛けと背が一続きで体を左右から囲むため、座る姿勢を固定しない。立ち上がりの動作は事前に確かめておきたい。
同じ設計者の製品との比較
| 比較項目 | ペリカンチェア | No.53 チェア | ポエト ソファ |
|---|---|---|---|
| 木部(公式の素材表記) | 脚:ウォールナット、オーク、黒塗装 | フレーム:ウォールナットまたはオーク | 脚:ウォールナット、オーク、黒塗装のオーク |
| 幅 | 850mm | 710mm | 1,360mm(2人掛け) |
| 重量 | 25kg | 13kg | 34kg |
| 張地 | 布、羊の毛皮、革 | 布または革 | 布または革 |
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
張地と木の脚は、日光と熱で乾燥し色があせる。ストーブや暖房器具の近く、長時間の直射日光は避ける。羊の毛皮は日光で毛の色が変わることがある。
日常の手入れ
ハウス・オブ・フィン・ユールの手入れの案内は次のとおりである。
- 布
- 清潔なノズルで掃除機をかける(できれば毎週)。軽い染みは湯冷ましで固く絞った布で取り、強くこすらない。落ちにくい染みは専門のクリーニングに相談する。
- 羊の毛皮
- 掃除機をかけ、風を通して毛が寝ないようにする。染みはすぐに水で湿らせ、ウール用の中性洗剤で洗う。
- 革
- 乾いた柔らかい布で拭き、こぼした液体はすぐに拭き取る。革の種類に合ったクリーナーやクリームを使う。
- 脚
- 乾いた柔らかい布で拭く。オイル仕上げは、乾いて見えたら元と同じ種類のオイルを薄く塗る(年1〜2回まで)。張地にオイルが付かないよう注意する。
どこで買うか
取扱店の調べ方
ハウス・オブ・フィン・ユールは公式サイトに国別の取扱店一覧を載せている。日本の欄には東京、京都、大阪、名古屋、福岡など各地の21件が並ぶ(2026年10月時点)。価格と納期は取扱店に問い合わせる。
注文時に決めるのは、ボタン留めの有無、張地と色、脚の仕上げである。
中古の流通
1940年当時の製作は展示の2脚だけのため、流通している正規品は基本的に2001年以降の製品である。確認する箇所は、張地の傷みと色の変化、詰め物の潰れと外形の崩れ、脚の接合部の緩み、座面のクッションが付いているかである。
購入前チェックリスト
- ボタン留めの有無
- 張地(布/羊の毛皮/革)と手入れの違い
- 脚の仕上げ(ウォールナット/オーク2種/黒塗装)
- 置き場所と搬入経路(幅850mm、重量25kg)
- 座面の低さと立ち上がりの動作
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- ハウス・オブ・フィン・ユールの公式サイトには価格の掲載がありません(2026年10月時点)。張地と脚の仕上げで価格が変わるため、取扱店にお問い合わせください。
- 日本ではどこで購入できますか?
- 公式サイトの取扱店一覧に、日本の取扱店が21件掲載されています(2026年10月時点)。東京、京都、大阪、名古屋、福岡など各地にあります。
- 重さはどのくらいですか?
- 公式の製品シートでは25kgです。
- ボタン留めのある型とない型がありますか?
- あります。型番はFJ 4000とFJ 4001の2つで、ボタン留めの有無で分かれます。
- 張地はどう選べばよいですか?
- 布、羊の毛皮、革から選べます。素材によって手入れの方法が違い、羊の毛皮は掃除機と風通しで毛が寝ないように保ちます。
- 脚の仕上げは選べますか?
- ウォールナット、オークのダークオイルとクリアオイル、黒塗装から選べます。外に見える木部は脚だけです。
- いつから製造されていますか?
- 1940年の発表時につくられたのは展示の2脚だけで、ハウス・オブ・フィン・ユールが2001年に製品化しました。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 布張りは清潔なノズルで掃除機をかけ、軽い染みは固く絞った布で取ります。革は乾いた柔らかい布で拭いてください。暖房器具の近くと長時間の直射日光は避けてください。