H 1 は、ブラウン社が1959年に発売したファンヒーターである。設計は、当時同社のデザイン部門を率いていたディーター・ラムス。ドイツ語では Heizlüfter、あるいは Thermolüfter と呼ばれた。扁平な直方体の樹脂ケースに送風機と発熱体を収め、暖房器具から装飾的な要素を取り除いている。
特徴とコンセプト
横に伏せた箱形
幅26.7cm、奥行13.3cm、高さ8.9cm。横に長く、高さを抑えた比率で、床や棚の上に置いても目線に入りにくい。当時の暖房器具に多かった格子やクロムの装飾は用いず、ケースは平滑な面で構成される。
筐体は樹脂の成形品である。金属の枠に部品を組み付ける従来の作り方に対し、成形した樹脂のケースで全体をまとめる方向をとった点に、1950年代末のブラウン製品に共通する考え方が表れている。
送風と暖房の兼用
ニューヨーク近代美術館は本機を Heater-Ventilator として登録している。発熱体を止めれば送風機として使えるため、暖房期以外にも用途があった。ブラウンはこの後も同じ構成のファンヒーターを H 2、H 3 と展開した。金属の枠に部品を組み付けるのではなく成形した樹脂で全体をまとめる方向は、ブラウン LE1 スピーカーにも共通する。
評価
ブラウンの製品番号では、H が暖房器具、HL が送風機を指す。1961年発売の ブラウン HL 1 デスクファン はラインホルト・ヴァイスによる卓上扇風機で、本機とは設計者も機能も異なる。型番が近いため、両者を同一の製品として扱った記述が流通しているが、別の製品である。
収蔵
以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。製造元からの寄贈にあたる。
- MoMA ヒーター・ベンチレーター(モデルH1、1959年) 収蔵番号 406.1960
ディーター・ラムスの設計思想や経歴について詳しくはディーター・ラムスプロフィールページをご覧ください。
ブラウンの歴史や他の製品について詳しくはブラウンブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | H 1 ファンヒーター(H 1 Heater-Ventilator/Heizlüfter H 1) |
|---|---|
| デザイナー | ディーター・ラムス |
| 発売年 | 1959年 |
| ブランド | ブラウン |
| デザイン発祥地 | ドイツ |
| 素材 | 樹脂ケース |
| サイズ | 幅26.7cm × 奥行13.3cm × 高さ8.9cm |
| 別称 | Thermolüfter |
| 後継モデル | H 2、H 3 |