Braun(ブラウン)
Braun(ブラウン)は、1921年にドイツ・フランクフルトで創業したドイツを代表するコンシューマープロダクツブランドである。創業者マックス・ブラウンによって小さな機械工房として始まったこのブランドは、やがて20世紀のインダストリアルデザイン史において最も重要な存在のひとつとなった。「Less, but better(より少なく、しかしより良く)」という哲学のもと、機能性と美しさを両立させた製品群は、現代のプロダクトデザインに多大な影響を与え続けている。
ブラウンの製品は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ロンドンのデザインミュージアム、フランクフルト応用美術館など、世界有数の美術館において永久コレクションとして収蔵されている。これは、ブラウンの製品が単なる工業製品を超え、20世紀デザイン文化の象徴として認められている証左である。
ブランドの特徴・コンセプト
ブラウンのデザイン哲学は、機能性、信頼性、そして独自性という三つの核心的価値に基づいている。「良いデザインは、シンプルで、有用で、長持ちするものでなければならない」という信念のもと、同社の製品は装飾的要素を排し、製品の本質的な機能を純粋に表現することを追求してきた。
この哲学は、1950年代半ばからブラウンのデザイン部門を率いたディーター・ラムスによって体系化された。ラムスが提唱した「良いデザインの10原則」は、革新性、有用性、審美性、理解しやすさ、控えめさ、誠実さ、長寿命、細部への徹底、環境への配慮、そして「最小限のデザイン」という10の要素を掲げ、現代のプロダクトデザイナーにとって不変の指針となっている。
ブラウンの製品は、バウハウスの理念とウルム造形大学(Hochschule für Gestaltung Ulm)の合理主義的アプローチを融合させ、「ドイツ・モダン・インダストリアルデザイン」という概念を世界に広めた。その影響力はApple社のジョナサン・アイブをはじめとする現代のデザイナーたちにまで及び、iPhoneの電卓アプリやiPodのデザインにブラウン製品からのインスピレーションが明確に見て取れる。
良いデザインの10原則
ディーター・ラムスが1970年代後半に提唱した「良いデザインの10原則」は、ブラウンのデザイン哲学を凝縮したものであり、以下の要素から構成される。
- Good design is innovative(良いデザインは革新的である)
- 技術の発展は常に革新的なデザインの新たな可能性を提供する。革新的なデザインは革新的な技術と共に発展し、それ自体が目的となることはない。
- Good design makes a product useful(良いデザインは製品を有用にする)
- 製品は使用するために購入される。機能的な基準だけでなく、心理的・美的な基準も満たさなければならない。
- Good design is aesthetic(良いデザインは美しい)
- 製品の美的品質はその有用性に不可欠である。日常的に使用する製品は、我々の人格と幸福に影響を与える。
- Good design makes a product understandable(良いデザインは製品を理解しやすくする)
- 製品の構造を明確にする。さらに良いものは、製品に語らせることができる。最良の場合、それは自明である。
- Good design is unobtrusive(良いデザインは控えめである)
- 目的を果たす製品は道具のようなものである。装飾品でも芸術作品でもない。そのデザインは中立的で控えめであり、使用者の自己表現の余地を残す。
- Good design is honest(良いデザインは誠実である)
- 製品を実際以上に革新的、強力、価値あるものに見せようとしない。守れない約束で消費者を操作しようとしない。
- Good design is long-lasting(良いデザインは長持ちする)
- 流行を避け、そのため古くさく見えることがない。流行のデザインとは対照的に、今日の使い捨て社会においても長年にわたって持続する。
- Good design is thorough down to the last detail(良いデザインは細部まで徹底している)
- 何事も恣意的であったり偶然に任せてはならない。デザインプロセスにおける配慮と正確さは、消費者への敬意の表れである。
- Good design is environmentally friendly(良いデザインは環境に優しい)
- デザインは環境保全に重要な貢献をする。製品のライフサイクル全体を通じて資源を保全し、物理的・視覚的な汚染を最小限に抑える。
- Good design is as little design as possible(良いデザインは最小限のデザインである)
- 「Less, but better」—本質的な側面に集中し、製品を非本質的なもので負担させない。純粋さへ、シンプルさへの回帰。
ブランドヒストリー
創業期(1921年-1950年)
1921年、機械技師マックス・ブラウン(1890-1951)がフランクフルトに小さな機械工房を設立した。これがブラウンの始まりである。1923年にはラジオ部品の製造を開始し、1928年には従業員400名を擁する工場を新設するまでに成長した。1929年からラジオセット全体の製造に乗り出し、やがてドイツを代表するラジオメーカーの一角を占めるようになった。
1935年にはブラウンのブランド名とロゴが確立された。第二次世界大戦中、マックス・ブラウンは当初ナチス政権への協力を拒否したものの、最終的には双方向無線機などの軍需品製造を余儀なくされた。1944年の空襲により工場は壊滅的な被害を受けたが、戦後、彼は工場を再建し事業を継続した。
革新の時代(1950年-1967年)
1950年は、ブラウンにとって転換点となる年であった。同社初の電気シェーバー「S 50」と、キッチン家電「Multimix」フードプロセッサーが同時に発売された。S 50は、従来の製品とは異なり、薄い穿孔金属フォイルで刃を覆うという革新的な設計を採用し、より肌に優しい深剃りを実現した。この技術は現在のブラウンシェーバーにも継承されている。
1951年、マックス・ブラウンが急逝し、息子のアルトゥール(1925-2013)とエルヴィン(1921-1992)が会社を継いだ。兄弟は会社の再編と製品ラインの拡充を進め、1955年にはディーター・ラムスを採用。当初はインテリアデザイナーとして入社したラムスは、すぐに製品デザインへと活動領域を広げた。
1956年、ブラウンはフリッツ・アイヒラー率いる最初のデザイン部門を設立し、ウルム造形大学との協力を開始した。同年、ハンス・グゲロット、ディーター・ラムス、ヘルベルト・リンディンガーらによってデザインされたラジオグラム「SK 4」が発表された。透明なプレキシガラスの蓋を特徴とするこの製品は、「白雪姫の棺」という愛称で呼ばれ、家電デザインの歴史に革命をもたらした。
1958年には、ラムスがデザインしたポケットラジオ「T3」が発売された。このコンパクトで洗練されたデザインは、後のApple iPodのデザインに影響を与えたとして広く知られている。1962年にはブラウンAGとして株式公開を行い、1967年には米国ボストンのジレット・グループが過半数株式を取得した。
円熟期とコアビジネスへの集中(1970年代-1990年代)
1970年代に入ると、ブラウンはフィルムスライドプロジェクターやHi-Fi製品から撤退し、シェーバー、コーヒーメーカー、時計、ラジオなどの消費者向け家電製品に注力するようになった。1981年にはオーディオ・Hi-Fi部門がブラウン・エレクトロニック社として分社化され、1990年に事業を終了した。
この時代、ディーター・ラムスとディートリッヒ・ルプスは、「Phase I」「Phase II」「Phase III」「AB 20」といった一連の名作時計をデザインした。また、1987年には電卓「ET 66」を発表。丸みを帯びた凸状のキーと人間工学に基づいたデザインは、後にiPhoneの電卓アプリのデザインに直接的な影響を与えた。
1984年にブラウンはジレットの完全子会社となり、1996年にはジレット自体がプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)に買収された。これにより、ブラウンはP&G傘下のブランドとなった。
現代:復活と継承(2000年代-現在)
2012年、P&Gはブラウンの家電部門のブランド権利をイタリアのデロンギ社に譲渡した。これにより、キッチン家電はデロンギ社がブラウンブランドを使用して製造・販売することとなった。また、時計・腕時計はZeon社がライセンスを保有し、ブラウンのデザイン遺産を継承している。
2019年、ブラウンは約28年ぶりにオーディオ市場に復帰した。1959年のオリジナルLEスピーカーシリーズを再解釈した「LE01」「LE02」「LE03」スピーカーは、IFA 2019で世界初公開された。ブラウン・デザイン・ディレクターのオリバー・グラベス教授は、「ブラウン・オーディオの再導入は、音楽が私たちの生活において持つ重要性との関係を再び呼び覚ますことを意味する」と述べている。
2021年には創業100周年を迎え、ファッションデザイナーのヴァージル・アブロー(Off-White創業者、ルイ・ヴィトン・メンズのアーティスティック・ディレクター)とのコラボレーションが実現した。アブローは1965年の「Wandanlage」Hi-Fiオーディオ・ウォールユニットを再解釈し、「ファンクショナル・アート」として発表。このプロジェクトは、ブラウンのデザイン遺産が現代のクリエイターにも深い影響を与え続けていることを証明した。
主なインテリアプロダクトとその特徴
SK 4 ラジオグラム「白雪姫の棺」(1956年)
SK 4は、ブラウンのデザイン史において最も象徴的な製品である。ハンス・グゲロットとディーター・ラムスによってデザインされ、ヘルベルト・リンディンガーも開発に参加した。白い金属筐体と透明なプレキシガラスの蓋を特徴とするこの製品は、従来の家具調ラジオグラムとは一線を画す革新的なデザインであった。
「白雪姫の棺(Schneewittchensarg)」という愛称は、グゲロットがこのデザインを見て童話「白雪姫」を連想したことに由来する。このプレキシガラスの蓋という発想は、当初社内では「パン箱のようだ」と不評であったが、透明化されてからは大成功を収め、後のオーディオ業界全体に影響を与えた。現在、MoMAやメトロポリタン美術館など世界の主要美術館の永久コレクションに収蔵されている。
T3 ポケットラジオ(1958年)
T3ポケットラジオは、ディーター・ラムスのデザイン哲学を最も純粋に体現した製品のひとつである。約15cm×8cm×4cmというコンパクトなサイズに、円形のチューナーダイヤルとスピーカー用の穿孔パターンを配した白いボックス型のデザインは、「Less, but better」の理念を見事に具現化している。
このデザインは、2001年に発売されたApple初代iPodのデザインに大きな影響を与えたとして広く知られている。白いボディ、円形のコントロール、コンパクトなフォームファクターという共通点は、両製品の類似性を如実に示している。T3は、50年以上前のデザインが今なお色褪せない「タイムレスネス」の証明である。
ET 66 電卓(1987年)
ET 66電卓は、ディーター・ラムスとディートリッヒ・ルプスの共同デザインによる傑作である。凸状の丸いキー、洗練された色使い(数字キーはグレー、機能キーは黒、「=」キーは黄色と黒のハイコントラスト)、そして人間工学に基づいたレイアウトは、電卓というカテゴリーの「完璧な形」を定義した。
この製品は、iPhoneの電卓アプリのデザインに直接的な影響を与えたことで有名である。初代iPhoneの電卓アプリは、ET 66のボタン配置と色使いをほぼそのまま踏襲していた。MoMAの永久コレクションにも収蔵されており、2013年にはブラウンによる公式復刻版が発売された。「Less, but better」の哲学を最も端的に体現した製品として、デザイン愛好家の間で高い評価を受けている。
AB 1 アラームクロック(1987年)
AB 1アラームクロックは、ディートリッヒ・ルプスがデザインした究極のミニマリスト時計である。正方形のコンパクトな筐体に、クリアな文字盤とシンプルな針を配したデザインは、デスクトップ時計の「これ以上何も加えるべきではなく、何も取り除くべきものがない」という完璧さを体現している。
多くのデザインコレクターにとって、AB 1は「入手すべきブラウン時計」として位置づけられている。このシンプルさの追求は、後のAB 5(正方形から円形への進化)やABW 41(極薄壁掛け時計)へと継承され、ブラウンの時計プログラム全体の基盤となった。
LE スピーカーシリーズ(1959年/2019年復刻)
1959年に発表されたオリジナルのLEスピーカーシリーズは、ディーター・ラムスによるデザインで、ブラウンのオーディオ製品における革新性を象徴する存在であった。LE 1静電型スピーカーは、その技術的革新性と美的完成度により、MoMAの永久コレクションに収蔵されている。
2019年にブラウン・オーディオとして復活したLEシリーズ(LE01、LE02、LE03)は、オリジナルのデザイン言語を継承しながら、Google Assistantによる音声操作、Chromecast、Apple AirPlay 2といった現代のストリーミング技術を搭載している。アルミニウムフレームに包まれたミニマルな外観は、ラムスの「控えめで、目を引くが邪魔にならない」というデザイン哲学を現代に甦らせている。
Wandanlage Hi-Fiウォールユニット(1965年)
Wandanlagen(壁掛けシステム)は、ディーター・ラムスによる壁掛け型Hi-Fiシステムである。5本のアルミニウムEプロファイル、2枚の棚板、L450スピーカー、TG60リールテープレコーダー、TS45コントロールユニット(ラジオ・アンプ)、PCS5ターンテーブルで構成されるこのシステムは、オーディオ機器をインテリアの一部として統合するという革新的なコンセプトを提示した。
2021年のブラウン創業100周年に際し、ヴァージル・アブローがこのWandanlageを再解釈した「ファンクショナル・アート」を発表した。クローム仕上げの現代的解釈は、ブラウンのデザイン遺産が21世紀のクリエイターにも強いインスピレーションを与え続けていることの証左である。
主なデザイナー
ディーター・ラムス(Dieter Rams)
1932年ドイツ・ヴィースバーデン生まれ。1955年にブラウンに入社し、当初はインテリアデザイナーとして勤務したが、すぐに製品デザインへと活動領域を広げた。1961年から1995年までブラウンのデザイン部門責任者を務め、約40年間にわたり500以上の製品デザインを監督した。
ラムスは「Less, but better(より少なく、しかしより良く)」という哲学で知られ、「良いデザインの10原則」を提唱した。SK 4ラジオグラム、T3ポケットラジオ、ET 66電卓など数々の名作を生み出し、その影響力はApple社のジョナサン・アイブをはじめとする現代デザイナーに及んでいる。アイブは自らラムスに手紙を送り、その仕事への感謝を伝えたという。
ラムスはブラウン以外にも、Vitsœ社の「606 ユニバーサルシェルビングシステム」(1960年)など、時代を超えて愛される家具のデザインも手がけている。2009年のドキュメンタリー映画「Objectified」では、Appleが自身の原則に従って製品をデザインしている数少ない企業のひとつであると述べている。
ハンス・グゲロット(Hans Gugelot)
1920年インドネシア(旧オランダ領東インド)生まれ、1965年没。スイス連邦工科大学チューリッヒ校で建築を学んだ後、1948年からマックス・ビルのもとで家具デザインに携わった。1953年からウルム造形大学の講師を務め、ブラウンとの協力関係において中心的な役割を果たした。
グゲロットは、SK 4ラジオグラム「白雪姫の棺」のデザインにおいて、2枚の木製サイドパネルと金属筐体という構成を考案した。この「支える部分と支えられる部分の視覚的なドラマ化」という構造的アイデアは、彼のデザイン思想の核心であった。また、ボフィンガー社のM125棚システムなど、システムデザインの先駆者としても知られている。
ディートリッヒ・ルプス(Dietrich Lubs)
ブラウンの時計・腕時計プログラムの発展に決定的な貢献を果たしたデザイナーである。1970年代からブラウンで活躍し、ディーター・ラムスとの協働により、Phase 1、Phase 2、Phase 3アラームクロック(1970年代初頭)、AB 20(1975年)、AB 1(1987年)、ABW 30壁掛け時計(1982年)など、数々の名作を生み出した。
ルプスはまた、ブラウン製品におけるAkzidenz-Groteskフォントの標準化、そしてブラウン独自のアラーム音の開発にも携わった。1995年にはデザイン部門副責任者となり、2001年に退社。近年はZeon社と協力し、1970年代のブラウン時計の復刻版制作に取り組んでいる。
フリッツ・アイヒラー(Fritz Eichler)
1956年にブラウン初のデザイン部門を設立し、ウルム造形大学との協力関係を構築した人物である。製品デザインディレクターとして、ブラウンのデザイン哲学の確立に重要な役割を果たした。SK 4の誕生について、「ラムスと私はお互いの邪魔をしていた。レコードプレーヤーとダイヤルの配置は合意していたが、筐体という本質的な部分で行き詰まっていた」と回顧している。
ゲルト・アルフレート・ミュラー(Gerd Alfred Müller)
ブラウンのキッチン家電デザインの草分けである。1957年に発表されたKM 3/31フードプロセッサー(キッチンマシン)をデザインし、「キッチン家電」という新たな製品カテゴリーを確立した。このKM 3シリーズは、36年間にわたりほぼ同じ形で生産され続けるという驚異的な長寿命を誇った。
ウルム造形大学との協力
ブラウンのデザインを語る上で欠かせないのが、ウルム造形大学(Hochschule für Gestaltung Ulm、HfG)との協力関係である。1953年にインゲ・シェル、オトル・アイヒャー、マックス・ビルによって設立されたこの学校は、バウハウスの精神を継承しつつも、社会学、心理学、経済学といった分野をデザイン教育に統合するという革新的なアプローチを採用した。
1950年代半ば、ブラウンは差別化のためにウルムに新製品のデザインを依頼した。ハンス・グゲロット、オトル・アイヒャー、そして学生たちがこのプロジェクトに参加し、SK 4ラジオグラムの開発においては、ウルムの金属工房でその特徴的な金属筐体が試作された。
この協力関係を通じて「ブラウン・スタイル」が確立された。トマス・マルドナードによれば、「オリベッティが多様性の中の統一を求めたのに対し、ブラウンのスタイルは製品の統一性と他の製品との一貫性を求めた」という。この「システムデザイン」の考え方は、ブラウン製品全体に一貫したデザイン言語をもたらし、現代のブランドアイデンティティ構築の先駆けとなった。
基本情報
| ブランド名 | Braun(ブラウン) |
|---|---|
| 正式社名 | Braun GmbH |
| 創業年 | 1921年 |
| 創業者 | マックス・ブラウン(Max Braun, 1890-1951) |
| 本社所在地 | ドイツ連邦共和国 ヘッセン州 クローンベルク・イム・タウヌス |
| 親会社 | プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) |
| 事業分野 | シェービング・グルーミング、ビューティー、ヘアケア(P&G)、キッチン家電(デロンギ社ライセンス)、時計・腕時計(Zeon社ライセンス)、オーディオ(Braun Audio) |
| デザイン哲学 | 「Less, but better(より少なく、しかしより良く)」「良いデザインの10原則」 |
| 主な受賞歴 | iF Design Award 375回以上受賞、多数の製品がMoMA永久コレクション収蔵 |
| 公式サイト | https://www.braun.jp/ja-jp |
参考文献・情報源
- Braun GmbH 公式サイト(braun.com)
- Braun Audio 公式サイト(braun-audio.com)
- Vitsœ - Dieter Rams: Good Design(vitsoe.com)
- The Museum of Modern Art(moma.org)
- Design Museum London
- Core77 - History of Braun Design
- iF Design - 100 Years of Braun Design
- HfG-Archiv / Museum Ulm