概要
メイデイは、コンスタンチン・グルチッチが1998年に設計した照明である。フロスが2000年から製造している。
円錐形のポリプロピレンのシェードに、把手を兼ねたフックが付く。置く・掛ける・吊るすのいずれでも使えるため、設置の方法を選ばない。
コンスタンチン・グルチッチの設計思想や経歴について詳しくはコンスタンチン・グルチッチ プロフィールページをご覧ください。
特徴・コンセプト
類型を外す
照明は通常、吊り下げる、卓上に置く、床に立てる、壁に付けるのいずれかに分類される。設置の方法が先に決まり、そこから形が導かれる。
設計者はこの前提を外すと述べている。メイデイはどの類型にも属さず、必要な場所へ持って行くという扱いを前提とする。設置場所を設計の段階で決めないことが、この製品の出発点にあたる。
把手が担う3つの役割
シェードの上部に付く部材は、握るための把手であり、掛けるためのフックであり、コードを巻き取る軸でもある。
3つの役割を1つの部材に集めることで、部品の数を増やさずに使い方の幅が広がる。押しボタンの開閉器もここに組み込まれる。
シェードには三角形の切り欠きがあり、釘に掛けることもできる。
作業灯を出発点とする
シカゴ美術館の記述によれば、着想は自動車の整備士が用いる作業灯にある。車の前部を開けて引っ掛けるためのフックを持ち、装飾を加えない道具にあたる。
この形式を住居で使えるものに置き換えている。コードの長さは約4.85mあり、電源の位置から離れた場所でも使える。
エピソード
名称の由来
メイデイは、海上で用いられる遭難信号にあたる。設計者は、困ったときに手元にあって役立つという性格をこの語に重ねたと述べている。
同時に5月1日を意味する語でもある。
受賞の理由
2001年のコンパッソ・ドーロでは、屋内外を問わず設置の制約がない使い方の柔軟さ、手頃な価格、既存の部品を主に用いた造形上の検討が挙げられている。
評価と影響
一般的に、設計者の仕事のなかで最も広く知られた製品として扱われている。用途を絞らないことで成立する道具という設定にあたる。
近年は環境負荷を抑えた素材による仕様に切り替えられ、屋外用も加わった。
受賞・収蔵
2001年のコンパッソ・ドーロを受けている。
シカゴ美術館が収蔵している("Mayday" Lamp、1998年、収蔵番号 2007.58)。
基本情報
| デザイナー | コンスタンチン・グルチッチ |
|---|---|
| ブランド | フロス |
| 発表年 | 1998年(生産開始は2000年) |
| デザインの成立国 | ドイツ |
| 主要素材 | ポリプロピレン |
| サイズ | 高さ530mm、シェードの直径220mm |
| コードの長さ | 約4,850mm |
| 把手 | 握る・掛ける・コードを巻き取るの3つを兼ねる。開閉器も組み込まれる |
フロスの歴史や他の製品について詳しくはフロス ブランドページをご覧ください。
Reference
- Mayday | Flos
- https://flos.com/en/wo/mayday/M-mayday.html
- "Mayday" Lamp | The Art Institute of Chicago
- https://www.artic.edu/artworks/189809/mayday-lamp