ベストライト BL1は、ロバート・ダドリー・ベストが1930年に設計したテーブルランプである。管を曲げた支柱の先に半球のシェードを吊り、球状の継手で角度を変えられるようにした構成をとる。1930年の発表以来、生産が途切れていない。

現在はデンマークのブランド、GUBIが生産を担っている。

特徴・コンセプト

構成要素は少ない。円盤状のベース、そこから立ち上がる支柱、水平に伸びるアーム、先端の半球シェード。装飾はなく、部材はいずれも機能から形が決まっている。

支柱は高さを調整でき、全高は510mmから840mmの範囲で変わる。シェードはアームに球状の継手で接続されるため、上下左右に振って光を必要な方向へ向けられる。ベースの直径は210mm、シェードの直径は160mm、アームの長さは420mm。

素材はパウダーコートを施したアルミニウムのベースとシェード、クロームメッキの鋼。シェードにボーンチャイナを用いた仕様もある。ケーブルは2mで、途中にスイッチが付く。ソケットはE14。部材は分解して素材ごとに分別できる。

背景

ロバート・ダドリー・ベストはバウハウスの影響を強く受けた英国の設計者である。ベストライトは当初、造形的な意匠としてではなく実用品として受け入れられた。自動車整備工場や英国空軍の技術部門が、その機能性を理由に採用したのが最初の普及にあたる。

その後、設計に関心を持つ層の目に留まり、需要が広がった。

ウィンストン・チャーチルが執務机にベストライト BL1を用いていたことも知られている。

評価

90年以上にわたり設計がほとんど変わっていない点が、この製品の性格をよく表している。産業用の照明として出発した経緯があるため、造形に時代の装飾が含まれず、その分だけ古びにくい。

実務では、デスクランプとしての基本性能が高い。高さ調整とシェードの首振りによって、書見の位置に合わせて光を置ける。ベース直径210mmは机上の占有が小さく、書類を広げる作業を妨げない。

同系統のデスクランプでは、トロメオ ミクロがばねとケーブルによる釣り合いを、ランプ・グラ N°205が関節の摩擦を用いる。ベストライトは可動機構を球状の継手だけに絞っており、部材が最も少ない。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(V&A=ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)。収蔵されているのは壁付照明の一対で、テーブルランプのBL1とは形式が異なる。

  • V&A ベストライト 壁付照明一対(1933〜35年製、設計は1930年頃) 収蔵番号 M.21-1985

基本情報

デザイナーロバート・ダドリー・ベスト / Robert Dudley Best
発表年1930年
ブランドBest & Lloyd(オリジナル)/ GUBI(現行生産)
カテゴリーテーブルランプ / デスクランプ
素材パウダーコートアルミニウム(ベース・シェード)またはボーンチャイナ、クロームメッキ鋼
サイズ全高 510〜840mm(調整可)/ ベース径 210mm / シェード径 160mm / アーム長 420mm
ソケットE14
ケーブル2m(インラインスイッチ付き)