メラミン樹脂を含ませた化粧紙と、フェノール樹脂を含ませた紙を重ね、高温高圧で一体にした板。傷や熱、水に強く、天板や家具の表面材に用いられる。

メラミン化粧板

メラミン化粧板とは、メラミン樹脂を含浸させた化粧紙を表層に、フェノール樹脂を含浸させたクラフト紙を下層に重ね、高温高圧で硬化させて一体にした板のこと。日本産業規格では「熱硬化性樹脂高圧化粧板」として JIS K 6903 に定められ、英語では high-pressure laminate、略してHPLと呼ぶ。

解説

表層のメラミン樹脂は硬く、傷や熱、水、汚れに強い。ただし単体では脆いため、下層をフェノール樹脂の層とし、割れにくさを補っている。一般的な製品は厚さ1mm前後のシートで、合板やパーティクルボードなどの基材に接着して用いる。切断した小口には茶色や黒の下層が線となって現れるため、縁を別の材で覆うか、その線を意匠として見せるかの判断が生じる。表面の柄は化粧紙に印刷されるので、木目や石目から単色、図案まで自由に選べる。

層を厚く重ねて基材なしで自立させたものがコンパクトラミネートで、厚さ数ミリから数十ミリの板として流通する。断面の全体が同じ材料でできているため小口を処理しなくてよく、水回りの間仕切りや実験台、屋外の卓などに使われる。

デザイン史では、この材料がメンフィスと強く結びついている。エットレ・ソットサスは1960年代から化粧板を家具に用い、イタリアの化粧板メーカー、アベート・ラミナーティのために多くの柄を描いた。1978年の「バクテリオ」はその一つで、メンフィスの設計者たちはこうした柄の化粧板を家具の表面材の主な選択肢とした。台所や商店の什器の材料を、そのまま家具の顔にするという扱いである。梅田正徳のTAWARAYAも、台の縁を黒と白の縞の化粧板で覆っている。

表面は硬い反面、角や縁に強い衝撃が加わると欠けやすい。突板のように研磨して仕上げ直すことはできないため、深い傷や欠けは補修材で埋めるか、板ごと交換することになる。

Reference

JIS K 6903:2022 熱硬化性樹脂高圧化粧板(日本規格協会 プレビュー)
https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_k_06903_000_000_2022_j_ed10_ch.pdf
メラミン樹脂(日本大百科全書/コトバンク)
https://kotobank.jp/word/%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E6%A8%B9%E8%84%82
Ettore Sottsass, Bacterio(The Metropolitan Museum of Art)
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/759731
Bacterio | Ettore Sottsass(Abet Laminati)
https://na.abetlaminati.com/?p=31568

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