キビは、ヘイッキ・オルヴォラが1988年に設計したティーライト用のキャンドルホルダーである。フィンランド語で「石」を意味する名のとおり、厚い型押しガラスの塊に穴を穿っただけの単純な形をとる。
この厚みが光の見え方を決めている。炎はガラスの内部で屈折し、周囲へ広がる。一つでも成立するが、色を変えて並べたときに効果が際立つ。
特徴・コンセプト
造形上の操作は最小限にとどめられている。円筒に近い塊、上面の窪み、それだけである。装飾もテクスチャーもない。残るのはガラスという素材そのものの厚みと色になる。
イッタラはキビの着色に、表面だけを染めるのではなくガラス素地そのものに色を溶かし込む方法を採っている。このため色は深く、光を透過したときに濁らない。色ごとに固有の調合が用意されており、コレクションは毎年少しずつ増えている。
製造は手作業による型押しで行われる。高さ60mmと80mmの2種類が供給される。
背景
オルヴォラは1968年、カイ・フランクの招きでヌータヤルヴィのガラス工場に加わった。
キビも当初はヌータヤルヴィのガラス工場で製造されていた。1995年以降はイッタラのガラス工場へ生産が移っている。
オルヴォラの仕事はガラスにとどまらず、陶器、鋳鉄、ホーロー、テキスタイルにも及ぶ。
評価
北欧の住宅では、秋から冬にかけての長い暗さのなかで蝋燭の火が日常的に使われる。キビはその習慣に応える道具として設計されており、装飾品というより生活の備品に近い性格を持つ。
実務では、色違いを複数まとめて窓辺や食卓に並べる使い方が定着している。高さ60mmは食卓に置いても視線を遮らない寸法で、向かい合う相手の顔が見える。同じイッタラのティーライトホルダーでは、粒状の突起で光を散らすカステヘルミ キャンドルホルダー、柔らかい輪郭のヴァルケア キャンドルホルダーがそれぞれ異なる光の見え方を示す。
ヘイッキ・オルヴォラの設計思想や経歴について詳しくはヘイッキ・オルヴォラプロフィールページをご覧ください。
イッタラの歴史や他の製品について詳しくはイッタラブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | ヘイッキ・オルヴォラ / Heikki Orvola |
|---|---|
| 発表年 | 1988年 |
| ブランド | イッタラ / Iittala |
| カテゴリー | キャンドルホルダー(ティーライト用) |
| 素材 | ガラス(型押し・素地着色) |
| サイズ | 高さ 60mm / 80mm の2種 |
| 製造 | フィンランド(1995年まではヌータヤルヴィ、以降はイッタラのガラス工場) |
| 名称の由来 | フィンランド語で「石」 |