概要

ET66 Calculator(Type 4776)は、ドイツの電機メーカーBraun(ブラウン)から1987年に発売された電卓である。ディーター・ラムス(Dieter Rams)とディートリッヒ・ルブス(Dietrich Lubs)の共同デザインによる作品で、ラムスが掲げた「より少なく、しかしより良く」(Weniger, aber besser)という考え方を代表する製品として広く知られている。

黒い長方形のボディに凸型の円形ボタンを並べた簡潔な構成で、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)のコレクションに収蔵されている。発売から年を経た現在も評価は高く、2013年には復刻版(品番:BNE001BK)の製造・販売が始まった。

特徴・デザインコンセプト

ET66の特徴は、その簡潔な外観にある。黒い長方形のボディに並ぶ凸型の円形ボタンが、視覚的な明快さと操作のしやすさを両立している。特に目を引くのが黄色の等号(=)ボタンで、最も使用頻度の高い機能を直感的に示している。数字・記号・機能のボタンを色で区別する配色は、使い方を理解しやすくするための工夫である。

表示部には8桁のLCDを採用し、自動電源オフ機能を備える。本体は手のひらに収まるサイズで、未使用時にボタンを覆うスライド式の保護カバーが付属する。

Appleとの関わり

ET66は、初期のiPhoneに搭載された電卓アプリの外観とよく似ていることで知られ、両者の類似はしばしば話題にのぼってきた。Appleで長く製品デザインを率いたジョナサン・アイブは、ラムスの仕事から強い影響を受けたことを公言している。なお、iPhoneの電卓アプリはその後デザインが改められており、現在は当時ほど似ていない。

基本情報

製品名 ET66 Calculator(Type 4776)
デザイナー ディーター・ラムス(Dieter Rams)、ディートリッヒ・ルブス(Dietrich Lubs)
ブランド Braun(ブラウン)
発売年 1987年
サイズ 約82mm × 139mm × 16mm
素材 黒色プラスチック
機能 8桁LCD表示、自動電源オフ
付属品 スライド式保護カバー、ボタン電池
収蔵 ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)
復刻版 2013年より製造・販売(品番:BNE001BK)